最近は、コーヒーの淹れ方も様々なバリエーションがありますね。本格的なドリップコーヒーを朝から淹れると、とても優雅な気分になります。インスタントコーヒーは手軽に本格的な味が楽しめる代表格。砂糖や香料の入ったスティックタイプや濃縮エキスの入ったポーションタイプはどんどん新商品が発売されていて人気です。
さらにカフェインレスの豆やインスタントタイプもあります。妊娠授乳中など、コーヒー習慣があるのにカフェインを摂ってはいけないときにありがたいです。
話題の「ダルゴナコーヒー」も粉末状のインスタントコーヒーで作れます。もともと韓国でじわじわ流行していたそうですが、昨今のコロナ禍でカフェに行けない状況も手伝って、少ない材料で作れてインスタ映えするうちカフェドリンクとして、日本でもじわじわ人気です。
そんな「コーヒー」。形態にバリエーションがありますが、HSコードは大きく2種類に分かれます。
一つはドリップして淹れるタイプのコーヒー。豆、砕いたもの、粉末状が含まれます。
関税率表【第9類 コーヒー、茶、マテオ及び香辛料】
https://www.customs.go.jp/tariff/2020_4/data/j_09.htm
コーヒー(いったものを除く)
0901.11-000 カフェインを除いてないもの
0901.12-000 カフェインを除いたもの
基本税率が無税ですので、どこから輸入しても関税フリーです。
コーヒー(いったものに限る)
0901.21-000 カフェインを除いてないもの
0901.22-000 カフェインを除いたもの
こちらは基本税率20%、WTO協定税率12%、特恵税率10%、特別特恵無税、各EPA税率があります。メキシコ、フィリピン、TPP11、EUなどとのEPA、日米貿易協定を利用すれば、無税で輸入できます。
その他
0901.90-200 コーヒーを含有するコーヒー代用物
こちらも基本税率が無税です。コーヒー代用物とはたんぽぽの根や大麦コーヒーなどがありますが、この項に含まれるのは「コーヒーを含有するコーヒー代用物」であることに注意が必要です。
一方、コーヒー殻の出ないインスタントコーヒーは21類になります。
関税率表【第21類 各種の調整食料品】
https://www.customs.go.jp/tariff/2020_4/data/j_21.htm
コーヒーから抽出したエキス、エッセンスの濃縮物と、それらをもとにした調製品とに分けられ、さらにそれぞれ砂糖を加えたものとその他のもの、砂糖の含有量などで細分されます。
例えば最も一般的な無糖のインスタントコーヒーは、2101.11-210です。基本税率12.3%、WTO協定税率8.8%、各EPA税率は無税~となっています。
インスタントコーヒーや粉乳、砂糖などを混ぜたコーヒーエキス調製品は2101.12-11です。こちらは基本税率24%、特恵税率15%。TPP11、日EUEPAでは関税割当数量以内で無税です。
コーヒーのエキス、エッセンスにはカフェインの有無が問われず、またコーヒー代用物を含んでいても構いません。形状は液状や粉末状があります。砂糖とミルク、コーヒーが個別包装されセットにされたものもありますが、商品に特性を与えているものがコーヒーなら、9類または21類に分類されます(関税率表の解釈に関する通則3(b))。
輸入の際には食品衛生法、植物防疫法が関わります。こちらも忘れず届出、合格が必要です。
2020/06/29 更新
simalu 元通関士の実践コラム