9月から世界貿易機関(WTO)の新事務局長にブラジル出身のアゼベド氏が就任しました。
中南米出身者が就任するのは初めてです。
最近はTPPなど個別の国や特定地域間での貿易自由化ばかりが議論されていますが、新興国や途上国が貿易協定から取り残されるおそれもあります。
60年以上前の世界は、関税障壁や貿易制限などで国内産業保護の排他的なブロック経済となっていました。先進国だけが搾取していたブロック経済により第2次世界大戦が起こったといわれています。戦争終結後、この反省から世界貿易機関(WTO)の前進である国際協定GATTが1948年に結成されました。
GATTの精神を受け継いだWTOが自由貿易体制の機能を果たしてきたことを思い出す必要があるように感じます。その意味でも、ドーハ・ラウンド交渉に長年携わってきた経歴のアゼベド新事務局長に期待が寄せられています。世界全体の自由化を目指す体制に戻すことができるのか注目されます。
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