日本人は、契約書を交わすよりも、信頼できる相手とビジネスをする、お互いの信頼関係を重視する傾向があるといわれています。
「我われ日本人は法律や契約を単なる建前と考える傾向が強く、よって必ずしも重視せず、実際にトラブルがあっても話し合いや人間関係で解決に至ると考えがちである」(「日本人の法意識」、川島武宣著、岩波新書)
国際取引の契約書、それも英語で書かれた契約書をよく読まずに、署名していませんか?
署名する前に、内容をよく読んで、理解できないところがあれば、相手先に訂正の交渉をするようにしてから、納得して合意することが大事です。
日本人だけでなく、だれでも、自分に都合のよいように考えるものです。
口頭で契約交渉をして、すべて話し合ったつもりでも、抜けもれや見落としがあるものです。
お互いの主張する契約条件を話し合い、合意した内容を契約書面にして確認することで、お互いの意識のずれや見落としをなくすことができるのです。
国際取引の契約書を自分で作るには、法務的な知識が必要になるなど、手間もコストもかかるといったマイナス面もありますが、問題が起きてから対処する手間とコストを考えてみましょう。
お互いの認識の違いや誤解を未然に防いでおくのは、事後コストが多大なためです。
国際取引にはクレームは付きもので、起こるべくして発生した、あるいは自らクレームのリスクを招いたケースが多々あります。
書面で取り決めていても、円満解決できないことも多々あります。そのため、契約時に第三者による調停・仲裁などの解決方法についても取り決めておくことが、早期解決につながるのです。
2012/2/29