フィンランドでは徴兵法により国民は国防に参加する義務を負っています。18歳から60歳までのフィンランド国民の男性は兵役義務があります。女性は任意で兵役を申請することができます。兵役義務者は約6ヶ月から1年の間に完了する必要があります。 |フィンランド人の徴兵制への参加について

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公開日:2021.09.06  / 最終更新日:2022.10.20

Terve! フィンランド人の徴兵制への参加

徴兵の申請を待つフィンランドの若者

前回の「フィンランドの若者に人気の職業とは?」の男性ランキングで3位に入った「国防・防衛」について、今回はフィンランドの徴兵制について簡単に紹介したいと思います。

「Terve! フィンランドの若者に人気の職業とは?」
https://www.rakuraku-boeki.jp/finland-dayori/2021-07-02

フィンランドの徴兵法により、すべてのフィンランド国民は国防に参加する義務を負っています。18歳から60歳までのフィンランド国民の男性は兵役義務があり、女性は任意で兵役を申請することができます。兵役義務者は、約6ヶ月から1年の間に、武装または非武装の兵役、または非兵役のいずれかを完了する必要があります。

18歳になった男性は全員、その年に召集令状に参加します。今年は2003年生まれの男性が対象となります。召集の際には、兵役への適性チェックとして面接が行われ、健康診断や兵役についての希望を聞かれ、それに基づいて兵役の開始日と場所が決められます。兵役に適さないと判断された場合は、兵役が免除され非兵役として非軍事的な市民福祉サービスなどの業務に就くことになります。

兵役では陸海空軍に分かれて質の高い軍事訓練を受けることができます。日常生活に役立つスキルやリーダーシップをはじめ、フィンランドの国土ならではのサバイバル(森などの自然との共生生活)スキルなども身に付けます。兵役を終えると、危機管理業務や軍人の専門職に応募することができます。

こうしたキャリアップを見据えた背景があるため、前回の人気職業で3位にランクインした理由がお分かりになるかと思います。

徴兵制に対する考え方はさまざまですが一般的に伝えられていることとして、フィンランドは小国家であり、どの軍事同盟にも加盟していないため、自国の領土を自力で防衛することが必要との考えが根底にあります。そのため、国防軍の準備態勢を整え、維持し、軍事的な国防任務のために徴兵制度を導入し、徴兵者を訓練しています。

フィンランドは過去に西側のスウェーデン王国、東側のロシア帝国に占領および支配された歴史的背景からも、この徴兵制度はやはり自力で防衛することを重要視していると理解できます。

この徴兵制度は、時代とともに進化しています。訓練システム自体は常に開発されていますが、召集される国民にとっても、理由があって兵役につかない人や近年では女性の兵役希望者も増えています。

今年2021年は、国内約250ヵ所で召集令状が予定され、約3万6千人の若者が参加する予定です。彼ら自身の選択によって将来どのような道が開かれるのか。この徴兵制度はフィンランド人にとっての人生の選択の一つとも言えそうです。

参考記事:

徴兵召集に関するニュース記事・写真出典元 
https://yle.fi/uutiset/osasto/news/defence_forces_calls_on_tens_of_thousands_of_young_men_for_conscription/12060387

フィンランド国防軍
https://puolustusvoimat.fi/en/finnish-conscription-system

2021/09/06

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