隣の国スウェーデンではキャッシュレス決済が100%近くとなり、新通貨はほぼ製造されていないようです。
フィンランドはまだそこまでいきませんが、日本と比べたら圧倒的なキャッスレス社会です。
今回は一般的な買い物など消費にかかわる決済についてお伝えします。
■ 青空市場と有料公衆トイレのみ現金払い
移住間もなく、ユーロ現金を持ってATMで入金しようとしたところ、入金操作機能がないことに気がつきました。幸い一緒にいた夫に聞いてみると、「あ、この機械は入金できないから、別のATMもしくは銀行に行かなくちゃならないね」と返ってきました。
現在、フィンランドの現金利用率はおよそ4割程度。自分の銀行口座からの現金引き落としはどのATMでもできますが、入金は専用機械または銀行窓口で行います。専用機械は街の中心地や大型ショッピングセンターなどにありますが、台数はかなり制限されています。
現金の主な利用場所は、一部の青空市場(露店)と有料公衆トイレ。昔はその青空市場や露店でも現金のみの取り扱いだったのが、最近ではカード利用がOKのお店も増えてきました。スーパー、カフェやレストラン、商業施設、交通機関は現金とクレジットカードおよびデビットカードの両方利用できます。小型スーパーでの飲み物や切手などの少額決済もカード決済が可能です。病院の医療費をはじめ光熱費や公共機関の利用料の一部などは、利用日以降や月末に請求書が届き、オンラインバンキングから支払いを行うシステムとなっています。
■ キャッシュレス社会のゆくえ
スウェーデンに代表されるように北欧諸国はキャッシュレス化に向けてものすごいスピードで加速しています。それもそのはず。スウェーデン、デンマークはユーロ通貨を導入していないため、「現金清算の義務」を一部で廃止するという法案を施行。これにより半強制的にキャッシュレス決済を促しているようです。フィンランドはユーロ通貨を導入しているためここまでの勢いはありませんが、フィンランド銀行は遅くとも2029年までには国内における現金使用が終了すると推計しています。
2013年以降、25ユーロ以下のカード支払い時には、暗証番号ではなくカードをかざすだけで支払いが可能となり、一段と使い勝手がよくなってきました。将来我が子に「現金って何?」と質問されたら現物を見せて説明しようと、今からコインや紙幣を保管し始めています。
2017/07/25