このたび株式会社カメラのキタムラが、
デジカメからレンズ、写真用品、家電まで
約4万点以上の商品を網羅したネットショップにおいて、
13か国対応の言語切替システムを導入した。
カメラのキタムラではすでに中古ネットショップで
多言語に対応できるシステムを取り入れており、
今回、さらにワンランク上の商品の販路拡大を狙う。
背景には、ここ数年の訪日外国人の増加と、スマホの普及などが
あげられるだろう。
特にスマホがもたらしたライフスタイルへの影響は大きい。
誰もが気軽にきれいな写真を撮影することができるうえ、
それをFacebookやブログなどのSNSにアップしてみんなと
シェアするのも簡単。
仕事に、プライベートに、旅先ではもちろん、日常生活のひとこまを
写真に収めるのがすっかり当たり前になった。
市場を見てもスマホと写真やカメラの関わりがよくわかる。
デジカメが売り上げを急激に落とした2010年は、
ちょうどスマホが驚異的なスピードでシェアを拡大していった
時期と重なり、ちょっとしたスナップ写真を撮るためにわざわざ
カメラを携える時代は、終わりを告げたといってもいいだろう。
いっぽう、デジカメに代わって一段と売り上げ好調なのが、
従来の一眼レフカメラの機能の一部を外し、軽量&コンパクトを
実現したミラーレスカメラ。
気軽に持ち運びができるうえ、スマホやデジカメよりも格段に
画質がいい点が人気を後押ししている模様。
みんなとは一味違った写真をアップして際立ちたいという、
こだわりを持った層にヒットしている。
このたびカメラのキタムラが、ネットショップ用、
13か国の言語切替システムを導入したのはまさにタイムリー。
日本は近年、多くの製造業において生産量トップの座を中国や
韓国などに明け渡しているが、光学技術やデジタル、センサー、
そして組み立てなどの面で高度な技術力を要するカメラに関しては、
いまだこれらの国々の追随を許さず、
2014年のデジタルカメラとミラーレスカメラをあわせた
日本製製品は、なんと世界シェア80%だ
(2014年発表の日本経済新聞社による世界シェア調査)。
こうしたメーカーの動向をにらみながら、
カメラのキタムラが今回発表したネットショップにおける、
13か国の翻訳切替サービス。
中国語、韓国語、中国語や韓国語、タイ語、英語、ドイツ語、フランス語
などの言語に表示切替えが可能で、
タブレットやパソコンサイトだけでなく、スマホにも対応しているのも特徴だ。
あらかじめ自国でネット注文した品を、日本を訪れた際に店舗指定して
受け取るというショッピングの方法もぐんと容易になったこのサービス。
母国語でカメラの検索ができたり、解説を読むことができれば、
英語に頼ってサイトを眺めているときよりも、
購入までの歩幅がずいぶん縮まるはず。
これからはもっと世界のあちこちで、
日本製のカメラを手にした人たちとたくさん会えるに違いない。
2015/11/21 フリーライター 蛭川 薫