寄稿シリーズ:「書籍の中の杭州 はじめに」 著者:宮下江里子
大陸中国の華東地区、浙江省の省都・杭州をご存知でしょうか? 「上有天堂、下有蘇杭」
杭州は、中国内では古より「地の天堂(天国)」と称えられた歴史ある風光明媚な地です。けれど、つい先ごろまで対で語られる蘇州と比べ、日本での知名度はそれほど高くありませんでした。「蘇州夜曲」のような流行歌がなかったからかもしれません。
2011年に杭州の西湖- West Lake – がユネスコ世界文化遺産リストに登録され、東京大阪への航空直行便が飛び、最近は認知度も上がってきたようです。
しかし、実はそれ以前から、日本でも知る人ぞ知る土地ではありました。
私はベタな日本のオバさん、本業こそイマドキっぽいIT関連ですが、ニホンゴ以外にマトモに使える言語ナシ、和食大好き、弾ける楽器は細棹(小唄用)三味線、歌舞伎、文楽鑑賞が最大の娯楽でした。
そんな私が縁合って杭州の現地法人責任者として赴任し、異国に暮す内、カタコトながら言葉を解し、私以外は全員中国人の会社をジタバタしながら切り盛りし、この地の友人を得、気が付けば八年目を迎えます。
この度、コラムを執筆する機会をいただき、今は私の第二の本拠となった杭州を、故郷日本の方々にもっと知っていただけたらと、日本の書籍の中に表れるこの地を題材に、現在の風景と並べるかたちでお伝えしようと考えました。
コラムで紹介する本は、魅力的で読みやすいものを選びました。もし機会があれば、ぜひ原書も読み味わってください。そしてこれがきっかけとなり、実際に杭州にお越しくださる方が現れれば、本当に幸せに感じます。
2012 © 宮下江里子@杭州超海科技有限公司
(Hangzhou Chao-hi Co. Ltd.)