ワールドカップやオリンピックのような国際大会では、使用する競技用品や選手の手荷物など、様々な物品が国をまたいで行き来します。 これらの物品は再輸出免税の対象であり、通関時には関税・消費税が免税で輸入することができます(関税定率法17条)。再輸出免税の対象となる物品のカテゴリーなどもも規定されています。|ワールドカップの通関はどうなってるの?

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公開日:2019.10.22  / 最終更新日:2019.10.25

ワールドカップの通関はどうなってるの?

pic_tsuukan20191022

ラグビーワールドカップ、盛り上がっていますね。

今回は自国開催ということもあり、ラグビーを応援する人がとても増えましたね。

連日の熱戦に大興奮。しかも日本は8強に入る大健闘をしました。

残念ながら、準々決勝で南アフリカに惨敗したものの、ONE TEAMで戦う姿は観る人を魅了し大きな感動を与えてくれました。

来年には東京でオリンピック・パラリンピックも開催されます。

ワールドカップやオリンピックのような国際大会では、使用する競技用品や選手の手荷物など、様々な物品が国をまたいで行き来します。

これらの物品、文化や学術振興のために使用されるものとして再輸出免税の対象であり、輸入時には関税・消費税が免税で輸入することができます(関税定率法17条)。

また、関税定率法17条で規定されている再輸出免税の対象は以下の通りです。

(1)加工される貨物又は加工材料となる貨物
(2)輸入貨物の容器
(3)輸出貨物の容器
(4)修繕される貨物
(5)学術研究用品
(6)試験品
(7)輸出入貨物の試験機器
(8)注文の取り集め又は製作のための見本等
(9)国際的な運動競技会及び国際会議等の使用物品
(10)巡回興行用物品および映画撮影機械等
(11)博覧会、展覧会、共進会、品評会等への出品物品
(12)一時入国者が携帯又は別送して輸入する自動車等
(13)条約の規定により免税される再輸出貨物

これらは輸入の許可の日から1年以内に輸出されるものについて、その関税が免除されます。

(1)の加工材料とは、
  彫刻、塗装、印刷、めっきなどを施すために輸入する製品
  糸や織物の漂白、プリントなど
  フィルムの現像等
です。これは、日本の加工貿易の振興のための免税措置です。

(2)・(3)の輸出入貨物の容器とは、シリンダー、コンテナ、糸巻などで、貨物の運送のために反復使用されるものです。

(9)は審判機器や記録の集計に使う機械など。会議場で使用される同時通訳装置や標本、フィルムなども含まれます。

(10)は演劇や音楽などのステージで使用する機材などです。

(13)の条約とは、ATA条約(物品の一時輸入のための通関手帳に関する条約)などです。ATA条約でも、商品見本や展示物品の免税扱いでの一時輸入通関について規定しています。

何か国にもわたって行き来する物品では、ATA条約下での通関を利用するのが一般的です。

再輸出免税を適用して輸入した物品は、再輸出される際に輸入時と同一品であることを証明しなければなりません。

この証明ができない、又は一年を超えても再輸出されない場合、関税を徴収されます。また、必要に応じて担保の提供を求められます。

ちなみに、大きな国際大会では、スムーズで円滑な通関手続きができるよう、公式スポンサーが選出されています。東京2020組織委員会の公式荷物輸送スポンサーは、ヤマトホールディングスとなっています。

税関HP:再輸出免税貨物の手続き
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1610_jr.htm

らくらく貿易用語集:カルネ
https://www.rakuraku-boeki.jp/word/c009-2

2019/10/22

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