フランスの医療事情を私の経験も交えてお話します。フランスは病院というと国立病院や私立病院のことを意味します。 風邪などで近所の内科にかかりたい場合は電話で予約を取らなければいけません。 |フランスの医療事情、日本とはずいぶん違う!

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公開日:2017.12.26  / 最終更新日:2022.10.21

フランスの医療事情、日本とはずいぶん違う!

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健康に楽しく生活するうえで、医療機関との関わりはとても大切です。寒くなり、風邪やインフルエンザなどで病院に行く機会も増えるこの季節。

今回は、フランスの医療事情を私の経験も交えてお話ししたいと思います。

最初に、フランスは病院というと国立病院や私立病院のことを意味します。

このタイプは、日本と同じく大きな建物に受付があり、各専門の医療施設が整っています。検査および、入院などはこの病院が受け持ちます。

風邪などの内科にかかりたい場合は、どうするのでしょうか?

まず、近所の内科医に電話で予約を取らなければいけません。いざ診察してもらうときにいくのはその内科医の診察室。マンションの一室に自分の診察室を構える場合がほとんどです。看護師さんはいなく、白衣も着ていないお医者さんが多く最初は驚きました。先生の書斎を挟んで問診を受けた後、診察台で診療してもらいます。そして、処方箋を書いてもらいその場でお会計です。

とりあえず、診療代をいったん全額自己負担で払い、後から自分の銀行口座に還付してもらう仕組みになっています。フランスでは、国の管轄の健康保険が7割をカバー、そして残り分は各自が加入している互助保険から還付される仕組みになっています。還付の割合は、内科なら7割ですが眼科や歯科など内容によって変わってきます。

処方された薬は、薬局に探しにいきます。薬剤師さんは、なぜか皆さん白衣をきています。しかし、渡される薬は服用分だけ処方されるのではなく薬の箱を丸ごと渡されます。薬剤師さんは白衣を着ているのに、薬を調合しているのではなく陳列された薬を渡すのが仕事のようです。日本のドラッグストアのイメージを想像していただければいいかと思います。お医者さんの処方箋には、4日間服用と書いてありますが、もらう薬は箱ごとなので当然余ってしまいます。こうして、家には気が付くと大量の薬がたまってしまうことになります。

そして、フランスで困るのが専門医にかかるのには何か月もまたないとダメだということです。眼科医は6か月まち、皮膚科なら4か月まちなどざらで今こそ受け入れることができますが、最初のころは予約の電話口で毎回驚きの連続でした。

「今、辛いのになぜ診てもらえないの?」

という無念さがこみあげてきたことも。

本当につらい場合は、国立病院に行けば予約なしでもみてもらうことは可能です。しかし、かなりの待ち時間を覚悟しないといけません。

こちらの医療制度の良いところでいうとフランスは、傷病が大きい人ほど自己負担が少なくなるシステムとなっています。たとえば、癌患者さんの治療費の自己負担額はほとんどないということです。また継続的な傷の手当などが必要な場合、出張で看護師さんが自宅まで定期的に訪問し手当をしてくれます。これも保険でカバーしている場合がほとんどです。また失業者など、所得がない人たちでも申請手続きをすれば無料で診察を受けることができるカードをもらうことも可能です。

最後に私の入院エピソードをいくつか紹介します。入院中の食事で朝食の飲み物なら「紅茶、ココア、コーヒー、ハーブティーどれがいいですか?」と必ず前日に聞きに来てくれたことです。また食事もいくつか選択肢があり、前菜、メイン、デザートと選ばせてくれたのには「美食の国だわ」と感動しました。

しかし、食事に関しては実際運ばれてきたものは私が注文したものとは全然違う内容でびっくり。これもちょっと抜けているフランスっぽい一面だと思います。また、入院中の主治医は白衣を着ているものの、足元はビーチサンダルでした。また、日本で耳にするお世話になった先生や看護師さん達へお礼などはないようです。

安心できる医療システムがあるといえ、予約がすぐに取れないフランスではやはり自己管理で健康に過ごすことが大切です。

2017/12/25

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