輸出前貸しについての貿易用語解説。貿易実務の情報サイト 「らくらく貿易」。|輸出前貸し 貿易用語集

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貿易用語集

公開日:2015.10.16  / 最終更新日:2017.10.26

ゆしゅつまえがし・ユシュツマエガシ 輸出前貸し

外為実務用語。
輸出者への、金融機関による輸出関連資金融資のこと。

一般には手形貸付によるが、最近では印紙節約目的で、特定当座貸越が利用されることが多い。

輸出者は、この資金で輸出商品の生産や購入を行なう。その後、輸出者は船積書類を金融機関に買い取ってもらう。融資金の返済は、この買取代り金で行われる。

なお手形貸付以外の融資方法として、輸出当座貸越(E勘定、Export Account)がある。これは個人の総合口座(当座貸越)と似ており、貸越限度額までは、金額・回数に関係なく利用できる。

ワンポイント:
輸出前貸は他の借入(例えば運転資金や設備資金)に比べて、金融機関の審査が通り易いと言われている。

この理由として考えられるのは次の点である。
1.資金の使い道がはっきりしている。
  →輸出商品の仕入や製造に充当。他には使えない約束。
2.何のお金で返済するのかがはっきりしている。
  →輸出の買取代り金が返済原資。
3.返済の確実性が高い。
  →返済金は信用状付輸出為替の買取になる場合が多く、書類さえ整えば不渡りの可能性は低い。
4.比較的短期で返済してもらえる。
  →輸出書類の買取を行ない、その資金で返済されれば、その時点で輸出前貸は終了となる。
5.金利収入以外のメリットがある。
  →輸出前貸は輸出為替持込が前提であり、外為を獲得できるというメリットが大きい。

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