非営利団体の活動資金フランスはこんな風に集める!
自分の所属している趣味のサークル、職場、子供達の学校などでお金を集める場面が出てきた場合どうするでしょうか。フランスでは、例えば職場の誰かへのお祝いを皆で集めるという時、金額は各自の判断で決めると事がとても多いです。あくまでも強制ではなく、各自の意思で参加することを尊重しているように感じます。
また、より多くの金額を集める場合などは、ネットから参加できるクラウドファンディングも浸透してきています。しかし、ネット環境に馴染みのないシニア世代も未だに多いのが現状です。
今回は学校やスポーツクラブなどの非営利団体の資金集めについてレポートします。
学校や非営利団体で生じる活動資金の主な使い道は、修学旅行や社会科見学そして道具などの買い替えです。父兄や会員からお金を徴収する前にまず行われるのが外からの資金集めです。各地域の自治体に資金サポートを申請と同時に、色々なイベントを企画します。
一般的なのは物品販売です。不用品を売るバザー、手作りお菓子の販売、福引を作り参加してもらうなどです。これらのものは、事前準備として材料や景品を買うなど先行投資が必要になります。加えて、イベントを運営するスタッフの手配やスケジュール調整などもなかなか大変な面もあります。
そんな中ここ数年で人気を集めているのがカタログ販売です。例えば学校で修学旅行の計画が持ち上がります。通信販売をしているチョコレート販売会社からカタログが配られます。オーガニックのチョコレート、ギフトセットやビスケットなど色々な商品が選べるようになっています。
カタログには正規の販売価格の横に、10パーセント割引された価格が記されており注文する側はこの割引価格で買い物ができる様になっています。なおかつ契約したPTAやスポーツクラブは、売り上げの25%を受け取れます。
フランス人はチョコレートが大好きな国民です。親戚などにこのカタログをみせて、旅行の計画を話すと殆どの人が心よく注文に応じてくれます。寄付などには積極的にしてくれるフランス人なので、子供達の見聞を広めるとなれば喜んで参加してくれます。
フランスでもペーパーレス化が進んでおり綺麗なカタログを手にする機会が減ってきています。特にシニア世代には、カタログをみて注文できるという手法は馴染みがあり、支援をお願いしやすいと言えましょう。
実際、各家庭5件程度の注文を取り付けてきます。クリスマス前の時期ですと自分用と贈り物用にと買うこともあり一件5000円以上の注文が簡単とれてしまいます。送料込なのも手軽です。
昨今の社会情勢から父兄や生徒が集まって何かを販売することが難しいことから、カタログ通販会社とタイアップしたこのような方法であればリスクや負担を軽減しながら資金集めができます。また、販売数が多ければ各自の自己負担金が減るという事もあり、提案する側の士気も高まります。
商材はチョコレートの他にもスペイン産のオリーブオイル、農家直売のチーズなど食べ物が多いのですが、春には家庭菜園の苗、クリスマスにはもみの木などもあります。
しかし何と言ってもチョコレートが一番人気のようです。通販会社は個人客と団体購入と客層を広げるシステムをしっかり構築しており、なおかつ金銭的余裕のあるシニア世代に買ってもらえる様なカタログの作成などの工夫が支持されている理由なのかもしれません。
2021/11/24