こんにちは。
皆さんはケニアの政治がどのように世界から評価されているか
ご存じでしょうか。
その判断材料の一つとして、
Transparency International社が毎年公表している
腐敗認識指数というものがあります。
この指数は、順位が低いほど腐敗していることを示します。
今年1月、2015年度ランキングが発表され、
ケニアは世界168カ国の中で第139位でした。
ちなみに、1位はデンマーク、日本は18位、最下位は
北朝鮮とソマリア。
同位に複数国が含まれる場合もあります。
なお、アフリカの中では54カ国中36位です。
腐敗指数からわかるように、
ケニアでは政治家との賄賂は切っても切れないとも
言われていますが、実は政治家だけはなく私たちの
日常生活でもチャイ(賄賂)が行われています。
今回はケニアに根強く残るこのチャイについてご紹介します。
何故「チャイ」と呼ぶか。
もともとチャイはケニアでも紅茶をさします。
インドチャイと同じく、たっぷりの砂糖とミルクが入った紅茶で、
ケニア人の日常の飲み物して親しまれています。
チャイはまた来客時の飲み物としても出され、
そこから「人に差し出す=融通を効いて貰う」為のものとして
賄賂を意味する隠語に使われるようになったと言われています。
言い換えれば、
ケニアでは融通を効いて貰わないと何も始まらない
と言っても過言ではありません。
事実、ケニアで生活をしていれば必ず実感することでもあります。
チャイは様々な日常生活の場面で求められます。
よく聞く話では、ケニア人の足である「マタツ」
というミニバス・バスで起こります。
マタツはナイロビ市内の移動手段、
そしてナイロビ郊外に住む人々の通勤手段にもなっています。
雨の日やラッシュアワー時には
通常だと何時間も待たないと乗ることが出来せんが、
特に外国人を見つけると各マタツの案内人が近寄ります。
チャイの交渉を持ち出し、その案内人と運転手にチャイを
渡せば先頭列の1番前で待たせてもらえるそうです。
また法や規則を元に取り締まる
行政・警察もチャイを要求することがあります。
特に、免許取得・更新やビザ取得、検問、交通の取り締まり
など公職人からまるで暗黙の了解の様にチャイを求められる
ことがあります。
手続きに通常1週間と言われたものが
1か月待っても音沙汰となく、
問い合わせてみると、「早く進めてほしいなら何かほしい」
といったダイレクトな要求もあります。
ドライバーが携帯電話を持っていただけでも運転中に使った
とみなされ、高額な罰金を払う代わりにチャイを要求される
こともあります。
日本では後部座席のシートベルト着用がまだ一般的では
ありませんが、ケニアでは着用が義務付けられており、
交通整備をしている警察官がシートベルト未着用に対して
刑務所に連れていく代わりに罰金(=チャイ)を請求し、
そのまま警察官の懐に収まることも良くある話です。
チャイは当たり前のようにケニアに根付いている一方、
現在ケニアでは国を挙げて汚職を一掃すべく
取り締まりを強化しています。
汚職撲滅はまだ始まったばかりですが、
ケニアならびにアフリカ諸国が国際社会の一員となる為には
必要不可欠な活動であり、一歩ずつですが、正しい方向に
進んでいると感じます。
現時点ではまだ、ケニアで生活・ビジネスをする際に
少なからず賄賂やチャイを要求されることがある様ですが、
常に私たちが正しい判断を心がけることも大事なのでしょう。
次回はケニアの飲料習慣についてお届けしたいと思います。
(参考サイト)
Global Noteの腐敗認識指数はこちらから
2016/4/6 E W Africa, Schema Corporation