原産地証明書は物品が特定の国・地域で生産又は加工をされたことを証明する書類のことです。12ヵ所の商工会議所でオンラインによる原産地証明書の発給がはじまりました。従来は輸出者は各地にある商工会議所に出向いて申請し発給されていました。 |原産地証明書のオンライン申請・発給はじまる

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公開日:2021.01.27  / 最終更新日:2022.01.27

原産地証明書のオンライン申請・発給はじまる

原産地証明書のオンライン申請

貿易業務をしていると何度も見聞きするのが「原産地証明書」という書類です。原産地証明書とはその名の通り、取引の対象となっている物品が特定の国・地域で生産又は加工をされたことを証明する書類のことです。貿易では主に輸入側での関税を軽減するために取得されることが多いです。

貿易で使用する原産地証明書は輸出者が手配します。輸入の場合であれば輸出者から原本を入手するだけで基本的にはOKですので、取得は主に輸出者に関係する作業となります。

原産地証明書は、輸出者又はその代理人が各地にある商工会議所に出向いて申請し発給を受ける必要があります。

申請者が証明書記載事項を、予め購入しておいた商工会議所指定の用紙に印刷をして原産地証明書を作成します。そちらを持参して商工会議所窓口で、作成した原産地証明書とインボイスを提出して申請します。商工会議所は紙ベースで審査をし、認証されれば申請者は現金などで所定の手数料を支払い、書面で証明書が発給されるという流れです。

窓口へ出向くという一連の流れは長らく続いており、基本的に郵送やメールでの申請も受け付けられておらず、原産地証明書はマニュアル申請するというのが常識です。ところが、世の中全般のデジタル化の波に乗るかのように、日本商工会議所が「貿易関係証明発給システム」を構築しました。そして12ヵ所の商工会議所で非特恵原産地証明書のオンライン発給を始めました。(2021年1月8日現在)。

出典元:
商工会議所貿易関係証明広報サイト
https://www.jcci.or.jp/boeki/

オンライン発給はどのような流れかというと、申請者はまず商工会議所の新しいシステムを使ってインボイス情報等をPC画面に入力し送信します。商工会議所はPC画面上で審査し、認証されると申請者はオンラインで手数料を支払います。その後、申請者は証明書発給の連絡を受理すると証明書を白紙にカラー印刷することで原産地証明書として使用できるようになります。

これにより、申請者は自社からの発給申請が可能となり、窓口へ出向く時間と手間の節約できます。新型コロナウイルス感染予防の面からも商工会議所側にも大きなメリットがあると言えるでしょう。用紙の購入が不要になりますので経費の削減も期待できますし、保管場所も不要なので在宅勤務の従業員でも発給手続きができるなどの利点もあります。オンライン支払によりクレジットカードの使用が可能となりますし、申請履歴もシステムに保存されますので、過去の履歴を繰り返し使用することで入力の手間が省けるなど利便性も向上しています。

もちろん、輸出者の代行でオンライン申請を行うことはまだ対応されていないなどの改善点はまだまだあります。これからも改良を重ね、他の商工会議所でも順次対応が始まり、申請側にも発給者側にも使い勝手のよいシステムとなることを期待しています。

2021/01/26
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