通貨スワップについての貿易用語解説。貿易実務の情報サイト 「らくらく貿易」。|通貨スワップ 貿易用語集

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つうかすわっぷ・ツウカスワップ 通貨スワップ

外為実務用語。
異なる通貨の元本と金利を交換する相対取引(二者間取引)のこと。

契約締結時点で、交換日と交換金額を決め、期間は長期間にわたり、回数も複数回行われる場合が多い。

金利スワップが元本交換をしないのに対して、通貨スワップは元本交換をするのが特徴。

ワンポイント:
スワップのメリットは、現物取引と比べて低コスト、事務手続が簡単。

当初スワップ取引は、想定元本が変わらない単純なものが主流でこれを「プレインバニラ」と呼称した。トッピングのないアイスクリーム=プレインバニラから名付けられたようだ。

最近は、想定元本が変化する複雑なものもあり、導入には慎重な検討が必要だろう。

つうかおぷしょん・ツウカオプション 通貨オプション

外為実務用語。

通貨オプションは日本円とUSDのように特定された通貨間相互で予め定めた期間(権利行使期間)、または期日(権利行使日)に予め定めた価格(権利行使価格)で、通貨交換の権利を売買する取引のこと。通貨オプションは「カレンシーオプション」とも呼ばれる。

買う権利(コールオプション)または売る権利(プットオプション)がある。なお通貨オプションでは、あくまでも権利の売買なので、為替予約のように実際には、通貨の受け渡しは行わない。

ワンポイント:
オプション取引の特徴として、権利行使の選択権は、オプション購入者がもち、オプション売却者には持たない点がある。

すなわち購入者は、権利行使が出来る時点で実際の相場とオプションで確保した相場を比較して、有利な方を選べばよい。つまりオプションを使わなくてもよいことになる。

これが為替予約と大きく異なる点。(為替予約は、使うのが大原則)

他方オプションの売却者は、権利行使の選択権を売却し、購入者からオプション料(プレミアム:オプションの価格)を受け取る。

その対価として売却者は、購入者の権利行使時には、それに応じる義務が発生する。権利発生時点での行使価格は、実勢比不利な場合がほとんど。

このように通貨オプション導入の判断には難しい面がある。オプション購入はオプション料の負担が許容出来ればよいのに対して、オプション売却は、明確な相場観を持ちリスクを許容するか、不利な条件でオプションが実行された場合でも、消化できる取引があるかでなければ、安易な導入は危険であろう。

つなぎゆうし・ツナギユーシ つなぎ融資 

外為実務用語。
本来目的の融資実行までの短期融資のこと。

外為では輸出商品の集荷資金やメーカーでの製造費用などを資金使途とする輸出前貸と同義に用いられることも多い。

ワンポイント:
つなぎ融資はその性格上、
・極短期 (長くて3ヶ月程度が普通)
・資金使途が明確 (融資した資金の使いみちがハッキリしている)
・返済原資が明確 (輸出代金で借入金を返済する)
といった特徴があり、金融機関としては取り組みやすい融資と言える。

つかんじかくにんひんもく・ツウカンジカクニンヒンモク 通関時確認品目

輸入規制に関する用語。
英語で訳すと、Confirmation items at customs  
税関長が確認を行う品目のこと。

例えば、ケシの実や大麻の実(厚生局)、ワシントン条約附属書Ⅱの一部と附属書Ⅲ、放射性同位元素、麻取法等に定める第三種向精神薬、指定原料等、ダイヤモンド原石、農薬、薬事法関連品(残留性有機汚染物質関連)など、輸入公表三の8(1)~(12)に記載されている品目。それぞれ規定された書類を税関に提出しなければならない。また輸入禁制品(武器や麻薬)や他法令で制限のあるものもあり注意を要する。

ワンポイント:
この制度の趣旨は、本来必要とされる経済産業大臣の輸入承認が、輸入貨物を所管する大臣の事前確認があれば(事前確認品目)、通関時に一定の書類を税関に提出すれば(通関時確認品目)、それぞれ不要となる。

ついかほかんとくやく・ツイカホカントクヤク 追加保管特約

Special Transit Clause
貨物保険用語。「追加保管特約」保険のこと。

貨物海上保険は協会貨物約款(ICC)をベースとしており、ICCでカバーできない損害は、特約を付帯してカバーすることになります。例えば、産業機械を中国に輸出した場合、中国の最終仕向地の指定倉庫にすぐに納品せず、輸入港の倉庫に一旦保管してから買主の指定倉庫に納品する場合。港の倉庫に搬入した時点で保険期間は終了します。

この特約を付帯することで、港の倉庫の保管中及び指定倉庫への納品完了までのリスクをカバーすることが可能になります。
(Insurance 参照)(協会貨物約款ICC 参照)

つみもどし・ツミモドシ 積み戻し

Ship Back
物流用語。
積み地に貨物を戻すこと。積戻し。

輸入された貨物が輸入通関・検疫で許可とならない場合や一旦輸入された貨物を補修修理する場合、クレーム返品など、積み地に貨物を戻すことをいう。

シップバックとなった場合、海上運賃や保税倉庫での保管料など費用負担が増えるため、法令や制度等を事前に十分確認する必要がある。

つうかんし・ツウカンシ 通関士

Custom Specialist
輸出入貨物の税関申告を行う専門職のこと。

つみだしこう・ツミダシコウ 積出港

Port of Loading
物流用語。輸出入書類に記載する貨物の輸出港のこと。

つうかんぎょうしゃ・ツウカンギョウシャ 通関業者

Customs Broker
通関業者とは、通関士を置き、税関に対して輸出入の申告や承認の手続きを代行するもの。

多くの通関業者は倉庫業や陸運業なども営む。また、通関業務だけでなく、船積み手配や国内配送の手配まで行う。そのためか、フォワーダー、海貨業者(乙仲)、通関業者は混同されやすい。厳密にそれぞれの業務内容は違うが、総合物流会社はすべての業務をおこなっているため、どの呼び方でも当てはまる。