日本に一時帰国をすると「ケニアってどんなところ?」と、よく聞かれます。一言では難しいのですが、あえて表現するならば「住みやすい」だと思います。一年を通して気候が良いところは魅力です。また気さくな国民であることもケニアの良さです。子供に対してもとても寛容な心で接してくれます。|ケニアに住んで生活して

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Mama Africa! Kenya便り: ケニアに住んで生活して

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ケニアからの海外だよりも最後となりました。ケニアでの生活を総括してお届けします。

日本に一時帰国をすると「ケニアってどんなところ?」と、よく聞かれます。

一言でケニアの良さをまとめるのはとても難しいのですが、あえて表現するならば「住みやすい」だと思います。

今回は、長年住む中で感じたことをまとめてみます。

住みよいと感じる第一の理由は、年間の平均気温が18°Cと年中を通して快適な気候です。雨季、乾季はありますが、雨が降っても湿度は低く、長引くこともありません。乾季の間も30°Cを超えることは珍しく暑いと感じることも少ないです。ケニアの気候は日本へ帰国された方からもっとも聞くケニアの素晴らしいところです。

次に、身の回りのお手伝いがとても簡単に雇えることです。単身者であっても、日本に比べて家も広く埃っぽいので、
お手伝いさんは非常に助かります。外国人のほとんどが、お手伝い、ドライバー、ナニーなどのスタッフを雇用しています。特に小さな子供をもつ家庭は、簡単に祖国から家族のサポートも得られないので、ナニーがとても頼りになります。

また、とても気さくな国民であることもケニアの良さです。例えばスーパーやレストランなどで働くスタッフ、オフィス内で出会う人など、色々な場面で、たとえその場で出会った人だとしても気軽に挨拶や声を掛け合う姿をみると、その人懐っこさも魅力に感じます。

特に子供に対して非常に寛容な心で接してくれるため、子供を持つ親としては、子育てがし易い環境だと思います。気軽に声を掛けてくれるのはもちろん、荷物を持っていれば手伝って貰うことも多く、レストランではスタッフ達が子供を遊んでくれることも。子供の泣き声や多少の悪ふざけにも寛大に対応してくれるところがケニア人の懐の深さを感じます。

そして長年生活してみると、価値観の変化にも気づきます。ケニアでの住み始める前と今では、生活を豊かにする物差しが変わった気がします。収入格差が激しいケニアで、富裕層と低所得者層との凄まじい生活の格差を日常的に目の当たりにすることは大きなインパクトになりました。

物が限られているからこそ生まれるシンプルな豊かさがあるのかもしれません。生活は新しいものでありふれている日本とは違い、セカンドハンド、サードハンドもごく当たり前です。日本人が帰任、帰国する際はムービングセールと言って、使っていた家具、家電、雑貨などが日本人コミュニティー内で回ります。日本にしかないようなものや、日本の食料品は特に重宝されます。良質なものや日本のものがなかなか手に入りにくいため、物を大事にする意識が自然とついていきます。

それはなにも売るだけではなく、寄付という形もごく当たり前にあります。孤児院や養護施設はナイロビには特に沢山あるため、それら施設に無償で提供する、またはボランティア活動を行いマンパワーでサポートする、基金を設立し金銭的支援をする方々も多くいらっしゃいます。

ケニアの首都ナイロビは、世界中から駐在者が集まる都市でもあり、ダイバーシティーなところも魅力かもしれません。学校、会社、団体、クラブなど属するところの多くが多国籍です。国際化を進めるケニアで、外国人を受け入れるケニア人の姿勢も私達が住みやすいと感じる一つの理由かもしれません。

ケニアは日本から非常に遠い国であり、実際に住むまではなかなかイメージできない国でしょう。確かに生活環境は日本と比べるとかなり違うなと感じますが、実際にケニアに住んでみて感じるこの住みやすさは、ケニアの素晴らしさを伝える大切な要素ではないかと思います。

2018/2/19 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: ケニアの不動産事情って?

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こんにちは。最近のナイロビは各所で建設中の建物が目立ちます。ケニアの不動産は好景気で建設ラッシュです。なんと地価上昇率は2007年から2015年にかけて535%も上がっていると言われているほど。

特にマンション(こちらではアパートメント)を中心とした住宅とタワーオフィスビルが多く建てられています。

将来的な経済発展を見込み、海外からの投資家も注目しています。

今回はこれら建物について、特徴や問題についてご紹介していきたいと思います。

まずその特徴について、日本との一番の違いは、ほとんどの建物には塀と門がり、その中にたくさんのスタッフが従事していることです。主な理由は治安対策ですが、建物には門番、大きな敷地内では警備員がいます。彼らは24時間シフト勤務が多く、一つの建物に複数のスタッフがつきます。

そして彼らと同様に必ずいるのが清掃員です。その他に、建物の管理スタッフや受付、大きい建物にはガス、電気、水、大工士などの整備士が常駐している場合もあります。

オフィスビルや住宅が続々と建設されることはケニアの雇用創出に大きく貢献します。

建物の中身についてですが、オフィスビルは日本と比べてさほど変わりがないように感じますが、住宅は日本と少々異なります。それは内装です。ケニアは土地が十分にあるせいか、間取りにゆとりがあるように感じられます。特に日本の都市部と違うのは一人暮らし用にあるワンルームはなく、2LDKから、5LDKや6LDKのような日本では珍しい物件もあります。

作りは西洋式が多く、マスタールーム(主寝室)の中にトイレ、化粧台、シャワー室やお風呂まであることも。トイレはゲスト用やお手伝いさん用にも用意されていることが多く、時には家族の人数よりも多かったりします。

その他、玄関がなく玄関口からそのまま部屋の中へと繫がるので靴箱はありません。また、網戸がないので生活に少々困ることも。それは、緑豊かなため虫や蚊が多くどこからともなく虫や蚊が入ってくるのは厄介です。古い建物の場合、窓は開閉式なので自分で網戸も備え付けられないのです。

この土地が広いという恩恵は間取りだけではなく、ほとんどの建物の周辺には、木、植物、花が植えられ、大きい建物では中庭もあります。敷地内にプールやジムがある所も多く、外出が自由にできないが故に敷地内を充実させることを重視しているようです。

最近ではモダンな建物がたくさん建てられていますが、それでも古い物件が好まれたりもすることもあります。その理由は、前の住人がいたことは欠陥の少ない住宅であることを証明できるからです。

外観はとてもおしゃれでも、実際に住んでみると欠陥だらけ、故障頻発といったことをよく耳にします。
よく聞くのが、
・トイレが流れない
・換気扇が付けられていてもダクトがなく吸引されない
・ダクトが家の中に繋がり換気されも家の中で排出される
・水やガス漏れなど配管が十分に整備されていない

など、どれも日本では珍しい話だと思います。

さらに修理はオーナー次第なところがあり、なかなか直してもらえないことも。管理会社が入っている場合、そのオフィスが同じ敷地内にあれば1日2日で修理に来てもらえますが、離れていれば1週間後ものによっては修理完了まで1ヶ月はかかることもあります。

建物が増えたことで技術者の数が足りず、更に時間がかかってしまいます。気を長くして待つ、根気よく連絡をとる辛抱強さも大事になります。

今後ケニアの地価も上がると見込まれ、この建設ラッシュは続くと言われております。将来のケニアがどのような外観をみせるのか楽しみです。

次回は、ケニア総括編です。

2017/12/01 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: ケニアの水事情は?

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こんにちは。日本では「水道水を飲んでも大丈夫」と言われるほど水処理インフラは整えられ、上下水道の配給、排水システムも整備されています。

人間が生活する上で欠かせない「水」ですが、今回は実際に生活している中で感じるケニアの水事情についてお届けしたいと思います。

一般的に、家庭用の水は飲料用水と生活用水に分けられると思います。上下水道設備ついては、私達外国人が住む様な地域ではある程度整備されていますが、ナイロビ及びケニア全土では全くと言っていいほど整備されていません。

もちろん、水道水をそのまま飲むことは出来ません。処理が不十分なために色、匂い、味が残り、一般家庭の人が飲む場合は一度沸騰をさせなければ腹痛になると聞きます。特に雨が降った後の水は茶色く濁り、お風呂でさえ控えてしまう程です。

ケニアは3~5月と11~12月が雨季と言われていますが、近年では地球温暖化のせいか安定せず、雨季には国土を潤す十分な雨が降りません。また雨が降ったとしても上下水道インフラが未整備の為、適切に貯水されず、告知もなしに水道水が長時間、時には長期間に渡り断水されることもあります。

日常生活で私達が心がけることは、降るはずの雨が降らないなと思うと浴槽などにお水を貯めて万が一に備えます。しかしその水も枯渇した場合は電話で給水車を呼びます。そうすると「Clean Water」と大きく書かれたタンクローリーのようなトラックが水を運んでくれます。但し、Clean Waterと記載されていますが、飲料水としてはお勧めしません。

またトラックではなく人が水を運ぶ水汲みの仕事もナイロビでも未だに存在しています。実際利用した経験はありませんが、どこで汲んできたのか分からないような水が入った大きなバケツを頭にのせて運んで来てくれるそうです。

日本ではお目にかかれない光景ですが、ケニアでは各建物の屋根にWater Tank(貯水槽)がよく設置されています。普段から雨水を溜めるため、または大型の住居地では地下に大きな井戸があるのでその井戸水を補完し供給するために設置されています。

一方飲料水についてですが、ウォーターサーバーや家庭用浄水タンク(Water purifying tank)を常備しています。特にウォーターサーバーは家庭だけではなく、オフィスや病院など公共施設の様々なところに設置されています。最近日本でも良く見かけるようになりましたが、ボトルは簡単にスーパーや量販店などで購入することが出来ます。

メーカーは数種類程度、5Lや18L入りのボトルが陳列されています。値段は各店でばらつきがあり、各店の在庫数や需要率も値段に影響します。特に乾期で水が不足している場合、各店舗を周って探し求めますが、全体的に値上がりしているのが実感できます。

またウォーターサーバーを使っていない場合でも、常備時用で各家庭に数本は確保されています。我が家でもウォーターサーバーを設置していますが、水道水を直接料理に活用することができず、18Lのウォーターサーバーがすぐになくなってしまいます。

家庭用浄水タンクは、水道水をタンクに入れ、何層ものフィルターを通り水がろ過されるものです。フィルターはとてもしっかりしていて、通常飲めない水道水もしっかりろ過されるので安心して飲むことが出来ます。タンクは一人用の2ドアタイプの冷蔵庫のサイズです。浄水タンクはウォーターサーバーよりも経済的と言われているので、こちらの方が一般的かもしれません。

私達外国人の多くは幸いにも比較的容易に一定の品質の水を得ることが出来ています。とは言っても、久しぶりに日本に帰国すると、簡単に蛇口から綺麗な水が出て来ることがとても嬉しく、有難く感じます。

次回はケニアの住宅についてお届けいたします。

2017/09/23 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: ケニア大統領選挙2017を目前にして

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ケニア大統領選挙の8月8日が迫ってきました。

ケニアの大統領選挙は、全国民のほとんどが関心を寄せる重大なイベントで、なんと負傷者や死者が出るほど血の気の多い、国内紛争といっても過言ではありません。

今年も電子投票システムの責任者の男性が拷問を受け殺害される事件がおきました。

特に独立後最大にして最悪と言われているのが、10年前の大統領選挙です。実際はその直後に選挙結果を不服とする人達による抗議活動が暴動し、そしてその暴動が部族闘争に発展し、最終的に国連(前々事務総長コフィ・アナン氏ら)による数度の仲介により暴動が鎮静化する始末となりました。

特に部族意識が強いケニア人にとって大統領選挙は誰が自分の声を聞いてくれるか(どの政治家に賛同が出来るか)だけではなく、同じ部族出身者をより応援する傾向にあるため、大統領選挙は部族意識をさらに高めさせるものだと言えます。

大統領選挙は、まず各党で候補者選出に向け集会が行われてきました。爆音と共に選挙カー動き出し、4月におこなわれた選抜ではナイロビの各所で討論から暴動となり、警察が出る騒ぎも多数起こりました。

最も警戒しなければならないのは、8月8日の大統領選挙以降です。毎度、投票結果を不服とする人たちが各地で再選を巡って大きな暴動が起こることが予想されています。特に今回はこの10年前の選挙と同じ緊張感があるとも言われ、私達は注意しなくてはなりません。

私たちが取る心構えとは、まずどこでデモや暴動が起こっているのか情報を把握し、指定されたエリアや道路を使わないことです。私たちが最も利用する情報源は大使館から送られるメールや緊急速報のSMSですが、会社や他の大使館でもアラートが流れます。それらはまるで速報の様に各コミュニティーの中で行き渡るため、大いに活用し、使う道や行動範囲を決めていきます。

デモや暴動の発端は、各党の事務所周辺だけではなく、とても些細なところから発生することがほとんどです。よく起こるのがマタツ(乗り合いバス)の停車場で、乗客同士のささいな政治に関する会話から人がどんどん加わっていくのです。

気兼ねない所でも政治について討論が出来るというのは関心ですが、それにより道路は一時通行止め、暴行や強盗被害も多発し警察沙汰になってしまいます。

もちろん、最良なのは外出を避けることです。ただ、選挙による治安悪化は長期化になるため、外出が思う様に出来なくなれば、その期間の生活維持に困ります。更に流通が滞るため、生活品の買いだめも必要になってきます。

特に飲料水、食料、製紙類が不足するので早くから品薄になり、物品が補給されればコミュニティーの間で直ぐに情報が回り、またたくまになくなってしまいます。

大統領選挙の影響はそれだけではありません。企業によっては自宅待機や国へ一時帰国させる、学校は一時閉鎖を決めるところもあります。外出が出来なくなるため、特に子供がいるご家庭では彼らが退屈しないように工夫するのが大変になります。

そうなるとこの緊張もさらに長引くことになり、日本の生活が時に恋しくなることもあります。

次回はケニアの水事情についてお届けいたします。

2017/08/05 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: ケニアに広がるSNSコミュニティー

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こんにちは。

今回はケニアで広がるSNSコミュニティーについてお届けします。

世界には多種多様なコミュニティーが存在しますが、ケニアに来て驚いたのがSNSを使ったコミュニティーがとても発達していることです。

ここでのSNSコミュニティーとは、携帯アプリなどを活用したクラウドコミュニティで大きく2つのカテゴリーに分類できます。

一つは、同じ趣向を持つ個人の集合体と、個人またはお店や企業が提供するコミュニティーに個人が集合するものです。このSNSコミュニティーが発達した理由は、携帯電話の高い普及率と情報を提供するインフラ不足が考えられます。発展途上国でありながらも携帯電話の普及率は2015年に84%で、携帯アプリ等を活用した利便性の高い機能がコミュニティー形成を促進したと考えられます。

それだけではなく、他媒体からの情報量と供給量がとても少ないことも普及した背景だと考えられます。例えばナイロビには多くのお店が分厚い鉄門越しにあるものの、セキュリティや経費削減の為、表に看板や街頭広告がほとんど出ていないのが普通です。その為、私達は口コミを頼りにするわけですが、それには限りがあり代わりにSNSコミュニケーションを活用するのです。

ケニアで普及しているSNSコミュニティーについてですが、最初のコミュニティーで使われているのがWhatsAppという携帯アプリケーションです。これは日本で普及しているLINEによく似ており、グループチャット機能を活用したコミュニティーが存在します。

何がどこにあるのか、長く住んでいる私でもなかなか見つけることが難しいナイロビで、この情報共有は非常に有難いものです。また実際にメンバーと集れることも楽しみな要素です。ゲートコミュニティー(隔たれたコミュニティー)と言われる程、何かに所属していない限り外部との繋がりが難しいケニアでは、この新しい「出会い」はとても貴重です。

そして次のコミュニティーによく使われているのが、Facebookです。お店側は無料で沢山の情報を載せることができるため
私達外国人がいく様なお店ではFacebookが広告またホームページとしてよく使われています。またFacebookはお店だけではなく、個人が情報提供するプラットフォームでもあります。

例えば、「Nairobi Expat Community」という名を持つ様々なコミュニティーが個人により展開されており、その中には、
・引越しセール
・物品取引
・お手伝いさんやナニーさんの紹介
などケニアに住む外国人にとって必要とされる情報がやり取りされています 。

中でも面白いなと感じるのが、家具の取引です。ケニアで家具を買う場合の選択肢は、道端などで売られている手作りのものを購入するか、または海外メーカーの輸入品を購入するかです。

手作りはそれぞれに味があり、デザインは私達外国人にはとても興味深いものですが、品質もまちまちで良品を見つけるのに一苦労します。一方、輸入品は高価な割に品質が必ずしも価格に比例するものでもありません。その為、欧米人は個人用に母国から持ってきた家具を引越しなどのタイミングで元の同金額かそれ以上の値段で販売し、実際に売れていくという奇妙な事象が発生します。それらがたとえ中古であっても人気なのは、欧米文化が根強い影響力をもつケニアならではだと思います。

ケニアのSNSコミュニティーは人との繋がりを作る場だけではなく、生活の知恵を共有しお互いが豊かに生活するための場でもあると感じます。

次回はケニア選挙に向けた私達の心得についてお届けいたします。

2017/05/20 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: 快適なケニアでの子育て

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こんにちは。

今回はケニアが子育てについてご紹介します。安全な国とは決して言えないケニアで、「子育てが出来るか不安」との質問を頂戴することがありますが、個人的には日本よりも快適に出来るかもしれないと感じています。

なぜそう思えるのか、自分自身の経験も踏まえてご紹介します。

ケニアが子育てのしやすい環境である最大の理由は、お手伝いさんがいることです。

外国人である私達やケニア人の中流階級以上のほとんどの家庭ではお手伝いさんがいます。雇い主に子供ができれば、そのお手伝いさんはナニーとしても働いてもらえます。なかには別にナニーを雇用している家庭や、平日と週末でナニーを複数人雇いナニーが常駐している家庭もあります。

ナニー達のほとんどはその職務の教育を受けているわけではありません。しかし彼女達自身小さい頃から兄妹の子守をし、甥や姪の世話を手伝い、そして母親となり、孫を複数人持つおばあちゃんでもあります。自分の子供、兄弟の子供、子供の面倒を親戚も含め家族がお互い協力して面倒をみるのが当たり前な彼女達は、若いお手伝いさんでも非常に子育てが上手なのです。

近年、私達のような外国人の駐在者が増える中、お手伝いさんの需要とは別にナニーの専門的知識を持った人材の需要が高まっていると聞きます。

私の住んでいる地域も含め各所でナニー養成スクールができ始めました。スクールでは知育遊びや応急手当てなど、彼女達の普段の子育てにはない専門知識を学べるのが特徴的です。単に仕事の延長線上にあるナニーではなく、ナニーとしての役割や知識やマナーなどが習えるようです。特に雇い主側からの要望により仕事の合間や短期集中で通うお手伝いさんが多いようです。それはケニアでは当たり前の子育て方法や子供の扱い方が、文化的な違いから外国人である私達には受け入れられないものもあるためです。

「ナニーに何を求めるか」は各家庭によって違いますが、おおむね
・遊び相手
・食事
・子守
・寝かし付け
・オムツ替え
・お風呂/シャワー
などが主な仕事です。

我が子に関わる時間が長い程、雇い主である親は、ナニーの専門知識を求めるそうです。このようにケニアにいればナニーが当たり前になり、出掛け先や旅行先にまで彼女達を連れている外国人の光景を良く見かけます。

子育てに恵まれた環境だと思うのは外出先でも感じます。例えば子連れで並んでいれば優先的に通してもらうこともあり、子連れでレストランなどお店へ入ると、スタッフは気さくに子供に話しかけ遊び相手になってくれることもあります。

またレストラン内に子供が遊べる遊具を設備しているところや、お庭がある施設が多いのは助かります。老若男女問わず気兼ねなく子供に接してくれる環境があるのも子供に優しく、とても寛大であるケニア人の気質のおかげだと私は思います。

また赤ちゃんの泣き声や子供の騒ぎ声に対しても寛大で、赤ちゃんは泣くのが仕事で子供は遊ぶのが仕事だとよく言われます。外国人も多いケニアですが年中通して温暖な気候のせいか彼らも寛大なような気がします。

一方、ケニアで子育てをする中で苦労するのは、子供のアイテムが充実していないことです。日本では当たり前の便利グッツなど気の利いたものは見つからず、必要最低限のものしか手に入りません。加えてほとんどが輸入のため割高です。消費の多い紙オムツも、紙が貴重なケニアでは割高なアイテムの一つです。

また驚いたのは、子供を抱く抱っこ紐がケニアでなかなか見つからないことです。ケニアでは一枚の布で子供を抱く習慣がもともとあり馴染まないのかもしれません。

物質的欲求は満たされにくいとは言えますが、ケニアの子育ては想像以上に快適でお手伝いさんの力とケニアの人達の人柄によって助けられているといえます。

次回はコミュニティーについてお届けします。

2017/03/02 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: ケニアの休暇の過ごし方

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皆さま こんにちは。
冬休み休暇はいかがでしたでしょうか。

今回はケニアで暮らす私たち外国人の休暇の過ごし方について、お届けしたいと思います。

特に冬休みについて、ケニアでは冬休みをクリスマスと正月を含めて言います。日本のお盆が終わる9月頃から、日本人も含め多くの外国人は冬休みの準備を始め、話に花を咲かせるようになります。

早い人は去年の休暇から次の予定を組み始める人もいます。

西洋人の場合、冬休みは私たち日本人よりも長く、旅行先でゆっくり過ごす為、何ヶ月も前から予約をすることで旅費も抑えられるそうです。

またケニアは日本と違って祝日がとても少ないので休暇は貴重なもの。そしてケニア人にとっては大きなイベントです。キリスト教信者が多い彼らはこの時期に故郷に帰り、家族や親戚同士で集まるので、この休暇は特別なものなのです。

この休暇ではクリスマスイブが大切な日になり、お祝いをするために多くの人達が買い物をします。お店ではクリスマスセールやクリスマスパッケージで大量消費を狙います。この時期になると沢山のクリスマス商品が目に付きます。スーパーやモールでは特にクリスマスデコレーションがたくさん売られ、路面店や道路に立っている売り子もクリスマスツリーや飾り物を持っているほど。気候のせいか、モミの木などにつける雪の飾りがないのは面白い日本との違いです。そして日本とは違い、ケニアではクリスマスイブの夜からクリスマスにかけて、お店や施設がお休みになります。

しかし、この時期、特にスーパーなど、開店はしていてもサプライヤーが休むなど体制が整っていないため供給が間に合わないこともしばしば。クリスマス後には品数が少なくなり、特にお水や物によっては食料品がおおよそ正月明けまでなくなってしまうこともあります。またクリスマス前の大量販売も影響しているため、お店が全体的に寂しくなっています。その為、12月になるとストックも含めて消費が多くなります。

この期間中、多くの日本人はと言えば、日本に帰国したり近いヨーロッパへ旅行にいきます。またこの土地にいるからこそ日本からはあまり訪れる機会がない国や、ケニアや近隣国でアフリカを満喫したりと、それぞれの様です。

ケニア内で休暇を過ごす場合、マサイマラ等のサファリを楽しみながら、正月には広大な大地から来光を拝むのも一つです。ケニアはサファリだけではなく、ケニア山やナイバシャ湖周辺でゆっくりとサイクリングやヒポツアーなどを楽しむことができます。

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またあまり知られていませんが、ケニアには白い砂浜の綺麗なビーチが広がるディアニがあり、そこでゆっくりと時間を過ごすこともケニアで休暇を楽しむ一つです。

アフリアの中で休暇を取る場合、近隣国は治安や衛生面での懸念が多く、沢山国があるアフリカでも実際に旅行が出来る国には限りがあります。その中でも
・野生のゴリラに会えるルワンダ・ウガンダ
・世界三大瀑布の一つであるビクトリアの滝があるザンビア
・サレンゲティ国立公園やリゾート地であるザンジバルなどがあるタンザニア
などが人気の旅行先です。

さらに少し離れれば、南アフリカやガラパゴス、セイシェルが比較的簡単に行けるため、ここに住む日本人にも人気の旅行先です。

日本のようなお正月の雰囲気はケニアにはありませんが、貴重な冬休みを思い思いに過ごしています。

次回はケニアでの子育てについてお届けします。

2017/01/14 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアでの外国人の娯楽や休日

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ナイロビはだんだん暖かくなり過ごしやすくなってきました。この時期になると日中はプールで遊ぶ子供達も増え、大人も外で楽しむ時間が増えていきます。

今回、私たち外国人の娯楽や休日の過ごし方についてご紹介したいと思います。

ケニアでは日本で暮らしていた時と比べ、一人、単独で過ごす時間が極めて少ないように感じます。例えば、家族でケニアにいらっしゃる方は家族揃って外食に出掛ける人をよく見かけます。日本と違い、デパ地下もなければお惣菜など便利なものもないので、毎日家で料理をするパートナーの負担を少しでも軽くするためにと特に週末は外食をする方が多いそうです。

また、友人、他の家族、親戚を招待してのホームパーティもよく行われています。中には集合住宅内で住人同士が集まり、敷地内には多目的広場が設置されているところもあります。

家族同士の付き合いに続き、「外出」で多いのはショッピングではないでしょうか。ケニアの大型スーパーはホームセンターと合体しているのが特徴で、週末ともなるとカートに大量の食材などを買う人達をよく見ます。最近ではモール内におしゃれなショップも増えてきましたが、ファッションにおいては日本人に馴染みのあるブランドはなく洋服をケニアで買ったことがない方も少なくありません。

しかし、ここの楽しみはケニアらしい小物を見つけることです。日本では珍しくておしゃれなものもあります。さらにクリスマスシーズンになるとナイロビでは休日にクリスマスバザーが各地で催され、ケニアらしい小物だけではなく、ヨーロッパテイストの小物からオーガニックの食品など、多彩なものが並びこの時期の楽しみの一つになっています。

特に週末は安全面に注意する必要がありますが、日本と違って自由が少ないだけに集まり、出掛けたりして週末を大いに楽しむのではないでしょうか。

その「外出」先を決める際は、口コミ、モールなどの掲示板、無料の情報誌やSNSなどが役に立ちます。日本と違い、雑誌やテレビなどでトレンドが紹介されることはありません。特に口コミで新しいスポットを紹介してもらい、掲示板や情報誌でコンサート、クラブ活動(料理教室、アート教室、乗馬など)、ボランティア活動などのイベントを知ります。

ボランティア活動の中でケニアらしいと思うのが象の里親です。象牙などの密猟で親を亡くした子象の里親になるものです。里親になると象に名前をつけて、餌やりや触れることも可能です。定期的に訪れると成長を感じることが出来るそうです。

ケニアでアウトドアも忘れてはいけません。安全管理上、広範囲では個々の活動は難しくなんらかの施設、またはある程度の人が集まるところでの行動が現状ですが、ナイロビにはスポーツが楽しめる施設や広大な森林地域があります。
セキュリティー管理がされている為基本入場料が必要ですが、敷地内では散歩やサイクリング、ランニング、サッカーなど、外に出歩くことが制限されているナイロビでも野外活動が安心して楽しめます。

そして、アウトドアはナイロビの外でも可能です。車で3〜4時間もあればナイロビを離れることが出来るので、日本ではなかなか見かけない大きな車でクライミング、マウンテンバイクでサイクリングやツーリングなど、休日を更にアクティブに過ごす人もいます。その他にも紅茶農園、温泉、赤道直下など小旅行も出来ます。

日本に比べて娯楽の数も場所も限られていますが、少ないながらも皆さん趣向をこらしてケニア生活を大いに満喫しているように見えます。

次回は、休暇の過ごし方について届けします。

2016/11/23 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアの医療制度について

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こんにちは。
今回はケニアの「医療」についてお届けします。

医療制度について、日本と先進国でも違いがあるようにケニアと日本でも異なります。

最も異なるのは「医療費の支払」でしょう。
ケニアはアメリカと良く似ていて、日本のように国からの保障はなく、自身や会社がかける保険、もしくは全額自己負担によって治療を受けることが出来ます。

経済的に恵まれた人や大手企業に所属する人はそれなりの医療を受けることが出来、また彼らは欧米やインドに高度な医療を求めて渡航治療を受ける人も多く存在します。
その一方で、低所得者層や貧困層の人達は、国境のなき医師団や赤十字などの支援により治療を受けることもできますが、十分な医療を受ける機会は非常に限られているのが現状です。

一般的に私達のような外国人の場合、その多くは企業や団体から派遣された赴任者ですが、所属企業や団体が保険に入っているためケニアで十分な治療を受けることが出来ます。そして、指定される病院はある一定の基準以上の病院なので、治療に対する心配はほとんどありません。

しかしそのような支援がない場合、当然のことながら現地人と同じ条件です。ケニアの物価は日本と変わらない水準なので、医療費の全額負担はかなりの出費で注意が必要です。

費用の支払いについては、基本現金のみで一部医療機関を除いて前払い(診療より先に支払い)です。治療を受ける前に基本医療費を支払い、その後それぞれの担当医が診察します。レントゲンや注射、点滴などを使用する場合にも、それらの費用を前払いすることが一般的です。救急医療や救急車も支払わずしては利用できません。

医療に大きな心配はないものの、この救急医療には不安が残ります。ケニアの慢性的な交通渋滞から救急車が遅れ、救急医療に対応する病院の数も少なく、また従事するスタッフの迅速な対応への意識の低さや医療技術(質)のばらつきなど、不安を挙げればキリがありません。

郷に入っては郷に従わざるを得ず、限られた環境の中で適当な病院を探すわけですが、恐らく多くの富裕、中間層が利用しているのは総合病院です。

よく聞く病院で「Aga Kahn University Hospital Nairobi」があります。
イスラムの大富豪の財団が設立したナイロビでは非常に大きな病院です。さらに同じ敷地内には多分野の開業医もオフィスを構えているのは日本と違った点ではないでしょうか。

ケニアはアフリカの中でも医療技術や質は高く、近隣国から治療を受けに来る人もいます。ただ総合病院とはいえ、ケニアでは1つの病院で全ての検査に対応出来ていないため、隣接する病院に患者自らが行き、検査や治療を受ける点も日本と異なるところです。

視点を変え、子供の医療についても触れたいと思います。

子供帯同の外国人にとって気になるのは子供への医療の充実さです。多くの方々が先ほどの総合病院や専門病院を利用し、定期検診や突然の症状にもすぐに対応してもらえます。また日本人医師による訪問診断もあり、多くの日本人が助けられています。

その他、開業医による専門院もケニアには点在します。ほとんどの病院では看板がないため口コミによって皆さん病院を選んでいます。

ケニアの医療は、制度など日本と比べて違う点が多いですが、決して心配する程ではないと言えます。しかしながら、医療格差是正や質の向上など課題は山積みです。

ケニアが国際国家として認められるには、医療インフラの発展も一つの鍵となるでしょう。

次回はケニアの娯楽と休日の過ごし方についてお届けします。

2016/10/12 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアにある日本の食べ物って?

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今回はケニアにある日本の食べ物についてご紹介したいと思います。

現地に住むとより恋しくなる日本食ですが、ケニアの首都・ナイロビでも日本食レストランは5店舗以上存在します。

客層は、日本人だけではなく欧米人やケニア人など幅広いです。レストランだけでなく日本飲料や調味料、食材は、品目に限りはありますが、現地スーパーマーケットで見つけることが出来ます。

小規模ながら楽しまれている日本食ですが、近年の世界各地で広まっている日本食ブームとは裏腹に、残念ながらケニアではまだまだマイナーという印象です。

植民地の歴史を振り返ると当然ですが、古くから欧米やインドがカルチャーからプロダクツまで幅広くケニアに浸透しているのに対し、日本食は現地人の舌にはまだまだ馴染まないようです。

例えば先に紹介した日本食のレストランですが、最近になって日本人シェフが料理するお店も出店されましたが、それまでは韓国人によるジャパニーズコリアンレストランでした。日本料理と韓国料理が一緒に楽しめるのが嬉しいところですが、韓国人が知る日本食の味である為、私たち日本人にとっては物足りないものです。

日本食材もようやく日本人が携わるお店がオープンしました。主に日本のお惣菜や練り物、甘味ものなどを取り扱う食材屋さんです。以前は韓国人やケニアンインディアンが経営する個人経営のスーパーから求める日本食材を探し回って買っていました。

一方で、韓国人と日本人は求める“食”は似ているようで、今年に入る頃から韓国人経営によるパン屋さんが出来ました。もちろんケニアにもパン屋さんはありますが、日本のパン屋さんとは異なり、食パンやフランスパンなどの食事パンしかありません。菓子パンや調理パンなどがある日本のパン屋さんがケニアにも出来たと日本人の間でも話題になりました。

また現地に馴染の薄い日本食ですが、面白い取組もあります。日清食品ホールディングスは既存の商品を輸入するのではなく、ケニア人向けにブランド展開をしています。

現地の人の舌に合わせたケニア版インスタントヌードル「Nissin Noodles」を手掛け各スーパーや路面店で簡単に購入することができます。広く浸透している商品ですが、日本の様なスープと具材が入っているものと全く違い、どちらかというとスープはなく焼きそばのようなものです。

そのぶんヌードルにしっかり味が付いて、味はトマト味、チキン味の他にマサラ(香辛料が効いたカレー風味)味やニャマチョマ(ケニアのBBQ)味などケニア人にターゲットを合わせています。

さらに冒頭に日本の飲料や調味料が手に入ると書きましたが、そのもの自体は日本のものでもケニアではほとんどが他国メーカーにより販売されています。

一部調味料は日本メーカーが直接製造販売しているものがあるようですが、大多数は日本のパッケージでありながらラベルには他国のメーカーまたは貿易企業が印字されているのです。

例えば、最近までスーパーでよく見かけていたのが、韓国版の“かっぱえびせん”です。パッケージも味もよく似ていますが、カルビー社の名前はどこにも載っていません。

このように在留邦人の増加も一因し、ケニアでも日本食に触れることは出来るようになったものの、私たち日本人が求める日本食にはまだまだ及びません。

ケニアにも徐々に進出している日本食をどう現地の人に楽しんでもらうか、今後の情宣も含めて将来が楽しみです。

次回はケニアの医療についてです。

2016/9/2 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り: ケニアのお肉って?

今回は最近のケニアで食べられるお肉の嗜好から、
精肉を求めた様々な入手方法についてお伝えします。

ケニアでは定番のお肉から、珍味と言われるお肉など
色んなお肉が食べられます。

例えば、観光スポットとして有名なカーニバルという
レストランがナイロビにあります。

そこでは日常食べる鶏・豚・牛・羊の他に、
なんとワニ・カエル・ヤギ・ラクダなど
日本ではおそらく食べないような
バラエティー豊かなお肉が食べられます。

サファリが広がるだけに、
いろいろなお肉を食べることが出来ますが、
ケニアで昔から最も食べられているのは牛肉です。
ナイロビから少し離れれば、牛の放牧を
各地で見ることが出来ます。

しかし最近では鶏肉がよく食べられるようになったと
実感しています。高所得者の健康思考や品質向上が
主な理由だと考えられます。

地元のKienyajiチキンというブランドも根付いており、
ただ「食べる」という発想から
高品質で安全な美味しい食べ物を求めるようになり、
鶏肉は他のお肉よりも少し割高ですが、急速に普及しています。

また、養鶏場経営は家畜の中でも比較的狭い面積で
かつ低コストで出来ることから質の管理がしやすい為、
美味しい鶏肉がたくさん作れるそうです。

需要の増加に伴い、養鶏所経営はミリオネアになれると
新聞で取り上げられる程、ビジネスとしても注目が集まっています。

鶏肉が需要に拍車をかけたのは、
外資系外食産業の参入と考えられます。
代表的なのはケンタッキーフライドチキンで、
ナイロビに現在4店舗で続々と増えています。

驚きなのは、この国では先進国のファストフードが
高級食として受け入れられていることです。
近年の経済成長で増えた中間層が外国の味(外食)を
楽しめるようになったことで、
外食文化の歴史が浅いケニア人の心を掴んだと思われます。

外食という点では、日本のファストフードも人気です。

丸亀製麺を運営するトリドール社がナイロビで
テリヤキジャパンというお店を出店し、
そのメイン料理になっているのが鶏の照り焼きです。
こちらは外国人やケニア人中流層の間で特に人気のメニューです。

一方、昔から親しまれた牛肉は、良質になってきた鶏肉に対し、
個人的に少し味が落ちてしまうと感じています。

実際、鶏肉を扱うケンタッキーフライドチキンは
ケニアに進出していますが、世界最大級のファストフードである
マクドナルドはケニアにありません。

理由は、ケニア国内で調達できる牛肉の質が
マクドナルドの求める基準値以下であること、
牛肉の輸入規制があることから、
国内外から基準を満たす牛肉の入手が
困難だからと言われています。

私たち日本人を含めた外国人は、満足できる牛肉を求めて
買い物のやり方を工夫しています。

精肉店によって質が変わるため、
利用する精肉店をいくつか掛け持ちをしています。
従業員とコミュニケーションを日頃からとることで
新鮮な牛肉がいつ店頭に並ぶかを教えてもらいます。

毎日精肉が入れ替わるわけではなく、
保管技術が優れているわけでもないので、
新鮮なお肉を一度に沢山購入し
自宅で冷凍保管しています。

その他にもナイロビ大学などの大学で
研究目的に飼育されている牛を研究後解体し、
欲しい部位を精肉にして販売してもらうという
日本では聞かないお肉の購入方法もありました。

さらに、最近では団体や個人企業で
牛肉の品質向上に取り組む動きもみられます。

例えば、日本人や外国人の方々がこぞって注文する
デリバリーサービスがあります。

これは日本人を含め複数の外国人が協力し、
ケニア人の牧場を管理し生産から精肉、販売まで
一貫して行っているものです。

新鮮だけではなく、生産者が見えて、
どのように飼育されているかが分かるので
安心して食べられると人気があります。

経済発展と共に国民の所得が向上し
在留外国人も増加したことから、
ケニア人における「食」は、明日生きる為の「食料」から
「食料の質と安全」へと変化しています。

普段の生活からもケニアの著しい発展を肌で感じる毎日です。

次回はケニアにある日本モノについてお届けいたします。

2016/7/27 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:人種のるつぼケニア

今回はケニアに影響を与える人種についてお伝えしていきます。

ケニアは多人種国家の国で、
アフリカン
アラビック
ヨーロピアン
アジアン
と、大きく分けて4つの人種が存在します。

正式な数字は出ていませんが、
アフリカンは民族も含めれば約70種類。

人口率でも圧倒的にアフリカ系の人種が多く、
その割合は99%と言われています。

ケニアだけにアフリカンが占めていますが、
ケニアに影響を与えるのは
残りの1%であるノンアフリカンで、
彼らは政治経済面で圧倒的な存在感を見せています。

このノンアフリカンの中には
祖先がケニアに移り住み、
ケニア生まれケニア育ちの人達がいます。

彼・彼女らは祖先から
ケニアの政治経済の発展に大きな影響を与え、
特にケニアンブリティッシュとケニアンインディアンは
今なおケニアを支配していると言っても
過言ではありません。

そして、その影響力はケニアの植民地時代に遡ります。
植民地として国を統治していたイギリス人は
ケニアの政治経済を動かしました。

今ではその人口も約5,000人に減りましたが、
民間企業、国際団体、国際企業、宣教師などの
トップの多くはケニアンブリティッシュです。

また、ケニアンブリティッシュはケニアの大地主でもあります。
植民地時代に肥沃な土地を
先住民であるアフリカンから強制的に収用したことで、
今でも肥沃で広大な土地に
英国様式の豪邸や農地を所有しています。

一方、最近では搾取されたと感じているケニア政府が、
ケニアンブリティッシュのもつ企業の事業権を認めない、
または地主の土地を引き剥がそうとする
活動も行われています。

そして当時のイギリス人とインド人の関係は、
雇い主と従業員の関係でした。

イギリス植民地時代の1986年から1901年に行われた
ケニア-ウガンダ鉄道の建設に、
当時イギリス領であったインドから
沢山のインド人が雇われ
ケニアに連れてこられました。

彼・彼女らの役割は力仕事と
奴隷であったケニア人労働者を
監視・指揮と言われています。

その鉄道建設以降、インド人は
そのままケニアに定住し
ケニアンインディアンとなります。

イギリス植民地時代の中、
ケニアンブリティッシュの次に
力を持ったと言われています。

後に小売業・商業・貿易で特に大きく飛躍し、
ケニアの雇用はケニアンインディアンが生み出す
とも言われ、実際私たちが日常的に利用している
スーパー、商業施設、飲食店などの多くは
ケニアンインディアンがオーナーです。

世界的にみてもインド人は商売上手
と言われていますが、それはケニアでも同じです。

さらに近年では、ごく少数派だった
ケニアンチャイニーズが
中国本土からやってくる中国人と共に
影響力を見せ始めています。

昨今ケニアでは高速道路や鉄道網が
急速に広がっていますが、
建設資金の貸付から建設工事まで
多くを中国企業が手掛けています。

この建設に際し、数多くの中国人が
本土から渡ってきています。
ケニアンチャイニーズはこの本土からやってきた
中国人と共に、これからのケニア経済に
大きく影響を与えると言われ、
既に各商業・貿易で中国名企業を
頻繁に聞くようになりました。

ケニアに住み始めた頃、人種が混在し
ノンアフリカンがケニアを支配していることに
驚きましたが、ケニア人は今母国を
自分たち手で発展させようと本気で取り組んでいます。

事実、海外で実力をつけたケニア人が帰国し、
政府、企業の重役に就いています。
将来、アフリカンがケニアを牽引する時代がくるのか楽しみです。

次は、ケニアの肉事情についてお届けします。

2016/7/7 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアでは温かい紅茶

こんにちは。

今回はケニア人の飲料習慣についてお届けします。

ケニアに住み始めた当初、
年中暖かい気候であれば、ケニア人の嗜好は
きっと冷たい物だろうと思っていました。

実際、特に飲み物においては、
彼らが冷たい物を飲むことはとても稀なのです。

温かい飲み物を好み、
日本人なら冷たく冷やす飲み物でも
常温で飲む習慣がケニア人の中にあります。

そんな彼らが好む温かい飲み物についてご紹介します。

まず彼らが好んで飲む
代表的な温かい飲み物は何と言っても紅茶です。

近年は海外文化の影響を受け
様々な飲みものが持ち込まれているため、
特に若者には嗜好変化があるようです。

それでも相変わらずよく飲まれているのが温かい紅茶です。
朝はこの紅茶とパン
仕事の休憩時にいただくのも紅茶
人をもてなす際も紅茶
ケニア人の生活に温かい紅茶は深く根付いています。

ケニアの紅茶は、水を入れず
たっぷりの温かいミルクと沢山の砂糖で作られ、
入れ方もインドのチャイと同じで
名前もチャイと呼んでいます。

昔からケニア人は好んでこの味の濃いチャイを飲み、
ミルクと砂糖を沢山入れることで
豊かさや裕福さを見せると言われています。

そもそも紅茶がよく飲まれる理由は、
イギリスによる植民地時代にさかのぼります。

イギリス指導のもと紅茶の生産が盛んになり、
良質な茶葉はイギリスへ、残った質の悪いダストティーを
ケニア人が飲んでいました。

このダストティーを何とか美味しく飲もうとして
考えられたのが今のチャイだと言われています。

日本ではケニア産の飲み物だと、コーヒーに馴染みがある
かもしれません。
が、実はケニアの茶葉はとても良質で、
コーヒーよりも以前から生産され飲まれていた飲み物なのです。

かつてイギリスで売られていた
茶葉のほとんどはケニアとインドの茶葉を
混ぜたものだそうです。

その割合は
インドの茶葉が7割に対して
ケニアの茶葉を3割に抑え、
利益を上げていたと言われている程です。

そもそも彼らが常温で飲む理由としては、
経済的環境にあると言われています。

今でも冷蔵庫がある家庭は一般市民のごくわずかです。
ナイロビに住むケニア人の多くはスラムに住んでいます。
電気もまともに通っていないため、
冷蔵庫が各家庭にありません。

その為、自然と飲み物は常温で飲む習慣がつき、
その習慣が嗜好になりました。

彼らが温かい飲み物を好むことから、
殆どの飲食店では
同じ飲み物の冷たいものと常温のものを
選ぶことが出来ます。

また私たちが冷たくして飲むものでも
常温で飲む傾向があります。
その中でも驚いたのがビールです。

私たちが冷たいビールを飲む時はその喉ごしを
楽しむものですが、彼らにとって
それは喉ごしを楽しむとは言わないそうです。

近所のケニア人を家に招いた際、
私は良かれと思い冷たい
ビールを出したことがあります。

彼らがビールをなかなか飲もうとしないため
たずねてみると

「喉に冷たいものが入ると飲み込めず、
 まるで喉が取れた様な感覚になるから
 飲むことが出来ない」

と言われたことがあります。
まさに育った環境によって
嗜好が違うことを実感した出来事です。

温かい飲み物は
飲料だけではなく、
彼らが服用する薬にも温かいものがあります。

例えば、風邪をひいた時に飲まれる
ダワという昔ながらの薬があります。

ダワは沸騰したお湯に
すりおろしたニンニクと生姜に
お好みで蜂蜜を入れて飲む、
とっても身体が温まる飲み物です。

ケニアの気候から
なかなか温かい飲み物を好むケニア人を
想像するのは難しいかもしれません。

でも眼下に広がる美しい草原を見ながら
温かい飲み物を飲むと格別の至福を味わえるのも事実です。

次回は、人種のるつぼのケニアをお届けいたします。

2016/6/16 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアで日常的なチャイ賄賂

こんにちは。

皆さんはケニアの政治がどのように世界から評価されているか
ご存じでしょうか。

その判断材料の一つとして、
Transparency International社が毎年公表している
腐敗認識指数というものがあります。

この指数は、順位が低いほど腐敗していることを示します。
今年1月、2015年度ランキングが発表され、
ケニアは世界168カ国の中で第139位でした。

ちなみに、1位はデンマーク、日本は18位、最下位は
北朝鮮とソマリア。
同位に複数国が含まれる場合もあります。
なお、アフリカの中では54カ国中36位です。

腐敗指数からわかるように、
ケニアでは政治家との賄賂は切っても切れないとも
言われていますが、実は政治家だけはなく私たちの
日常生活でもチャイ(賄賂)が行われています。

今回はケニアに根強く残るこのチャイについてご紹介します。

何故「チャイ」と呼ぶか。

もともとチャイはケニアでも紅茶をさします。
インドチャイと同じく、たっぷりの砂糖とミルクが入った紅茶で、
ケニア人の日常の飲み物して親しまれています。

チャイはまた来客時の飲み物としても出され、
そこから「人に差し出す=融通を効いて貰う」為のものとして
賄賂を意味する隠語に使われるようになったと言われています。

言い換えれば、
ケニアでは融通を効いて貰わないと何も始まらない
と言っても過言ではありません。
事実、ケニアで生活をしていれば必ず実感することでもあります。

チャイは様々な日常生活の場面で求められます。

よく聞く話では、ケニア人の足である「マタツ」
というミニバス・バスで起こります。

マタツはナイロビ市内の移動手段、
そしてナイロビ郊外に住む人々の通勤手段にもなっています。

雨の日やラッシュアワー時には
通常だと何時間も待たないと乗ることが出来せんが、
特に外国人を見つけると各マタツの案内人が近寄ります。

チャイの交渉を持ち出し、その案内人と運転手にチャイを
渡せば先頭列の1番前で待たせてもらえるそうです。

また法や規則を元に取り締まる
行政・警察もチャイを要求することがあります。

特に、免許取得・更新やビザ取得、検問、交通の取り締まり
など公職人からまるで暗黙の了解の様にチャイを求められる
ことがあります。

手続きに通常1週間と言われたものが
1か月待っても音沙汰となく、
問い合わせてみると、「早く進めてほしいなら何かほしい」
といったダイレクトな要求もあります。

ドライバーが携帯電話を持っていただけでも運転中に使った
とみなされ、高額な罰金を払う代わりにチャイを要求される
こともあります。

日本では後部座席のシートベルト着用がまだ一般的では
ありませんが、ケニアでは着用が義務付けられており、
交通整備をしている警察官がシートベルト未着用に対して
刑務所に連れていく代わりに罰金(=チャイ)を請求し、
そのまま警察官の懐に収まることも良くある話です。

チャイは当たり前のようにケニアに根付いている一方、
現在ケニアでは国を挙げて汚職を一掃すべく
取り締まりを強化しています。

汚職撲滅はまだ始まったばかりですが、
ケニアならびにアフリカ諸国が国際社会の一員となる為には
必要不可欠な活動であり、一歩ずつですが、正しい方向に
進んでいると感じます。

現時点ではまだ、ケニアで生活・ビジネスをする際に
少なからず賄賂やチャイを要求されることがある様ですが、
常に私たちが正しい判断を心がけることも大事なのでしょう。

次回はケニアの飲料習慣についてお届けしたいと思います。

(参考サイト)
Global Noteの腐敗認識指数はこちらから

2016/4/6 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアのフードデリバリー事情

こんにちは。

皆さんはケニアのフードデリバリーと聞いて
どの様なイメージをお持ちでしょうか。

私はケニアに住む前まで、発展途上国というだけで
そのようなサービスは存在しないだろうと思い込んでいました。

事実、地方にこそ存在しませんが、
ナイロビではその思い込みを覆すほど
便利なデリバリーサービスがあります。

今回はその仕組み、普及した理由、
そして将来性についてお届けします。

まずは、仕組み。
レストラン等の実店舗がデリバリーサービスも提供している
という点は、日本と変わりません。

一方、宣伝方法が日本と大きく異なり、紙の広告を使わない
ことが特徴です。
日本では、折り込みやポスト投函またオフィス周辺でのビラ配り等、
依然として紙広告が主流ですが、ケニアでは紙自体の価格が高い
という理由もあり、主にインターネットや口コミで紙広告は
ほとんど見かけません。

そのため、注文方法もインターネットが一般です。
SMSを含め、お店に直接電話注文する場合もありますが、
主流はオンライン注文で2つに分けられます。

1つは、インターネットからデリバリー専門サイトへアクセスし、
登録されたお店の中から注文するものと、
もう1つは、お店がテナントとなっているショッピングセンターが
運営するサイトから注文するものです。

このオンライン注文で驚きだったサービスは、
現在地から近隣のお店を検索出来るだけではなく、
食べたいものを選択すれば
近隣のお店を紹介、
メニューの一覧を閲覧、
デリバリーの所用時間、
また利用者の評価など、
日本となんら変わらない、注文には十分な情報があることです。

所用時間も、ケニアではとても珍しく大幅に遅れず、
注文をすると定期的にオペレーターやインターネットを通じて
デリバリーの現在地が随時連絡される仕組みになっています。

デリバリー代はとても安く、日本円にして約200円〜300円/回程度。
利用者の多くはまとめて注文をする人が多いためデリバリー費用は
ほとんど掛からないといってもいいでしょう。

デリバリーサービスが普及した理由は、
以前お届けした慢性的な交通渋滞と携帯電話の高い普及率が
大きく関係していると考えられます。

利用者の用途は主にオフィスで取るランチやホームパティーを
含め多彩な料理を注文する中流階級の家庭だと言われています。

日本のように簡単にランチを楽しむ場所が付近にあまりなく、
ゆっくり取りたがるケニア人にとっても都合がよく、
また社員が時間通りに仕事に戻ることにもつながり
非常に利点があります。

ホームパティーを好んで開く外国人や、治安の理由から
夜の外出がなかなか出来ない家族にとっては、
渋滞のひどいナイロビで何時間もかけてレストランを回るのは
とても非効率で、デリバリーが準備時間を大幅に省くことにもなります。

最後に将来性、それはサブ・サービスの拡充が
成長に必要と考えられます。
フードデリバリーの機能や利便性は整っていますが、
それ以外のサブ・サービスを充実させることが必要です。

日本では当たり前のポイントサービス、
食品以外の商品の取り扱いなどは現時点で存在しません。

例えば、携帯電話の電子マネーと連携してポイント制を導入する
ことやケニアではお花が安く綺麗な花が食卓を賑わすことも
多いことから、その食事に合った花を一緒に届ける
フラワーデリバリーも一つのアイデアではないでしょうか。

今後、安定的かつ更なる顧客獲得に向けた企業間の競争が進み、
そこにサブ・サービスのノウハウを有した日本企業がケニアに
参入するチャンスもあると思います。

次回はチャイ(賄賂)についてお届けしたいと思います。

2016/3/18 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニア人と仕事を上手くまわすポイントは

こんにちは。

前回は、「ケニア人との仕事で意識したいこと」と題して、
共に仕事をするためにこちらが臨機応変に対応することが
賢明だとお伝えしました。

今回はケニア人の仕事への取組み方を理解し、
どのように付き合うのが良いのか
また個人と企業の取り組みについてもご紹介します。

まずケニア人と共に仕事をする上で大事なことは、
とにかく伝え続けることです。

率直に言えば、彼らは
「仕事をせず、いかに楽をしてお金を得るか」が、
仕事に対する責任感や意欲よりも十分に勝ります。

「仕事をしない」言い訳は流暢で、
皮肉にも英語が公用語である彼・彼女らは、
言い訳がまるで筋の通ったプレゼンの様に聞こえてしまうのです。

日本人の常識(仕事への生真面目さ)と同じレベルを
期待するのはとても危険です。
まずは現地でケニア人とビジネスをする上で最初に
理解すべき点だと言えます。

この考え方の背景にはケニアの経済環境が
関係すると考えられます。

ケニアの高い経済成長率が注目を浴びる一方、
高いインフレ率や汚職による非効率な政治から、
末端の国民生活水準は一向に改善されていないのが現状です。

真面目に一生懸命働いても報われない生活環境から
「楽をしてお金を稼ぎたい」
と思うのは仕方のないことかもしれません。

それゆえ仕事を計画的に遂行させるためにも、
相手に根気強く言い続けてこちらの意思や要求を
伝えることが大切なのです。

「とにかく伝え続けること。
これがケニア人とうまく仕事をするためのコツ。」
と企業のトップに立つあるケニア人の友人が
私に教えてくれた言葉でもあります。

また、伝え続けると共に大切なのが「仕事をやらせること」です。
日本では「上司が部下に背中を見せて教える」ことは
よく見られる光景です。

しかしケニア人には全く通用せず、
むしろ「これは自分の仕事ではない」と判断され、
逆効果となることがほとんです。

伝え方として、
「私だったらこうするが、それは貴方の仕事である」、
「○○という結論がほしい」と
明確にとうとうと説明をするなど、
あくまでも行動を促すことがポイントです。

さらには、私達の管理能力を鍛えることも重要です。
日本では、仕事を任せるため相手を信頼し信用する
ことから始まるとも言われていますが、
残念ながらケニア人には全く通じません。

信頼していた現地スタッフが物を盗む、財産を持って
突然消える話は多かれ少なかれ耳にする話ですが、
ここでは逃げた相手より逃げられた側の管理能力を
問われることになります。

大事な仕事を一任するのではなく、
出来る限り自身の管理下に置くことが望ましいのです。

これらは対ケニア人個人のお話でしたが、
企業の中には組織で現地人材の有効活用に
取り組む企業もあります。

その一つの手法が、現地スタッフを多部族で構成することです。
部族間で健全な競争意識を芽生えさせることが企業成長にも
つながるという考えからです。

首都ナイロビはまるで多民族国家の様に
各地から様々な部族が集まりますので、
部族意識が高く同族同士のつながりも強いです。
生活や仕事面での助け合いや、現地企業の中にはトップと
同じ部族から候補者を採用する傾向もまだあります。

同族で固めればチームワークが生まれそうですが、
反面、馴れ合いや結託(共犯)する可能性も高くなります。

現地スタッフは多部族になるように採用し、
部族ごとで小チームを作り互いがリスクを軽減することもも
一つの方策と言えます。

「郷に入れば郷に従え」の言葉があるように、
ケニアで働くことはそれまでの「当たり前」が通用しない
ことを受け入れ、柔軟に対応していくことが大事だと思います。

次回は、フードデリバリーについてお届けします。

2016/2/29 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニア人との仕事で意識したいこと

こんにちは。

今回のテーマでは、ケニア人との仕事で意識したいことを
お届けします。

ケニアに進出する多くの外国企業や日系企業が現地スタッフを
雇用しています。

文化も考え方も何もかもが異なる中で、実際にその違いを
理解し受け入れ、貴重な労働力として現地スタッフをマネジメント
することは容易ではありません。

しかしながら、現地スタッフの有効活用こそ、ケニアで事業を
成功させるための最も重要な要素だとも言えるでしょう。

今回、ケニア人と仕事をしている現地日本人の方々とも
意見交換をしてみました。それらも踏まえながら現地スタッフと
仕事をするにあたり意識しておきたいことをいくつか
考えてみたいと思います。

まず感じているのが「ケニア人のプライドの高さ」です。

特に日系を含め外資系企業か現地大手企業に勤めるスタッフは
その傾向が強いように感じます。
彼・彼女らの多くはケニアの有名大学を卒業しているか、
海外留学の経験をもつ人がほとんどです。

自身の経歴を誇りにし自信を持っている人達も多く、
そのため現地スタッフにアドバイスをする際は特に人前で
しないように気をつけることが大切です。

何故かというと、人前での注意は全くの逆効果になるからです。
たとえ単純なことでも、また相手に良かれと思ったアドバイス
であっても、それが原因で時にはパフォーマンスが急に
下がることや、全く仕事をしなくなる場合もあります。

中には他のスタッフへ責任転換したり、突然会社を去ったりする
ケースもあります。

対策としては、まず人前では決してアドバイスを与えないことです。
一方的な注意ではなく、あくまで彼・彼女らに可能性があり
どれだけ期待をしているのかを伝えること。

あたりまえかもしれませんが、まさに叱るよりも褒めてやる気を
出させることが大事なようです。

次に、時間に対しての意識も日本人と全く違うことです。
ケニアでは時間通りに予定が進むことはとても珍しく、
集合時間に集まらないことや
予定時間に始まらないことが多々あります。

加えて時間までに仕事を終わらせる意識が日本人よりもはるかに
低いこともあげられます。
仕事を終わらせるために残業をするモチベーションも
高くはないため、これはケニア人と一緒に仕事を始めるときに
苦労する点だとも言えます。

対応方法としては、特に締め切りがある仕事については
口酸っぱく言って意識させるのは当然として、
計画は時間に余裕をもたせて組むことが重要です。

また複数の仮定を想定することや、
高い期待値を最初から設けないこともポイントです。

余談ですが、ケニアに20年以上も住むイギリス人の友人から、
時間に対するケニア人のある考え方を教えてもらいました。

それは
「We have all the time in the world. (時間ならいくらでもある)」
というものです。

彼女がケニアに来る前までは、1日がまさに
「Time is Money.(時は金なり)」だと、
いつも時間に追われて忙しく過ごしていたそうです。

がしかし、ケニアに移り住んでから時間への考え方が
大きく変ったそうです。

まさに日本人も時間に対する意識は
この「Time is money.」に近いのかもしれません。

次回は、仕事に対する意識の違いや、日系企業の取り組みに
ついてお届けします。

2016/2/10 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:なぜ電子マネーM-PESAが成功したか

こんにちは。

今回は、前回ご紹介したケニアの電子マネーM-PESAに
ついて後編をお届けします。

このケニア版電子マネーは、
携帯電話のSMS機能を使うことで、決済、送金、出金、
マイクロファイナンスなど様々な使途で使われていることを
お届けしました。

当初は、トライアルで貧困者向けの融資サービスを目的として
始まったM-PESAですが、後編はなぜケニアで成功したのか、
その理由と今後のビジネスチャンスについて現地にいる視点
から考えてみたいと思います。

M-PESAがケニアで成功した主な理由は、
ケニアで広く普及している携帯電話に着目したことや
競合相手となる銀行に対してM-PESAがケニアの
大多数である低所得者・貧困層のニーズに合致していたことです。

では、何故各銀行と比べていかに大衆のニーズを掴んだのか、
3つの成功理由を挙げてみたいと思います。

第一に、銀行よりも簡単に登録できる敷居の低さです。
銀行の口座開設のように面倒な手続きや審査はなく、
口座維持費など利用するサービス以外の手数料も発生しません。

一方、M-PESA手数料は取扱いの金額によって変動する
システムで、少額を日常的に取引したい低所得者・貧困層の
ニーズを捉えた便利なサービスと言えます。

第二に、ケニア人大衆の用途にマッチしていることも挙げられます。
前編でも触れましたが、ケニアでは都市部への出稼ぎ者が
非常に多く、仕送りのたびに帰省することは現実的ではありません。

また大金を持ち帰ることも、強盗やバスジャックが頻発するケニア
では非常に危険で、犯罪を誘発することにもなりかねません。
日常でも街中ではスリや強盗は頻繁するため、お金を携帯するより
安全かつ安心です。

最後に、M-PESA取扱店数の多さです。
実際のところ、取扱店数はSafaricomやVodafoneで管理・把握は
してはいないものの、路面店、スラム、農村部の至る所に
存在します。
農村部に住む家族は、送金された仕送りをすぐ近くの取扱店で
出金することが可能です。

現在、世界中にいるモバイルマネー利用者は約6,000万人と
言われていますが、そのうち3人に1人がケニア人とも言われ、
彼らがいかにM-PESAを利用しているかがわかります。

急速に普及したM-PESAですが、
今後このネットワークを使い以下のようなビジネス展開が
期待されています。

・公共料金やインターネットの支払い
・行政への各種登録と納税
・高度なサービス(医療など)が享受できない貧困層への情報提供サービスへの支払い
・顧客情報の管理

また、ケニアで普及しているM-PESAと日本で普及しつつある
LINE Payの相互連携なども期待できるかと思います。

便利なサービスである一方、詐欺や誤送金などへの
トラブル対策が個人に依存することも事実です。

実際に私も経験がありますが、SMSで入金の連絡が入り突然
そのSMSの番号から電話かもしくはメッセージが送られ、
間違って送金したから返金してくれとの連絡が入るのです。

誤送金をしてもキャンセル機能はないことを逆手に取った詐欺と
言えます。また、仮に他人に誤送金(日本の銀行のように送金先
情報が確認できるシステムはありません)しても返金されることは
ゼロに等しいので、現状個々人で注意するしか術がありません。

発展途上国にして携帯電話の普及と共に広がったケニアの
電子マネーM-PESA、今後のビジネスチャンスは計り知れません。

次回は、意識しておきたいケニアのビジネスマナーについて
お届けしたいと思います。

2016/1/29 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニアの電子マネーM-PESAって?

こんにちは。
日本はお正月気分も終わり日常のペースに戻った頃でしょうか。

今回はケニアの第二の通貨とも言われている電子マネー(前編)
についてお便りをしたいと思います。

まず電子マネーについて、日本とケニアでは少し定義が違います。

日本の電子マネーとは
電子決済サービスを意味し、
現金の代わりにあらかじめチャージされている
もしくはクレジットカード機能をもつ、
カードやスマートフォンなどで支払いが出来る電子通貨をさします。

ケニアでは電子マネーを「M-PESA」と呼んでいます。
Mは携帯の「Mobile」
PESAはスワヒリ語で「Money」
を意味するそうです。

M-PESAとは
携帯電話による決済サービス、
または送金、出金、預金、マイクロファイナンス
(主に貧困者向けの小口金融または小規模金融)を
提供するサービスをさします。

2007年に学生によりソフトウェアが開発された後、
世界大手携帯電話会社Vodafoneによりケニアでサービスが
開始されました。

現在は傘下であるケニア国内大手携帯電話会社
SafaricomとVodafoneで利用することが出来きます。

とりわけ、ケニアとタンザニアで広く普及し、
現在ではアフガニスタン、南アフリカ、インドでも展開。

2014年には東ヨーロッパでもサービスが開始されています。

私たちに馴染みのないこの電子マネーの仕組みは以下の通りです。

まずM-PESAの取扱店で携帯電話の無料登録を行います
(SIMが旧式であれば有料)。

登録の際は審査等もなく、携帯電話(SIMカード付)と身分証明書
などの簡単な書類で完了します。

登録後は、取扱店でお金をデポジットとして預けるだけで、
携帯電話のSMSを使って各種サービスを利用することが出来ます。

お金の管理は銀行と同じくPINナンバーで行いますが、
銀行口座のような維持管理費はなく、
取引額による変動手数料が発生します。

それゆえ、少額の取引であれば銀行と比べて安価と言われており、
ケニアでは多種多様な用途で広く普及しています。

当初の具体例として、都市部では所謂「出稼ぎ者」が多く、
稼いだお金を故郷に住む家族への送金手段として、

一方農村部ではその送られてきたお金の出金や
マイクロファイナンスの享受方法として用いられていました。

現在は決済にも多く使われ、
特に都市部では公共料金の支払い、
スーパーマーケットやショップでの買い物、
病院、ドラックストア、ガソリンスタンド、レストラン、花屋、路面店
での買い物、
オンラインショッピングなどあらゆる生活の場面でM-PESAが
利用されています。

余談ですが、当初M-PESAのサービスはマイクロファイナンスの
トライアルとして、銀行口座を持てない貧困者へ融資サービスを
提供し彼らの社会復帰を促す目的で始められたと言われています。

ちなみに上記の仕組みについて、日本ではLINE Payが類似した
サービスを開始していると聞いています。

それゆえ、LINE Payの普及について、M-PESAがケーススタディー
として使われることもあるそうです。

先進国でしか通用しないと思われる電子マネーのM-PESAが
なぜ発展途上国においてこれほど発達したのか、
後編にてその理由と
今後のビジネスチャンスについても考えてみたいと思います。

2016/1/18 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニア生活での安全意識・後編

前回はケニア生活での安全意識をテーマに、
過去に発生したテロ事件や紛争を踏まえてお伝えしました。

今回はその後編として、私たちが日常どのような安全対策を
おこなっているかについてお届けします。

実際に私たちが取っている対策を幾つかご紹介しますと
・例えば週末はあまり家族で外出をしない
・長時間の外出や同じ場所で長居をしない
・混雑時の外出は避ける
・西洋人が多く集まるところには出向かない
・建物に入ったら必ず非常口を確認する
ことなど。

これらはテロや事件に巻き込まれる確率を
最小限に防ぐためのものとして、
在ケニア日本国大使館より通達があった内容の一部抜粋です。

またそれ以外にも、当たり前のことではありますが、
荷物を置きっぱなしにしないことも大切で、
これは安全な国にいた日本人は特に忘れがちで
最近多くの被害が報告されています。

以前にもお話ししましたが、
・外には出歩かない
・金品を外で出さない
・車の窓は走行中でも開けない
のは銃を持った強盗やひったくり、
女性の場合なら強姦から身を守るためです。

市内の外を見渡せばとても活気に満ち溢れていますが、
外を歩いているのはケニア人ばかりで、
外国人の歩く姿はほとんど見かけません。

外国人の移動手段は彼らの脚ではなく車なのです。

そして、車の運転にも気をつけなければいけません。

ご自身で運転する人もいますが、
ケニアでは安全面を考慮して、外国人の多くはドライバーを
雇っているのが通常です。

ケニアの道路事情は日本とは比べものにならない程粗末で
危険だからと言うのが主な理由です。

信号機はナイロビ都市中心の数台しかありません。
ラウンドアバウト*が設けられているからなのですが、
特に混雑する都市ではランドアバウトも全く機能しません。

(*ランウドアバウトとは信号機のない環状交差点。
日本でも一部の都道府県で運用が始まっている)

一部の道路では警官の手旗信号で整理しているものの
ほとんどの道路では縦横に車が行き交っています。

歩行者用信号機も一部ナイロビ市内に設置されていますが、
歩行者からも運転手からも殆どが守られていないのが現状であり、
いつ人が道路に飛び込んでくるか分かりません。

しっかりと舗装されている道路はケニアでは少ないので、
車線ラインが消えて危険な割り込みをする車や、
一車線であっても歩道に乗り上げて割り込みをする車も
ごく日常で目の当たりにします。

交通事故は日常茶飯事で、一度事故が起これば大渋滞になり
30分の道のりが3時間にもなるのがケニアです。

交通事故を起こした場合、
ケニアでも車両保険は必須ですが、
お金がおりることは非常に稀で、
更に警察に通報すると金額も多額になると言われているので、
殆どの場合は当事者同士の話し合いで解決するそうです。

ケニアは右ハンドルなので、
日本人にとっては運転しやすいのですが、
その道は非常に険しいものです。

日本を離れると日本が本当に整備された
安全な国だと実感します。

ケニアに生活している以上、
一歩も外出しないわけにはいかないのですが、
安全な日本を誇りに思いつつ、
ひとたび日本を出れば外国で住むための
適度な警戒心を持って生活をしています。

次回は、ケニアの通貨についてお届けしたいと思います。

参考までに:
ケニアショッピングモール襲撃事件
ガリッサ大学襲撃事件
ケニア危機_(2007年-2008年)

2015/12/15 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニア生活での安全意識・前編

こんにちは。

ナイロビでは、今月末にバチカン市からローマ法王(Popeポープ)が
訪問するとあって、新聞でも大きくその警備体制や街の厳戒態勢に
ついて取り上げられています。

ケニアでは防犯設備や取り締まりの体制がしっかりしているとは
言い切れません。

そのため世界中からVIPが訪問する際は、その国のセキュリティーと
世界でトップレベルのセキュリティー組織と連携をして警備・護衛に
あたります。

先日の米オバマ大統領がケニア訪問の際は、
主要道路のほとんどが丸二日間閉鎖したため、
一部交通麻痺や帰宅できない人もいたそうです。

また、日常生活では危険地域に行かない限り、身の危険を感じるような
経験はありませんが、決して安全とは言い切れないのが現状です。
日中でも外を出歩くことは出来ませんし、夜の外出にも制限があります。

今回は日本とは違う、ケニア生活での安全意識(前編)について
お届けします。

日本を離れてみてよく思うのが、
日本より安全な国はないと実感することです。

私自身、ケニアに経つ際には、沢山の方々にケニアの安全面に
ついて懸念の声を頂きました。
実際に、地理的にみてもケニアはエチオピア・ウガンダ・南スーダン・
タンザニア・ソマリアに隣接しています。
ソマリアにはイスラム系過激派組織/アル・シャバブの活動拠点があり
同組織は日々ケニアへテロ攻撃を狙っています。

それ故に、ケニアは世界政治から見ても安全な国とは言えません。

事実、テロはケニアで度々勃発しており
直近では2013年に発生したナイロビ市内のショッピングモール
襲撃事件で68人が死亡し200人が負傷。

2015年にはナイロビ都市郊外ケニア東北地区のガリッサ大学が
襲撃され147人が死亡、79人が負傷しました。
いずれも日本でも報道されています。

またケニアでは、学生運動やケニアの選挙時にも注意が必要です。
特に選挙時には党派伐だけではなく民族・土地問題ともからむことから、
大きく暴動が起こる危険もあります。

2007-2008年に起きた政治危機とも言われるケニア危機では、
1,000人を超える死者を出し、建国以来最大の国内紛争にまで
発展しました。

これら過去に起こった事件から、
現在は警備体制も以前より大きく改善され、多くのビジネスオフィス、
スパーマーケットやショッピングモールでは警備員を増員しました。

車内のセキュリーチェックや、エントランスでは金属探知機による
ボディチェックと荷物検査が行われています。

それでも未だにテロ犯罪組織による爆発未遂事件や爆発物が
ショッピングモールで発見されるなど、度々事件は発生しています。

ケニアに住む在留邦人者達へは在ケニア日本国大使館からSMSが
発信されるため、事件を把握することが出来ます。

しかし、ナイロビでは頻繁に事件が起こっているせいか、
テロに関わる事件以外にも、複数の死者が出る大惨事にならない限り
新聞やニュース等には全く取り上げられていません。

いつ何度、何が起こるかわからないため、
安全面においては各自で注意し、行動する意識が求められています。

私たちが日常どのような安全対策を各自でおこなっているか、
ぜひ後編でお届けしたいと思います。

2015/11/27 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:ケニア人女性が持つ髪のこだわり

こんにちは。

こちらは暖かい日が続き、街中には今まで羽織っていた
ジャケットを腕にかけて歩く人が目立ってきました。

その中にはビジネススーツを身にまとい颯爽と歩く
女性の姿も少なくありません。

ケニアでは女性の就職率が高く、
労働力率は世界第48位(189カ国中)です。

ちなみに、これはケニア人男性の労働力率世界第109位を
はるかに上回る数字です。

ただその労働力率の大半が低賃金取得者
(日雇労働者、メイド、ナニーなど)であり、
民間企業や政府機関で働く女性の数は男性の数よりも
少ないのが現状で、民間企業のトップ層や政治家は圧倒的に
男性が占めています。

近年では、ケニア政府が国の経済成長と国際化を進めていることもあり、
ようやく女性の社会進出も増え、民間企業に就職する女性の数や
そのトップ層に就く女性の数も徐々に増加しています。

女性がどれほど活躍しているのか、
具体的な数字は公的組織等で発表はされてはいませんが、
政府機関などでも女性の平等、雇用、権限を向上する
組織、団体、基金も誕生し、今年の3月には
The Women in Parliaments Global Forumにてケニアが
An International Award for Promoting the Political
Advancement of Womenを獲得しました。

多くの女性が活躍することにより今注目されているのが、
女性との共働です。

それまで男社会で働いてきた男性社員にとって、
女性と共に働くことに少し違和感をもつ人も少なくないそうです。
男性同士のいわゆるコミュニケーションの取り方だけではなく、
女性と共に働くためにも、女性へのマナーも身につけることが
これからのケニアの多様な発展に必要だと感じます。

今回、その女性へのマナーの中でも特に興味深かったビジネスマナー、
女性の髪型に関わるマナーについてお届けしたいと思います。

そもそもケニア人の髪質は男女問わず剛毛そして縮毛です。
その為、地毛を伸ばしたりパーマをかけたりなど、
地毛をアレンジすることがなかなか難しいため、
地毛を編み込むかウィッグやエクステンションなどを使って女性は
オシャレを楽しんでいます。

また、ウィッグやエクステンションはスーパーなどで
気軽に購入ができバラエティーも豊富ですが、
ほとんどはストレートやパーマが掛かっているものが主流です。

ケニア人女性にとってサラサラのストレートヘアは憧れで、
日本人の髪質はとても羨ましがられます。
それだけ、ケニア人女性は髪に対するこだわりがとても強いです。

余談ですが、髪型によってその人のステータスや裕福さが
分かるともいわれています。

1番のステータスは縮毛で切れやすい地毛をストレートに
伸ばすことですが、維持費も含め一番お金が掛かります。

米オバマ大統領のファーストレディーであるミッチェル夫人の
髪型はまさに地毛をストレートにしたもので、
彼女達の髪型には日本人がファンションで飾るのとは
違う意味を持っています。

先週出席したとある会社のパーティーには、
様々な企業で働くケニア人女性も沢山出席していました。

彼女達の髪型は日本であればどれもビジネスアタイア
には不適格になるような、ドレッドヘア、エクステンション、
そしてウィッグなどバラエティー豊かです。

私たちが仕事に出かける際に服装やメイクを気にするように、
ケニア人女性は特に髪型こだわるようで、
彼女達の何気ない話を聞いていると、
髪型について褒め合う会話も聞こえたりします。

また、ビジネスミーティングでもアイスブレークとして女性への
身だしなみを褒めることも一つの適切なマナーとされています。

例えば、そのパーティーに出席していた得意先の女性が
新しいウィッグをつけているのを見た男性社員が、
「新しい髪型とても似合っています。」といったり

同僚が新しい髪型にした際は
「あなたの髪型おしゃれね」と言ったりすることも
ケニア人女性への一つの挨拶のようです。

これは普段の女性同士だけではなく、
普段男性が女性に対して言う言葉でもあるようです。

「元気?」と挨拶を交わすのと同じで、とてもカジュアルに言うそうです。

いかがでしたでしょうか。
日本人の私達には馴染みにくいお話ですが、
もしビジネスパートナーやお知り合いに
ケニア人のような同じ髪質を持っている方がいらっしゃれば一度、
彼女の髪型を褒めてみてはいかがでしょうか。

次回はケニアでの日々の安全意識についてお届けしたいと思います。

2015/11/6 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:民族を守る者と夢を追う者・後編

こんにちは。

今回は、前回お便りしたケニアの民族とスラムについての
後編をお送りいたします。

前編では、民族についてお届け致しました。
ケニアの民族数や彼らが話す民族語の数、
また民族ごとに住む地域がありその中に村が存在すること。

それぞれの村で文化と生活様式が異なり
お互いが助け合って主生業で生活をしていること。

またそんな彼らの生活がケニアの発展とともに少しずつ変化し、
主生業とは全く違う職種に就く者や、村でも普及している携帯電話を
使って商売を営む特に若者達がいること。

そしてこの携帯電話の普及をビジネスチャンスと捉え、
企業・団体なども各地域で活動していることに
ついてお届けいたしました。

後編では、それぞれの地域で生活をしていた彼らの多くが、
今度は遠く離れたナイロビ都市へ移動している現状について
お届けしたいと思います。

近年では、特にナイロビの都市化または
気候変動や自然災害の影響により、様々な民族出身の特に若者が、
村を離れナイロビ市内に集まっています。

地方から集まる彼らの中には
ナイロビ周辺に点在するスラムに住んでいる者もいます。

日本ではスラムという言葉はあまり耳慣れず、
ホームレス居住区のイメージですが、
ケニアのスラムは民間企業などで働くケニア人も住んでいて、
貧困・低・中所得者層が集まる居住区です。

ただ、スラムに住むほとんどは貧困・低所所得者層で、
ナイロビで人間の住居可能な土地5%に、
なんと60%(推定100万人)の貧困層が住んでいると言われています。

彼らがナイロビに集まる主な理由は、より多くの対価を得ることです。
民族衣装ではなくスーツを身にまとい、
携帯を片手にケニア人の足となっている
マタツ(バス/ミニバス)に乗り込んで、
毎日それぞれの勤務先へと出勤していきます。

例えば、外国人居住者・現地高所得者が雇っているメ
イドやドライバーなども、殆どはこのスラムから通勤していて、
彼らもそれぞれどこかの民族出身者です。


(仕事を終えて帰路につく人々)

またスラムも1つの村としてお互い助け合いますが、
そこでは商いが成り立っています。

スラムには野菜、肉、中古の日用品や服が売られている露店、
バーや喫茶店があります。

学校や孤児院もあり、スラムにいる人々の助け合いや
ボランティア活動によって成り立ち、日本人・団体もボランティア活動を
されています。

また、外国人向けにスラム観光をするツアー会社もあり、
例えばスラムが出来た理由や貧困問題を考えながら、
スラム内に護衛をつけて巡るものです。

ツアーについては人権侵害などと賛否両論ありますが、
収益の一部がスラムの環境改善に役立たれているものもあります。

現在、スラムが抱える問題は主に失業、衛生、格差で、
失業問題は36%〜40%と深刻です。

多くの人々は仕事先が見つからない状況ですが、
企業や団体の活動により雇用を創出するための様々な
取り組みも行われています。

例えば、スラムのトイレに着目したビジネスモデルです。
スラムではトイレの数が極めて少なくまた非常に不衛生であることから、
有料トイレを設置し、そこに警備員と清掃員を雇い賃金を渡すもの。

または有料のトイレ袋を作り、そこから肥料を作り農家に販売をするなど、
既にいくつかの企業や団体がトイレ事業に取り組んでいます。

まだ全てのビジネスモデルが円滑に行われてはいない様ですが、
雇用問題を解決することも、ケニアの経済発展の力になると思います。

スラム内での格差も深刻で、スラムに住む大半の人達はトタン屋根で
その日暮らしの生活や、1日の生活もままならない貧困・低所得者です。

数%の人達はコンクリート・ブロックの家に住み、
海外留学・大学進学を経て民間や国営企業、国連などの
国際機関、講師や医者として働いている人もいます。

ケニアでは、自然保護と同様、民族文化と価値の尊重と、
近代国家に向けたケニア人全体の生活向上に向け、
特に雇用問題・貧困問題の解決が重要になってくるかと思います。

次回は、女性の社会進出が進むケニアの、
現地女性に対してのビジネスマナーについてお届けしたいと思います。

参考サイト:
ウィキペディア

2015/10/12 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:民族を守る者と夢を追う者・前編

こんにちは。

8月が過ぎ、ケニアはだんだんと暖かくなってきました。

今回のお便りは、ケニアの民族とスラムについて、前編です。
独自の民族文化や主生業をその土地で守るケニア人と、
近代化などの影響を受け都市部に向かうケニア人について
レポートしていきたいと思います。

まず、ケニアに住む民族についてですが、ケニアには推定42の民族が
存在すると言われています。

人口比の多い順から
キクユ族
ルヒャ族
カレンジン族
ルオ族
カンバ族
と続き、この上位5位がケニアの総人口の3分の2を締めて、
上位10位を合わせると、なんとケニアの約9割になります。

ちなみに、有名なマサイ族は10位以下です。

そして、民族それぞれ主とする生活様式があり、民族語もそれぞれ違います。

ケニアには本来、民族ごとに住む地域があり、そこに村が存在します。

ちなみに、ナイロビは、今では様々な民族が入り混じる首都ですが、
本来はマサイ族の土地で
マサイ語で「冷たい水」という意味を持つ土地でした。

その村にはそれぞれ独自の文化と生活様式があり、
村ではお互い助け合いながら生活をして、
多民族とは物々交換で生活を営んでいます。

また彼らの主生業は
農耕民
狩猟採集民
遊牧民
牧畜民
などがあります。

また、民族語は民族数よりも多く、推定60語と言われています。
それゆえ、多民族国家であるケニアは、スワヒリ語が
国語であり公用語でもあります。

余談になりますが
このスワヒリ語は日本人にとってはとても発音しやすく、
ローマ字読みの発音でスワヒリ語を勉強することが出来ます。

また、スワヒリ語を習得した方々がおっしゃるには、
イントネーションが関西に似ているのだそうで、
話される方は発音の上達が早いと言われているそうです。

以前は、各民族はその村の需要を満たすだけの主生業を営み、
ほぼ自給自足の生活でしたが、
近年の民族は主生業で商売を行う人もいれば、
全く違う職業に就いている人もいます。

違う職業の例を挙げると、村近隣の護衛・警備員、
また民族衣装やアクセサリーなどの販売・添乗員・ツアー経営などです。

また、携帯電話が普及しているため、
携帯電話で商売をする特に若者もいます。

そして、この近年の変化をビジネスに取り込もうと、
企業や団体も活発的に動いています。

例えば、普及している携帯電話ですが、
露店などに太陽光発電機を設置してもらい、
携帯電話の充電用電気販売を行う活動。

また、充電用電気を取り扱う場所に人が集まることで、
商いが生まれ、雇用・対価・供給の循環を作る活動など、
これらは日本人/団体も協力しています。

また携帯電話ですが
露店には中国企業がコピー携帯をメーカーとして販売し、
大きく展開しているのも見かけます。

過去の大統領選挙では、民族の間で激しく対立したことも
あったようですが、これからは民族の垣根を越えたコミュニケーションも
さらに重要になるように感じます。

この続きは次回お届けいたしますね。

2015/9/25 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:外国人が見たケニアの暮らし

こんにちは。

皆様いかがお過ごしでしょうか。
日本は酷暑の夏から随分涼しくなったと聞いております。

さて、今回のお便りは私達日本人が住むケニアについて、
ごく一般的な外国人の目で見たケニアの生活環境を
お届けしたいと思います。

ケニアで住み始めた頃を思い出し、特に印象的だった
気候
ライフライン
通信
物流
物価
に分けてお伝えしたいと思います。

まずケニア来て驚いたことは何と言っても気候の良さです。
ケニア(ケニア共和国)は東アフリカに位置し、アフリカ大陸のほぼ真ん中
にある赤道直下です。赤道直下と聞くと過酷な暑さを想像してしまいますが、
実は一年中とても過ごしやすい気候です。

国土の大部分は標高1,100m〜1,800mの高地なので、年間平均気温は
19度と日本の春か秋のような気温です。
そのため、ほとんどの家庭に冷暖房器具はありません。
また、年中乾燥していて洗濯物で悩むこともありません。

ただ、寒暖差はあり、赤道直下で季節はありませんが、
ナイロビはやや南半球側なのため、6月〜8月にかけて寒く感じます。

日本へ本帰国される方が1番恋しがるのは、日本の酷暑や酷寒とは
全く無縁なこのケニアの気候かもしれません。

そして、ケニアで生活を始めて悩まされるのが、
不十分なライフラインと物流です。

まず電気は頻繁に停電し、直ぐに復旧する時もあれば一日中復旧しない
こともあります。

その為、各アパートや家庭でジェネレーター(自家用発電機)を備えて
生活をしています。

また水道水もしばしば断水になるうえ、しっかりと濾過処理が
されていないため、飲料水は別で備えています。

ガスは電気・水道よりも安定していますが、ガスが通っていない
庭も多く、その場合は各家庭でガスボンベを常備しています。

そしてこの停電と断水が発生しても修理スタッフは時間通りには来ない、
または来ないのがケニアです。
対策として、直接オフィスに向かう、または頻繁に催促を取ることが必要です。

物流ですが、ケニアには日本のような住所が存在しません。
区画整備が整っていないため、近くの道路、物件名または付近に
ある建物の名前を住所代わりにしています。

そのため、郵便物はまず届かないと考えたほうが無難です。
会社等への荷物も、もし建物全てが持ち物であれば別ですが、
建物に届いても会社には届かず、そのまま荷物が行方不明に
なることもあり、日系企業の多くはホテルにオフィスを構えています。

そうすることで、荷物もちゃんと部屋番号(オフィス)まで届き、
また安全性も確保出来ます。

一方、ケニアで設備が整っているのが通信です。
ケニアの携帯電話はとても便利で、送金やネットショッピングの
支払いなども出来る、ケニア人の生活必需品アイテムです。

直近データの2013年によれば普及率は74%(1人複数台含む)、
加入者数は3,183万人と言われ、その加入者の90%がプリペイド式で
定額制よりも主流です。

3Gサービスも2008年より開始され、近年ではいわゆるガラケーから
スマートフォンへのシフトが進み、なんと販売されている携帯電話の
67%がスマートフォンで、毎月10万台以上が出荷されています。

ケニアで有名なマサイ民族や辺境地域に住む部族にもスマートフォンの
普及が広がっているようです。

ケニアのインターネットは、スマートフォンの影響を大きく受け、
同データによるとインターネットサービス加入者約133万6,000人のうち
99%がなんとモバイル・インターネット加入といわれ、
その加入率は今後増加傾向にあります。

ちなみに、ケニア人口4,435万人に比べれば、携帯電話・インターネット
をまだ所有出来ないケニア人が数多くいるのも現実で、
今後の普及が期待されています。

そして、ケニアの生活は決して楽なものではありません。

発展途上国なら物価は安く、日本円を持っていけば楽に生活が出来ると
思っていましたが、ケニアの物価は日本とほぼ同じです。
これはあくまでも外国人一般家庭として普通にスーパーマーケットで
食材を購入し、ブランドにこだわらず必要最低限のものを
揃えた場合の話です。

格差社会が大きいケニアでは、生活水準はそれぞれで大きく異なり、
外国人の一般生活水準は必要最低限であっても、ケニアでは
高所得者層に位置します。

これら全てはあくまでも一般外国人の生活環境です。
素晴らしい気候はケニアに住む全ての人に平等ですが、高層ビルの隣に
スラムが隣接し、普段の生活を通じてケニアの一般家庭(底・中所得者)
との必然的な格差社会を目の当たりにします。

次回のお便りはこのスラム部族についてお届けしたいと思います。
彼らの生活環境が向上すれば、ケニアの発展も加速され、
またビジネスチャンスをもたらすかもしれません。

※参考になるHPです。
総務省 世界情報通信事情
外務省 ケニア共和国
IT NEWS AFRICA

2015/9/12 E W Africa, Schema Corporation

Mama Africa! Kenya便り:「日本は近い存在」ケニアの中のJapan

皆様初めまして。

日本から1万キロ以上も離れた、アフリカはここケニアよりお便です。

皆様はケニアというと、どの様なイメージをお持ちでしょうか?
私が日本を離れた時、周りからは
「サファリに住むの?」、
「ちゃんと生活出来るの?(ライフラインがあるのかということ)」
などと聞かれました。

もしかしたら皆様が思い浮かぶケニアのイメージも、
広大なサファリに沢山の野生動物なのかもしれません。

私もそのようなイメージを持ってケニアの地に足を入れましたが、
真っ先に向かったナイロビ国立公園で高層ビルを遠目に見ながら
野生動物が優雅に佇んでいる光景をみた時は、
それまで持っていたケニアのイメージを覆された瞬間でした。

このサファリにいながら高層ビルが見える光景は、
今でも不思議な気持ちになりますが、自然と経済発展を共存
させようとしている、ケニアの将来を見ているような気がします。

近年、ケニアは目覚ましい経済発展をしています。

ケニア政府は国を挙げて’東アフリカ地域のゲートウェイ’としての
役割を果たそうと、諸外国企業の誘致に取り組んでいる様です。
日本から遠くあまり知られていない国ですが、日本の経済発展に
ケニアが近い存在になる可能性は大いにあります。

そのまだあまり知られていないケニアについて、
ビジネスのこと、日常生活のことなど、
日本にいると考えもしないようなお話を、
定期的に皆様にお届けしたいと思います。

また、ケニアに関わるお仕事をされていらっしゃる方も、そうでない方も、
この便りを通じて少しでもケニアを身近に感じて貰えたら嬉しいです。

初回は、ケニアの中の日本・日本人についてお伝えしたいと思います。
日本からみれば、ケニアはとても遠い国ですが、
ここケニアからは日本が近い存在の様に感じます。

在ケニア日本国大使館の情報によれば、ケニアの在留邦人数は
約700人と言われています。
これは諸外国の在留邦人数に比べればかなり少数派で、
外務省の調査による直近データ(2013年度)の在留邦人数では、
最も多いアメリカ(約412,600人)の約589分の1です。

しかしその数には劣らず、皆さんそれぞれの活動を通してケニアで
活躍されています。

皆さんが頭に浮かぶ、ケニアにいる日本人と言えば、
国際協力・ボランティアに関わる人達でしょうか。

今年日本では、ケニアで活動をする日本人医師をテーマにした邦画が
上映されたと聞いていますが、医療だけではなく、金融・社会・保健衛生・
農業・教育・平和・文化・自然環境など多種多様な分野で
国際協力・ボランティア活動に携わっている日本人がいらっしゃいます。

またODA(政府開発援助)の調査によると、
戦後の援助実施体制が整った1960年代後半から日本によるケニアへの
援助が開始されその歴史は古く、また直近データの2013年度に行われた
日本のODA供与相手国でケニアが第7位(270.34百万ドル)。

諸外国の対ケニア経済協力実績では直近データの2011年に
日本が第5位(79.74百万ドル)で、これは上位5カ国のうち、
唯一日本がアジア諸国で 入っています。

また、国際協力・ボランティア活動だけではなく、それぞれの利益活動を
通してケニアに貢献している日本人も多くいます。

電気、水、道路などのインフラ建設・エネルギー・自動車・食品・日用品
などの分野に携わる日系企業が挙げられます。

例えば、ケニアの道路は亀裂が多く舗装がしっかりしていない
ガタガタ道がとても目立ちますが、日本企業が手がけた道路はしっかり
舗装がされて非常に走りやすい道路です。

ちなみに日本政府の援助で作られたため、ラウンドアバウト(環状交差点)
の真ん中にはケニアと日本の国旗をあしらった石像が建てられています。

そして、ケニアで走る自動車のほとんどは日本車です。
その多くは日本からの中古車ですが、質が非常に良く故障も少なく、
また日本車のメンテナンスもしっかり整っている為、中古車の中には、
日本の新車に近い値段で売られている中古車もあります。

その在留邦人数が少人数なこともあり、日本人同士の繋がりは強く
日本人会と呼ばれるコミュニティーが形成されています。

その活動はとても活発的で、例えばバザー、お祭り、運動会は
毎年行われている日本人会の大きな行事で、
またクラブ活動は毎週どこかで行われ、年齢や業界などの垣根を越えて
多くの皆さんが参加されています。

ケニアでは安全上、簡単に表を歩ける環境ではないため、このような
機会を通じて皆さん交流を図っています。
そして、それらの活動を発展させて、ケニア人と日本人との文化交流も
積極的に行われています。

先日は、日本の踊りが披露され、ケニアの新聞紙でも取り上げられました。
各種新聞紙では日本についてもよく取り上げられ、最近では終戦記念日での
安倍首相の演説が新聞一面で大きく取り上げられていました。

この古くからケニアに根付いた日本とケニアの関係からか、
親日家な方をよく見かけます。
例えば、私が日本人だと答えると、特に年配の方々や教育関係に
携わるケニア人達からは日本をとても高く評価してくれます。

また著名人では、ボクサー選手の故ピーター・オルワ氏やマラソン選手の
キャサリン・ヌデバラ氏は非常に親日家です。

私の場合はいうと恵まれた機会が重なった結果でここにいるのですが、
ケニアにはアンビションを持った沢山の日本人が日本とケニアの将来の
発展に向けてその距離を縮めています。

私も皆様にお便りを通して縮めていけたらと思います。

次回は、ケニアに住む日本人はどんなところで住んでいるのか、
ケニアの国についてお便り致します。

※ケニアについて以下のHPが参考になります。
外務省HP
在ケニア日本国大使館HP

2015/8/28 E W Africa, Schema Corporation