千葉県犬吠埼灯台のニュースを読みました。
英国人技師により作られた煉瓦つくりのこの灯台、140歳の誕生日を迎えたそうです。
明治7年(1874年)以来、まだ現役で活躍、海上輸送の船舶に光を発し続けている灯台です。
■灯台の役割とは?
昼間は本来の役割を発揮していませんが、夜になると存在価値を増してくるのが灯台です。
真っ暗な大洋を航海する船舶にとっては欠かせない大切な航路標識なのです。
航海士はその光りを識別して自分の位置を確認できるのです。
以前、5万トン級貨物船がハワイ沖で座礁したことを経験したことがあります。
A地点とB地点の灯台からの光をつなげて航路を決めるところ、この夜はどうしてかB地点の灯台が故障。
C地点の灯台をB地点の灯台と勘違いして、結果、浅瀬に乗り上げてしまいました。
引き出すのに10日以上もかかったことがありました。
■カーナビの時代なのに
陸上ではカーナビ全盛の時代です。
同様に、海上輸送でもGPSが使われる時代です。
陸上では道路からはみ出さない限り事故にはなりませんが、海上輸送はちょっと違います。
GPSで自分の船舶が行くべきコースは教えてくれます。
しかし、風や潮流などによってコースから外れることもあります。
ハワイ沖で座礁したように、水面下にも危険があります。
GPSが発達した現代ですが、灯台は海上輸送に欠かせない大切な航路標識なのです。
白、赤、緑などの色と5秒から30秒程度の光の周期で航海士は識別しているのです。
■蛇足ですが、灯台のことを調べてみると・・・
日本最初の洋式灯台は神奈川県観音埼灯台で、明治2年から点灯しているとのことです。
この観音埼灯台の工事着工が明治元年11月1日ということで、この日が灯台記念日にもなっています。
以前、物流コラムで日本海側での最初の洋式灯台「伏木燈明台」をご紹介しました。
明治に入ってから順次各地に灯台が作られていったようです。
いろいろと調べてみると、犬吠埼灯台の正式名称は、犬吠埼燈台とのこと。
構造物としては、灯台でなく、古い漢字の「燈台」だそうです。
ただし、地図などで地点を表す場合は常用漢字の「灯台」が使われるとか。
日本語は難しいですね。
日本の輸出入は、90%以上を海上輸送に依存しています。
140年以上も現役で活躍している灯台があることに思いを馳せてはいかがでしょうか
2014/11/17