世の中が「コロナ禍」と言われ始めた頃には新鮮に感じた「テレワーク」や「在宅勤務」といった言葉もすっかりおなじみとなりました。
私が会社勤めをしていたころには在宅勤務とは育児や介護で出社の難しい社員の為に設けられているような制度というイメージでしたが、現在では、社員の健康を守り感染拡大を予防もする、無くてはならないというか企業にとっては当たり前の制度となっています。このこと一つを取ってみても、世の中というのは何がどうなるのか先のことは全くわからないものだなぁと改めて感じます。
そんな、もはや世間の定番となったテレワークですが、貿易関連ではどのようにテレワークが行われているのでしょうか。私が現在お仕事で関わらせていただいている某フォワーダーでは、海上輸送における「shipping instruction」(以下、S/I)の作成をテレワークにて行っています。
S/IはBLやWaybillに記載される情報のベースとなる書類です。一般的にはフォワーダーが作成し、決まった様式はないものの主要項目はほぼ共通しており、どのフォワーダーも同じような書式で船社に提出しています。記載される項目は輸出入者名や船名、コンテナ本数など決まった項目が大半を占めていますので、bookingの際のコンファメーション書類などを見れば割と難なく作成できる書類です。そのため、システムをネットワークで繋ぎ、自宅でテレワークをしている従業員が送付されてきた書類の内容を確認してシステム上でS/Iを作成し、船社へ送付するという流れでスムーズに作業が進んでいるようです。
他には、船社へのBooking申請も、テレワークで作業しやすい業務内容であると思います。コンテナを予約する際には、希望する船社へ、希望する船名やコンテナ本数、輸出入者名やコンテナピックアップ日時などを連絡します。一昔前はFAXや電話、メールなどが主流でありましたが現在はほとんどの船社でインターネットによるBooking申請を受け付けています。IDとパスワードさえあれば各船社のホームページから予約できる場合が多く、テレワークでも何ら問題なく作業ができるでしょう。
これら以外にも考えてみますと、事務系作業ではコンテナのピックアップオーダー(港からいつコンテナを引っ張るかの予約)やトレース作業(船が現在どこにいるかの確認)、顧客対応系作業では発行されたB/Lのデータでの送付や現地へのシッピングアドバイス(どういう貨物がどの船でいつ到着するかの連絡)送付など、色々な作業が貿易業務においてもテレワークで出来ると思います。
元々が紙ベースで進められることの多い作業ですので、紙データを電子化することさえできれば、貿易業務は非常にテレワークと相性がよいと言えるのではないでしょうか。
2021/11/12
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