こんにちは。日本では「水道水を飲んでも大丈夫」と言われるほど水処理インフラは整えられ、上下水道の配給、排水システムも整備されています。
人間が生活する上で欠かせない「水」ですが、今回は実際に生活している中で感じるケニアの水事情についてお届けしたいと思います。
一般的に、家庭用の水は飲料用水と生活用水に分けられると思います。上下水道設備ついては、私達外国人が住む様な地域ではある程度整備されていますが、ナイロビ及びケニア全土では全くと言っていいほど整備されていません。
もちろん、水道水をそのまま飲むことは出来ません。処理が不十分なために色、匂い、味が残り、一般家庭の人が飲む場合は一度沸騰をさせなければ腹痛になると聞きます。特に雨が降った後の水は茶色く濁り、お風呂でさえ控えてしまう程です。
ケニアは3~5月と11~12月が雨季と言われていますが、近年では地球温暖化のせいか安定せず、雨季には国土を潤す十分な雨が降りません。また雨が降ったとしても上下水道インフラが未整備の為、適切に貯水されず、告知もなしに水道水が長時間、時には長期間に渡り断水されることもあります。
日常生活で私達が心がけることは、降るはずの雨が降らないなと思うと浴槽などにお水を貯めて万が一に備えます。しかしその水も枯渇した場合は電話で給水車を呼びます。そうすると「Clean Water」と大きく書かれたタンクローリーのようなトラックが水を運んでくれます。但し、Clean Waterと記載されていますが、飲料水としてはお勧めしません。
またトラックではなく人が水を運ぶ水汲みの仕事もナイロビでも未だに存在しています。実際利用した経験はありませんが、どこで汲んできたのか分からないような水が入った大きなバケツを頭にのせて運んで来てくれるそうです。
日本ではお目にかかれない光景ですが、ケニアでは各建物の屋根にWater Tank(貯水槽)がよく設置されています。普段から雨水を溜めるため、または大型の住居地では地下に大きな井戸があるのでその井戸水を補完し供給するために設置されています。
一方飲料水についてですが、ウォーターサーバーや家庭用浄水タンク(Water purifying tank)を常備しています。特にウォーターサーバーは家庭だけではなく、オフィスや病院など公共施設の様々なところに設置されています。最近日本でも良く見かけるようになりましたが、ボトルは簡単にスーパーや量販店などで購入することが出来ます。
メーカーは数種類程度、5Lや18L入りのボトルが陳列されています。値段は各店でばらつきがあり、各店の在庫数や需要率も値段に影響します。特に乾期で水が不足している場合、各店舗を周って探し求めますが、全体的に値上がりしているのが実感できます。
またウォーターサーバーを使っていない場合でも、常備時用で各家庭に数本は確保されています。我が家でもウォーターサーバーを設置していますが、水道水を直接料理に活用することができず、18Lのウォーターサーバーがすぐになくなってしまいます。
家庭用浄水タンクは、水道水をタンクに入れ、何層ものフィルターを通り水がろ過されるものです。フィルターはとてもしっかりしていて、通常飲めない水道水もしっかりろ過されるので安心して飲むことが出来ます。タンクは一人用の2ドアタイプの冷蔵庫のサイズです。浄水タンクはウォーターサーバーよりも経済的と言われているので、こちらの方が一般的かもしれません。
私達外国人の多くは幸いにも比較的容易に一定の品質の水を得ることが出来ています。とは言っても、久しぶりに日本に帰国すると、簡単に蛇口から綺麗な水が出て来ることがとても嬉しく、有難く感じます。
次回はケニアの住宅についてお届けいたします。
2017/09/23 E W Africa, Schema Corporation