「直接輸出 対 間接輸出」商社機能の活用を見直す
国際貿易の学問的研究の世界では、「貿易論」と呼ばれる研究分野があります。
「貿易論」では商社の果たす役割=間接輸出への研究が急速に進んでいます。
日本の貿易構造を「直接輸出 対 間接輸出」に分けて論じられている点に注目です。
商社経由の間接輸出は、日本の貿易構造の大きな特徴でした。
特に為替管理が行われていた1970年代は商社経由だけと言っても過言ではないでしょう。
商社が輸出メーカーに対してのファイナンス機能も果たしていたからです。
「商社」の果たしてきた役割が重要と指摘されている所以です。
その後、商社無用論が論じられた時もありました。
経済自由化が進むに従って、誰でも商社に頼らないでも輸出できる時代です。
海外展開をするには、先行投資が必要となります。
取引先の開拓や物流構築などのビジネスモデル作りをしなければなりません。
こうした費用負担ができる生産性の高い企業は自力で直接輸出することができるでしょう。
しかし、自分で生産した製品を自分自身で輸出できない場合はどうでしょうか。
商社のインフラを利用した間接輸出を行うことになるでしょう。
企業の生産性といった視点だけでなく、その他の商社機能も活用すべきでしょう。
輸出が容易な国には自力で直接輸出できる企業も、輸出が困難な国には商社を通じて間接輸出を行うことも一案でしょう。
最近は誰でも自力で海外展開を考えられる時代になりました。
商社機能の活用という観点から「直接輸出 対 間接輸出」を考えてみてはどうでしょうか。
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