ケニアからの海外だよりも最後となりました。ケニアでの生活を総括してお届けします。
日本に一時帰国をすると「ケニアってどんなところ?」と、よく聞かれます。
一言でケニアの良さをまとめるのはとても難しいのですが、あえて表現するならば「住みやすい」だと思います。
今回は、長年住む中で感じたことをまとめてみます。
住みよいと感じる第一の理由は、年間の平均気温が18°Cと年中を通して快適な気候です。雨季、乾季はありますが、雨が降っても湿度は低く、長引くこともありません。乾季の間も30°Cを超えることは珍しく暑いと感じることも少ないです。ケニアの気候は日本へ帰国された方からもっとも聞くケニアの素晴らしいところです。
次に、身の回りのお手伝いがとても簡単に雇えることです。単身者であっても、日本に比べて家も広く埃っぽいので、
お手伝いさんは非常に助かります。外国人のほとんどが、お手伝い、ドライバー、ナニーなどのスタッフを雇用しています。特に小さな子供をもつ家庭は、簡単に祖国から家族のサポートも得られないので、ナニーがとても頼りになります。
また、とても気さくな国民であることもケニアの良さです。例えばスーパーやレストランなどで働くスタッフ、オフィス内で出会う人など、色々な場面で、たとえその場で出会った人だとしても気軽に挨拶や声を掛け合う姿をみると、その人懐っこさも魅力に感じます。
特に子供に対して非常に寛容な心で接してくれるため、子供を持つ親としては、子育てがし易い環境だと思います。気軽に声を掛けてくれるのはもちろん、荷物を持っていれば手伝って貰うことも多く、レストランではスタッフ達が子供を遊んでくれることも。子供の泣き声や多少の悪ふざけにも寛大に対応してくれるところがケニア人の懐の深さを感じます。
そして長年生活してみると、価値観の変化にも気づきます。ケニアでの住み始める前と今では、生活を豊かにする物差しが変わった気がします。収入格差が激しいケニアで、富裕層と低所得者層との凄まじい生活の格差を日常的に目の当たりにすることは大きなインパクトになりました。
物が限られているからこそ生まれるシンプルな豊かさがあるのかもしれません。生活は新しいものでありふれている日本とは違い、セカンドハンド、サードハンドもごく当たり前です。日本人が帰任、帰国する際はムービングセールと言って、使っていた家具、家電、雑貨などが日本人コミュニティー内で回ります。日本にしかないようなものや、日本の食料品は特に重宝されます。良質なものや日本のものがなかなか手に入りにくいため、物を大事にする意識が自然とついていきます。
それはなにも売るだけではなく、寄付という形もごく当たり前にあります。孤児院や養護施設はナイロビには特に沢山あるため、それら施設に無償で提供する、またはボランティア活動を行いマンパワーでサポートする、基金を設立し金銭的支援をする方々も多くいらっしゃいます。
ケニアの首都ナイロビは、世界中から駐在者が集まる都市でもあり、ダイバーシティーなところも魅力かもしれません。学校、会社、団体、クラブなど属するところの多くが多国籍です。国際化を進めるケニアで、外国人を受け入れるケニア人の姿勢も私達が住みやすいと感じる一つの理由かもしれません。
ケニアは日本から非常に遠い国であり、実際に住むまではなかなかイメージできない国でしょう。確かに生活環境は日本と比べるとかなり違うなと感じますが、実際にケニアに住んでみて感じるこの住みやすさは、ケニアの素晴らしさを伝える大切な要素ではないかと思います。
2018/2/19 E W Africa, Schema Corporation