北米西岸港湾労組(ILWU)と使用者(PMA)の労使協約が6月末で期限満了となりました。
労使交渉の先行きに懸念を示している港湾関係者の声も多く、最新情報をお届けいたします。
■労使交渉、継続中
北米西岸港湾の労使双方は「7月1日以降も労使交渉継続中」と声明を発表しています。
さらに北米西岸29港すべてで通常通りの港湾作業が継続されていると報じられています。
幸いにも即スト突入とならずになによりですが、今後2-3週間の交渉に注目でしょう。
フルーツ輸出組合はこの数週間で労使交渉が妥結できないとスト突入ではないかと懸念しています。
July 4th独立記念日休暇明けからの本格的な労使交渉が注目されます。
■労使交渉の争点とは?
北米西岸港湾労組(ILWU)に加盟している組合員は20,000名ほどが働いています。
米国発着の50%以上の貨物が北米西岸の港湾を利用していると言われています。
しかし、コンテナ物流にも変化がみられ、北米西岸の競争力が問題になってきています。
アジア発Gulf、米東岸向け貨物の多くはパナマ運河経由で運べる時代だからです。
そのため北米西岸経由のモノの流れが減少してきているのは事実でしょう。
そのため使用者(PMA)としては経営合理化に努める必要に迫られてきていました。
以外にも北米西岸の港湾作業は人海戦術の作業が多く残っていたとも言えるでしょう。
今回だけに限らず毎回の労使交渉でコスト競争力(=人員合理化)が議論されてきました。
2002年にはブッシュ大統領がタフトハートレー法を出動、強制的に港湾封鎖ストを封じ込めました。
2008年の改定時にはコンテナヤード作業へのバーコード導入など自動化に踏み切りました。
一方の労組(ILWU)としては労賃だけでなく健保・年金など待遇改善を求め続けています。
労使双方が妥協できる余地が少ない状況と言えますが話し合いでの解決を望みたいものです。
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