ケニアでは電子マネーを「M-PESA」と呼んでいます。Mは携帯の「Mobile」、PESAはスワヒリ語で「Money」を意味するそうです。|ケニアの電子マネーM-PESAって

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公開日:2016.01.18

Mama Africa! Kenya便り:ケニアの電子マネーM-PESAって?

こんにちは。
日本はお正月気分も終わり日常のペースに戻った頃でしょうか。

今回はケニアの第二の通貨とも言われている電子マネー(前編)
についてお便りをしたいと思います。

まず電子マネーについて、日本とケニアでは少し定義が違います。

日本の電子マネーとは
電子決済サービスを意味し、
現金の代わりにあらかじめチャージされている
もしくはクレジットカード機能をもつ、
カードやスマートフォンなどで支払いが出来る電子通貨をさします。

ケニアでは電子マネーを「M-PESA」と呼んでいます。
Mは携帯の「Mobile」
PESAはスワヒリ語で「Money」
を意味するそうです。

M-PESAとは
携帯電話による決済サービス、
または送金、出金、預金、マイクロファイナンス
(主に貧困者向けの小口金融または小規模金融)を
提供するサービスをさします。

2007年に学生によりソフトウェアが開発された後、
世界大手携帯電話会社Vodafoneによりケニアでサービスが
開始されました。

現在は傘下であるケニア国内大手携帯電話会社
SafaricomとVodafoneで利用することが出来きます。

とりわけ、ケニアとタンザニアで広く普及し、
現在ではアフガニスタン、南アフリカ、インドでも展開。

2014年には東ヨーロッパでもサービスが開始されています。

私たちに馴染みのないこの電子マネーの仕組みは以下の通りです。

まずM-PESAの取扱店で携帯電話の無料登録を行います
(SIMが旧式であれば有料)。

登録の際は審査等もなく、携帯電話(SIMカード付)と身分証明書
などの簡単な書類で完了します。

登録後は、取扱店でお金をデポジットとして預けるだけで、
携帯電話のSMSを使って各種サービスを利用することが出来ます。

お金の管理は銀行と同じくPINナンバーで行いますが、
銀行口座のような維持管理費はなく、
取引額による変動手数料が発生します。

それゆえ、少額の取引であれば銀行と比べて安価と言われており、
ケニアでは多種多様な用途で広く普及しています。

当初の具体例として、都市部では所謂「出稼ぎ者」が多く、
稼いだお金を故郷に住む家族への送金手段として、

一方農村部ではその送られてきたお金の出金や
マイクロファイナンスの享受方法として用いられていました。

現在は決済にも多く使われ、
特に都市部では公共料金の支払い、
スーパーマーケットやショップでの買い物、
病院、ドラックストア、ガソリンスタンド、レストラン、花屋、路面店
での買い物、
オンラインショッピングなどあらゆる生活の場面でM-PESAが
利用されています。

余談ですが、当初M-PESAのサービスはマイクロファイナンスの
トライアルとして、銀行口座を持てない貧困者へ融資サービスを
提供し彼らの社会復帰を促す目的で始められたと言われています。

ちなみに上記の仕組みについて、日本ではLINE Payが類似した
サービスを開始していると聞いています。

それゆえ、LINE Payの普及について、M-PESAがケーススタディー
として使われることもあるそうです。

先進国でしか通用しないと思われる電子マネーのM-PESAが
なぜ発展途上国においてこれほど発達したのか、
後編にてその理由と
今後のビジネスチャンスについても考えてみたいと思います。

2016/1/18 E W Africa, Schema Corporation

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