公認会計士の海外展開講座 その4 2012年度シンガポール政府予算案のポイント(3)
M&A控除
M&A所得控除(2015年3月31日までの時限措置)に関し、株主取得にかかった費用(株価算定、デューデリジェンス等)について、1賦課年度につきS$100,000を限度として費用の200%の所得控除が認められます。
また、現行では、直接買収または直接の100%子会社を介した買収のみが対象ですが、孫会社等の間接の100%子会社を介した買収についても対象とされます。改正は、2012年2月17日以降に完了したM&Aについて適用されます。
内装工事費控除
一般の事務所や店舗の内装工事は、2008年2月16日から2013年2月15日までの期間に発生した所定の費用に限りS$150,000を限度として3年間の減価償却が認められていますが、2013賦課年度より限度額がS$300,000に引き上げられます。
少額固定資産の全額償却
現行では、1資産当たりの取得価額がS$1,000以下の固定資産の取得について1賦課年度につき合計S$30,000まで全額償却が認められていますが、2013賦課年度より1資産当たりの取得価額の上限についてS$5,000に引き上げられます。
個人所得税及び中央積立基金(CPF) 拠出金
個人所得税及びCPFに関して、高齢者及び障害者のための改正がいくつかなされました。
55歳以上または障害者について、2013賦課年度より勤労所得控除の金額が現行の2倍に引き上げられます。
これにより、健常者の場合、55歳から59歳の勤労所得控除はS$6,000、60歳以上の勤労所得控除はS$8,000になります。
また、2012年9月1日より51歳以上の従業員のCPF拠出率が引き上げられ、雇用主の拠出率は51歳から55歳について14%(現行12%)、56歳から60歳について10.5%(現行9%)、61歳から65歳について7%(現行6.5%)へ引き上げとなります。
2012 © 佐久間 将司@EMZ株式会社