コロナ時代の引っ越しは小さい家を選ぶ傾向があります
トルコの新学期は9月に始まります。大学の合格発表も7月の末から8月の頭のあたりに出ることが多くなっています。そのため、8月から9月にかけては、引っ越しシーズンになります。ところが、トルコでも2020年の3月に最初のコロナ患者さんが出た後、状況が変わりました。
学校の授業はインターネットを通したものになり、多くの官公庁や会社の仕事もテレワークに移行したため、大学や会社のある街に住む必要が無くなりました。2020年3月26日以降、全国の大学で授業がインターネットを使ったものになると決められ、多くの学生寮も閉鎖されると発表されました。学生寮は、海外から帰ってきた人たちの隔離施設として使われるようになり、寮にいた学生は実家に帰らざるを得なくなりました。
寮にいた学生だけでなく、家を借りていた学生たちも、借りていた家を畳んで実家に帰る人が多くいました。そのため、2020年4月に3ヶ月から6ヶ月のスパンでの貸倉庫の利用が前年に比べて77%増えたといいます。通常、6月から9月にかけて貸家が増えるのですが、2020年は4月に空き家がどっと増え、家の窓に、貸家表示されている家が多くみられるようになりました。
部屋の窓には貸家の広告が
トルコで家を探す際には、インターネットの不動産サイトも使いますが、最も多いのは住みたい地区を歩いて探す方法です。貸家にはKIRALIK、売り家にはSATILIKという表示がされ連絡先も書かれています。気になる家があったらその場で電話をして、家の大きさや家賃などを問い合わせ、条件に合うようであればその場で見せてもらいます。
気に入ったら、そのまま不動産屋さんか大家さんと契約交渉に移ります。間に不動産屋さんが入る場合には、家賃の12か月分の12%を手数料として支払います。家によって、日本の敷金に当たるデポジットが設定されていて、家賃1ヵ月分から3ヶ月分くらいを要求されることもあります。これは、退室時に返ってくることになっていますが、残念ながら、外国人の私はあまり返してもらえたことがありません。
統計によると、2020年の下半期には引っ越しが前年に比べて44%増えたといいます。興味深いことにパンデミックの下、3LDKの大きめの家への引っ越しが4%減り、1LDKの小さな家への引っ越しが逆に4%増えたと言います。
引っ越しにはリフトを使います
トルコにも引っ越し業者がいて、梱包作業から家具の組み立てまですべてをお願いすることもできます。1LDKの大きさの家の市内での引っ越し費用の平均が、1400リラから1600リラくらいするため、市内の引っ越しであれば、友人や家族の力を借りて自分たちで引っ越しをする人もいます。
県を越えた引っ越しの場合、荷物の量だけでなく、距離と部屋のある高さによって変わってきます。5階建て以上の家の場合、屋内のエレベーターを引っ越しに使うことが禁じられているため、外付けのリフトを使う必要があり、その費用が乗ってきます。
参考サイト:
貸倉庫の利用数の増加
https://emlakkulisi.com/kovid-19-sonrasi-tasinmalar-yuzde-107-artti/642768
引っ越し数のデータ
https://emlakkulisi.com/turkiyede-tasinma-orani-yuzde-42-buyudu/665693
2021/10/03
海外だより:トルコより
土窓愉見
トルコ在住