今回はケニアにある日本の食べ物についてご紹介したいと思います。
現地に住むとより恋しくなる日本食ですが、ケニアの首都・ナイロビでも日本食レストランは5店舗以上存在します。
客層は、日本人だけではなく欧米人やケニア人など幅広いです。レストランだけでなく日本飲料や調味料、食材は、品目に限りはありますが、現地スーパーマーケットで見つけることが出来ます。
小規模ながら楽しまれている日本食ですが、近年の世界各地で広まっている日本食ブームとは裏腹に、残念ながらケニアではまだまだマイナーという印象です。
植民地の歴史を振り返ると当然ですが、古くから欧米やインドがカルチャーからプロダクツまで幅広くケニアに浸透しているのに対し、日本食は現地人の舌にはまだまだ馴染まないようです。
例えば先に紹介した日本食のレストランですが、最近になって日本人シェフが料理するお店も出店されましたが、それまでは韓国人によるジャパニーズコリアンレストランでした。日本料理と韓国料理が一緒に楽しめるのが嬉しいところですが、韓国人が知る日本食の味である為、私たち日本人にとっては物足りないものです。
日本食材もようやく日本人が携わるお店がオープンしました。主に日本のお惣菜や練り物、甘味ものなどを取り扱う食材屋さんです。以前は韓国人やケニアンインディアンが経営する個人経営のスーパーから求める日本食材を探し回って買っていました。
一方で、韓国人と日本人は求める“食”は似ているようで、今年に入る頃から韓国人経営によるパン屋さんが出来ました。もちろんケニアにもパン屋さんはありますが、日本のパン屋さんとは異なり、食パンやフランスパンなどの食事パンしかありません。菓子パンや調理パンなどがある日本のパン屋さんがケニアにも出来たと日本人の間でも話題になりました。
また現地に馴染の薄い日本食ですが、面白い取組もあります。日清食品ホールディングスは既存の商品を輸入するのではなく、ケニア人向けにブランド展開をしています。
現地の人の舌に合わせたケニア版インスタントヌードル「Nissin Noodles」を手掛け各スーパーや路面店で簡単に購入することができます。広く浸透している商品ですが、日本の様なスープと具材が入っているものと全く違い、どちらかというとスープはなく焼きそばのようなものです。
そのぶんヌードルにしっかり味が付いて、味はトマト味、チキン味の他にマサラ(香辛料が効いたカレー風味)味やニャマチョマ(ケニアのBBQ)味などケニア人にターゲットを合わせています。
さらに冒頭に日本の飲料や調味料が手に入ると書きましたが、そのもの自体は日本のものでもケニアではほとんどが他国メーカーにより販売されています。
一部調味料は日本メーカーが直接製造販売しているものがあるようですが、大多数は日本のパッケージでありながらラベルには他国のメーカーまたは貿易企業が印字されているのです。
例えば、最近までスーパーでよく見かけていたのが、韓国版の“かっぱえびせん”です。パッケージも味もよく似ていますが、カルビー社の名前はどこにも載っていません。
このように在留邦人の増加も一因し、ケニアでも日本食に触れることは出来るようになったものの、私たち日本人が求める日本食にはまだまだ及びません。
ケニアにも徐々に進出している日本食をどう現地の人に楽しんでもらうか、今後の情宣も含めて将来が楽しみです。
次回はケニアの医療についてです。
2016/9/2 E W Africa, Schema Corporation