プレゼントを贈るというのは、相手との距離を縮めるのに大いに役だつ方法だと思います。
贈り物をする機会というのは、フランスではどんな時でしょうか?
フランス人の贈り物合戦がヒートアップするのはクリスマス。日本人の私から見ると少し滑稽に見えるくらい彼らはプレゼントに熱心です。
フランス人にとって一年で一番大切な日であるクリスマスは、家族や親戚が集まってごちそうを食べてプレゼントを交換しあう大切な日。力が入ってしまうのも仕方ないのかもしれません。
毎年贈るプレゼントは、珍しい物をとみな物色している状態です。この時期は、クリスマス市が各地で行われています。こういう時は、日本の小物などは大変便利で素敵にラッピングをしてあげると貴重なプレゼントに早変わりです。人気があるのは置物などのオブジェです。以前、可愛い娘姿のこけしを贈ったらとても喜ばれました。
日本にはきっちりとしたお歳暮やお中元という習慣が根付いていますが、フランスで友人やお世話になった人に贈り物を毎年届けるということはありません。ただ年度末になると会社が従業員をねぎらう意味をこめて贈り物をすることはよくあります。会社が主催のコンサートなどに従業員家族を招待する、商品券、チョコレートの詰め合わせを送るなどです。取引先にシャンパンを送る会社もあります。
日々生活していくうえで、クリスマスのプレゼントに限らず、お誕生日や結婚式のお祝いなど贈り物をする機会は多くあります。「金額はどれくらい?送って失礼なものは?」など暮らし始めた頃は知り合いに質問してみたものです。
そしてこちらの暮らしも長くなり得た答えは「特に決まりはないらしい、気持ちが大切。」という事でした。また結婚式や子供の誕生などには当人からほしい物のリストが提示されその中で自分の出せる金額のものを各自だし、共同で贈り物を送るという合理的なシステムが存在することもわかりました。そしてプレゼントを頂いてもお返しはする義務もないことも。
参考にフランス人が喜ぶプレゼントの一例をあげておきます。個別のプレゼントで女性に人気のあるものは香水やオードトワレ。男性は、お酒が好きな方なら少しランクが上のアルコールが喜ばれます。またチョコレートの詰め合わせは絶対にはずれのないプレゼントといえるでしょう。ワインが飲めない、チーズが食べられないという人は割といますがフランス人でチョコレートが嫌いという人に今のところ出会ったことがありません。
「お返しをしなければいけない。いつまでに送らなければいけない。」などの決まりごとが緩やかなフランス。義務感がなくなると相手がどんなものを好きかいろいろと考えて贈り物を選ぶ作業は日常の楽しみになります。
あえてポイントを一つ挙げるとしたらプレゼントを開ける瞬間のわくわくとした気持ちを演出するためにラッピングはきちんとすることでしょうか。お店でのラッピングの有料化が進んでいるフランス。最近は、紙袋に品物を入れるだけのお店も多くなりました。色のきれいなラッピングペーパーにカールリボンを付けるだけでも印象は十分変わります。
日本の包装技術は素晴らしく、フランス人女性は日本の菓子箱の美しさ、包装紙のデザインセンスに感激する人も多くいます。気持ちを届けたり、受け取ったりする贈り物、もっと日常生活やビジネスで楽しんで取り入れたいものです。
2017/02/03