原油相場下落で逆石油ショックの再来が危惧されています。貿易取引にとって逆石油ショックがプラスなのかマイナスなのか行き先は不透明感がただよいます。|逆石油ショックは貿易取引にプラスかマイナスか?

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逆石油ショックは貿易取引にプラスかマイナスか?



原油安がすすんでいる。
3か月前1バレル$100台だった原油価格があっという間に半額に近づいている。

原油相場の下落は世界経済にとってプラスのはずだが、
ロシア・ルーブル安
株価の乱高下
に連鎖し「逆石油ショック」の再来すら危惧されはじめている。

■オイルショックと貿易取引の因果関係
最近はほとんど聞かれなくなったOPEC。
1970年代に一気に急騰した原油価格は世界経済が大混乱をきたしました。
その時の主役がOPEC石油機構。現在の中近東の繁栄を築いた石油産油国機構のことです。

1970年代に2度も起きたいわゆる「オイルショック」。
ガソリン代の高騰はトラック運賃や国際輸送運賃を跳ね上げました。
石油化学分野だけに限らず、すべての製造業における製造コストも高騰し、買いダメに走る消費者の姿が見られるなど狂乱物価といわれた時代でした。

このオイルショック当時、貿易取引も原油相場に大きく左右されました。
・航空輸送も海上輸送も一方的な運賃値上げが日常化
・貨物の需要が増えれば運賃の安い貨物は積んでくれない
・輸送効率の悪い路線への配船はなくなる

国際運賃相場はたえず「需給バランス」で変動していますが、儲け優先主義を象徴するかのありさまでした。

■貿易取引に与える影響
リーマンショック後、右肩上がりと高止まりを維持してきた原油価格がここへきて急落。いわゆる「逆石油ショック」の影響を臭わせるような現象が起きはじめているようです。

貿易取引においてはいままでとは違う環境変化がおきるのでしょうか?

貨物を国際輸送する場合、燃料割増料が課金されています。
・航空貨物の場合、燃油割増料=Fuel Adjustment Factor
・海上輸送の場合、燃油割増料=Bunker Adjustment Factor

航空燃料と船舶燃料で英語表記が異なりますが、両方とも、燃油割増料のことです。

国際運賃は原油相場を基に毎月割増料の見直しが行われています。

たとえば国際宅配A社の場合
今年の10月までは原油相場1バレル$100台を反映して、20%程度の割増料が荷主様に請求されていました。11月からの急落で来年1月の
割増料は16.5%に下がります。

海外旅行ですっかり定着した「燃油サーチャージ」
航空運賃以外に必ず徴収される割増料、なかなか複雑で言われるがまま払わざるを得ない現状ですが、パッセンジャー用の「燃油サーチャージ」もほぼ半額になりつつあります。

原油安の影響が着実に現れ、燃油割増料が下がる傾向にあることは歓迎すべきことです。

国際運賃の設定では、航空輸送も海上輸送も共に基本運賃に割増料が加算されます。
割増料には、原油価格や為替の変動など予測不能な要因が含まれています。
基本運賃を極力据え置き、割増料という名目で全体の運賃を調整しているわけです。

逆石油ショックが火種となって基本運賃そのものの値上げにつながらないことを願っています。

用語:FAF (Fuel Adjustment Factor)またはFSC (Fuel Surcharge)
用語:BAF (Bunker Adjustment Factor)

2014/12/24

ますます厳しくなる航空貨物のセキュリティ検査

7月1日からEUに到着する航空貨物のセキュリティ検査が強化されています。

■発地国の保安レベルで検査基準が決められている
発地国の保安レベルによってセキュリティ検査の基準が決められているとのことです。

・グリーン:セキュリティ検査の適用除外となる国
・ホワイト:EU認定の監査人による監査が必要となる国
・レッド :EUが認めた3種類のセキュリティ検査のうち2種類のセキュリティ検査が必要となる国

幸いにも日本は「グリーン」(セキュリティ検査の適用除外)に指定されています。
日本発EU向けの貨物はこのセキュリティ検査が行われないということです。

いままでのセキュリティ検査とは?
いままでは国際物流に携わるメーカー、輸出入者、通関業者、運送業者、倉庫業者の安全度のランク付けがされていました。
一定要件を満たせばあらかじめセキュリティ検査の簡素化を認定する制度です。

発地国の保安レベルはどのようにランク付けされているのでしょうか。
判断基準がいま一つ理解しがたいところです。

日本発EU向けの貨物は対象外ですが、日本発でも経由便を利用した場合は違うようです。
経由地の保安レベルによりランクが変わることもあるとのこと。
コストの高いダイレクト便を利用するかどうか思案のしどころですね。

2014/08/07

危険品貨物のリチウム金属電池が航空輸送できなくなる!

危険品貨物のリチウム金属電池(Lithium Metal Batteries)の旅客機への搭載禁止が正式に決議されたと報道されています。

2015 年 1 月 1 日からの実施予定:
・Class9のUN3090(リチウム金属電池)単体の場合、旅客機への搭載禁止
・機器に同梱されたリチウム金属電池(UN3091)は対象外

■危険品貨物とは?
引火性貨物、可燃性貨物、放射性貨物などは、危険品貨物となります。
国連および国際原子力機関が定めた航空輸送細則に準じた航空法(国土交通省令)の条件を満たした場合に限り航空貨物として輸送することができます。

■危険品貨物を輸送するには・・・
輸送中の安全を確保するため、危険品申告書の提出を求められます。
輸送する商品の危険度に準じて梱包容器やラベルなどの輸送手段が取り決められており、運送会社の事前認可を得ることが必須となります。

2014/05/19

欧州発航空貨物のセキュリティー検査強化 

欧州発の航空貨物の搭載前の爆発物検査などのセキュリティー検査が義務付けられます。
2010年から施行されている新保安法が今月 4 月 29 日から完全施行となるためです。

事前登録されていない不特定荷主からの貨物については、70%以上の貨物がセキュリティー検査(24時間前申告、X線検査、梱包を開けての貨物検査)の対象になると予想されております。
貨物の到着遅れやセキュリティー検査費用など追加経費も懸念されます。

欧州からの輸入貨物は、早めの出荷手配が必要となるだけでなく、「特定フォワーダーを利用できるか?」「特定荷主の事前登録はしているか?」などを検討しておくことが大事になるでしょう。

関連コラム:
航空貨物のセキュリティー強化 2005/12/5

2013/04/01

世界の航空貨物予測-日本は横ばい? 

世界の航空貨物予測 World Air Cargo Forecast (WACF) についてご紹介します。
米・ボーイング社が昨年10月の国際航空貨物フォーラムで発表した予測によると、今後の国際貿易はアジアを中心に活発化すると見込んでいます。

世界平均で年5%強もの成長が2031年までの20年間続くと試算しています。
なかでも中国・アジア発欧米・中東向け取引は、7-8%の高い成長率が見込まれています。

一方、日本発の航空貨物については、残念ながら低調な荷動きの数値が発表されています。
2012年の日本発貨物量は91万トン台と2009年以来3年ぶりに100万トンを割り込んだと報じられています。この影響もあり、日系フォワーダー各社へのアンケート調査によると、2013年はよくて横ばいとの予測となっています。

日本発も早くにプラスに転じることを願っています。

2013/01/21

税関申告が許可される時間は 

船や飛行機が空港や港に到着してから、税関申告が許可になるまでどのくらいの時間がかかるかご存知ですか?

・海上貨物 60時間
・航空貨物 13時間 
今年3月の調査結果です。

意外と時間がかかると思われるかもしれません。
この調査は一般貨物ですので、検疫などが必要な貨物はさらに時間がかかりますので、早めの準備をしておきましょう。

2012/10/23

9月20日は、「空の日」です

日本で初めて動力飛行機が空を飛んだのが、明治43年9月。
100年以上も前なのですね。

これを記念した「空の日」から30日までが「空の旬間」で、全国各地の空港でさまざまなイベントが行われます。

その中でも、面白そうなイベントをご紹介します。

「羽田空港に離着陸する航空機を海から撮影を楽しむイベント」
2012年9月30日FlyTeam 撮影クルーズ at 羽田空港

関連コラム:
9月20日は「空の日」 2011/09/12

2012/09/18

輸入貿易実務(航空編)その4インコタームズ

輸入手続きで、想定外の請求を受けて困ったことないですか?
インコタームズ(国際貿易取引条件)ごとに、輸入者が負担すべき経費範囲が異なるからです。
自分が負担しなければならない経費について、理解しておきましょう。

輸出地のメーカーの倉庫で貨物を引き渡すEXW条件の場合は、商品代金だけを輸出者に支払い、輸入地に到着するまでのすべての経費は輸入者の負担となります。

反対に、輸入地に到着するまでのすべての経費(関税まで)を輸出者が負担するDDP条件もあります。
この場合、輸入時点で輸入者が支払うべき経費はゼロということになります。

EXW条件よりもDDP条件のほうが、お得? 
いえ、そんなことはありません。

DDP条件では、商品代金と輸入地までのすべての経費を含んだ代金を輸出者に支払っているのです。EXW条件では、商品代金だけを輸出者に支払い、その後の経費は自分で負担しているのです。

初めての輸入のときは、手間のかからないDDP条件で輸入、少し慣れてきたら、どちらがコストセーブになるか検討して、取引条件を決めるのも一案でしょう。

2012/09/10

輸入貿易実務(航空編)その3 輸入書類

海外の仕入先が現地での輸出手配を済ませると、船積案内と一緒に、輸入書類(Invoice、BL、CIF契約の場合は保険証券)を提供してきます。

書類を受け取ると、そのまま委託先通関業者に輸入書類を渡していませんか?
特に、Invoiceの内容をチェックしてから渡していますか?

Invoiceの計算が違っている
単純な計算ミスを税関申告で指摘されることがあります。
内容確認のうえ、書類の訂正が必要となります。その間輸入通関は保留となってしまいます。
時差のある輸出者との連絡に時間を要し、特に、週末を挟んでいる場合は、3-4日もロスしてしまいます。輸入通関が保留となっている間、貨物が保管されているターミナル料が加算されています。

せっかく、納期重視でコストの高い航空貨物を手配したのに、書類不備で、時間もロスする、エクストラコストもかかる、ということにならないように、書類を受け取ったら、必ず内容の確認をするようにしましょう。

・原産国が記載されていない
Invoiceに原産国 Country of Originが記載されていない場合がよくあります。
Shipping MarkにMade in XXXと記載されているだけで、Country of Origin:XXXの記載がない場合、貨物の原産国と認められません。

せっかく、特恵税率を利用した輸入を計画していても、一般関税率が適用されてしまいます。
このようなことにならないように、海外の取引先に発注する段階で、原産地証明書の提供と、「InvoiceにCountry of Origin:XXX記載を明記すること」の確認を忘れないようにしましょう。

2012/08/17

輸入貿易実務(航空編)その2 税関手続き

輸入通関は「税関だけ」、と思っていませんか?

海外旅行から帰ってきた時を思い出してください。
ターミナルに着くと、健康診断などの検疫所を通り、パスポートを提示して入国審査、そしてバッゲージを受け取る。食品や生花などを持ち返ってきた時は、検疫所で許可を受け、税関で貨物審査・関税支払い。そして、帰路に・・・

航空貨物の世界も、まったく同じです。
「輸入許可手続き」と「輸入申告手続き」に分かれているのです。

「輸入許可手続き」とは、税関(財務省)以外の省庁で行う手続きのことです。
たとえば、植物検疫・動物検疫は農林水産省、食品検疫は厚生労働省、輸入割当許可は経済産業省など、商品ごとに許可申請すべき相手先の省庁が分かれています。

たとえば、キッチン用品を輸入する場合、厚生労働省で食品検疫の許可を得ないと税関申告ができません。ドライハーブを輸入する場合には、厚生労働省だけでなく、農林水産省での植物検疫の許可も必要など。

食品や生花などを持ち返ってきた時に検疫所で許可を受けてから、税関で貨物審査・関税支払、この流れと同じです。

税関で行っているのは、「輸入申告手続き」だけです。関税法のもと輸入申告を行い、関税の支払いを行うのが税関での申告内容です。「輸入許可手続き」の許可をとらないと、税関での「輸入申告手続き」はできません。

貨物が着いて早くに手続きができないと、倉庫保管料などエクストラ料金が発生します。コストセーブのためにも、輸入する貨物は、どのような「輸入許可手続き」が必要か認識し、準備しておくことが大事です。

2012/07/20

輸入貿易実務(航空編)その1 フォワーダー

航空輸送というと、「フォワーダー」に相談するという方が多いと思います。

フォワーダーの本来の業務は、貨物の混載仕立て業務です。
まず、フォワーダーは、航空会社から貨物スペース契約をします。

複数のお客様から貨物を集荷した貨物を仕向け地ごとにパレット化します。
これを、「混載仕立て業務」といいます。
さらに、輸出通関業務も行い、空港ターミナルに混載貨物を引き渡します。
航空輸送は、フォワーダーがANAやJALなどに委託していることになります。

到着地に着くと、フォワーダーの手で、混載ブレーク作業が行われます。
個々の貨物に仕分けられ、配送となります。

航空輸送で「フォワーダー」の果たしている役割が大きいことがお分かりだと思います。

2012/06/22

国際空港の評価アンケート

このような調査レポートがあるのを初めて知りました。
「エアポート・ノーベル賞」とも呼ばれているそうです。

世界186箇所の空港で、利用客へのアンケート調査とのこと。
正式には、「国際空港評価アンケート調査」。

2011年調査の総合評価を見ると、韓国・仁川空港がベストエアポート。
そして、シンガポール、北京、香港と続いています。
中部国際空港セントレアが第5位となっています。

アジアの「おもてなし度」が高いことがわかりますね。

2012/04/21

航空フォワーダー、EU競争法に違反 

3/29読売新聞経済面に小さく出ていた記事に目が留まりました。

この記事によると、中国発欧州向け航空貨物運送で価格カルテル、具体的には、航空フォワーダーが結託して燃油サーチャージの値上げを事前に合意していた、つまり「独禁法違反」で制裁金措置。

センセーショナルな記事ですが、少々補足する必要もあるように感じます。

日系3社だけでなく、欧米の大手航空フォワーダー10社も制裁対象となっており、世界的な問題として根深い問題をはらんでいるように感じます。

問題の各種サーチャージは、航空会社が市況の変動に応じて、運賃本体に上乗せする形で、フォワーダー経由で荷主あてに請求されます。フォワーダーとして、この立替を少なくしたいとの協議が制裁対象のようです。

値上げを決めているのは航空会社であり、フォワーダーは、受取り代行をしているだけで、独禁法に触れるとの認識が薄いことも指摘されています。

関連コラム:
国際運賃割増料 2009/4/14

2012/04/09

空への情熱 

女性の鉄道ファン「鉄子」ならぬ、航空ファン「空美(そらみ)」が増えているそうです。
成田空港で女性限定の撮影イベントが盛況、北海道や関西からの参加もあるとか。

イベント参加だけでなく、カメラを担いだ「空美」が成田空港や羽田空港だけでなく、なかには、海外まで飛行機の追っかけをしている強者もいるそうです。

将来、母親になったら、子供と一緒に飛行機を追っかけですね。
なでしこ力、たくましく、強い!

2012/02/20

米航空業界 - 大競争時代?

2001年の米同時テロ以来、米国航空業界は再編の連続です。
つい最近も、老舗のアメリカン航空が経営破綻とのニュースがありました。

この10年間、原油高、格安航空会社の攻勢にさらされてきました。
破産法申請でコスト削減、再編で規模拡大による効率化をめざした企業再生で、すっかり様変わりしています。

・ユナイテッドは、2002年に破綻、2010年にコンチネンタルと統合し、最大手に復活
・デルタは、2005年破綻、2008年にノースウエストと合弁し、業界2位

関連コラム:
空の日と米航空業界 2005/10/6

2011/12/16

ミス・ビードル号 

20世紀初めは、リンドバーグの大西洋単独無着陸飛行の成功で、空を夢見る多くの冒険家が次の目標として、太平洋横断に命がけの挑戦を繰り返してましたが、失敗の連続でした。

遂に、1931年(昭和6年)10月5日、日本から米国まで無着陸で太平洋を無事渡りきったのが、ミス・ビードル号です。
全長8.5メートルしかないプロペラ機が、青森県三沢を飛び立ち、米西海岸のワシントン州ウェナッチまで約8,000kmを実に41時間で横断しました。

日本から東へ飛ぶと偏西風を利用でき、青森県三沢とワシントン州ウェナッチとは地理的に最短の飛行ルートであったとの記録があります。

先人の歴史的快挙を記念して、ミス・ビードル号(復元機)の記念飛行が 8月18日に行われ、80年ぶりに赤い機体が三沢の空に舞いました。
9月4日には、三沢基地航空祭でデモ飛行が行われる予定です。日本での最後の飛行となり、この復元機は米国に戻るそうです。

ワンポイント:
人類初の太平洋無着陸横断飛行の発着地ということで、青森県三沢市と米国ワシントン州ウェナッチ市、東ウェナッチ市とは姉妹都市となっています。

三沢市は、飛行機とともに歩んできた街です。
現在の三沢空港は、米国空軍、航空自衛隊、民間機の3者が共同使用する我が国でも唯一の珍しい空港です。(三沢市観光協会説明文より)

2011/8/22

翼よ、あれがパリの灯だ 

"翼よ、あれがパリの灯だ"で有名な飛行家チャールズ・リンドバーグ。
1927年(昭和2年)ニューヨーク・パリ間を単独無着陸飛行に初めて成功した後、夫妻で日本に来たことがあるそうです。
1931年9月(昭和6年)に北太平洋横断の途中、水上飛行機で日本に立ち寄ったとのことです。

この飛行のスポンサーであった報知新聞社との会談が大本山総持寺(横浜市鶴見区)で行われたとの記録があります。夫妻ともに上手に箸を使って精進料理を食べられたようです。

ワンポイント:
今では考えられないようなルートです。
ニューヨーク~アラスカ~アリューシャン列島~千島列島~根室~霞ヶ浦~大阪~福岡~中国

関連コラム:
ミス・ビードル号 2011/8/22

2011/9/12

9月20日は「空の日」

9月20日が「空の日」に制定された経緯は、諸説あるようです。
1911(明治44)年9月20日に東京上空を飛行船が初めて飛んだことの記念のようです。しかし、歴史をひも解くと、どうも日本で最初の飛行に成功したのは、前年の1910(明治43)年12月に行われた飛行実験だったとの記録もありました。

9月20日から30日までは「空の旬間」で、全国各地の空港でイベントが行われています。

関連コラム:
9月は「空の旬間」 2009/9/28
空の日(2) 2007/9/29
空の日と米航空業界 2005/10/6

2011/9/12

空と大地の歴史館

成田空港近くにある航空科学博物館敷地内(芝山町)に、成田空港の過去・今・未来がわかる歴史館が6月23日にオープンしました。

空港建設が決ったのは、今から45年も前の1966年。
ボタンを掛け違えた官権と地元民との激しい反対運動の末、1978年にようやく開港。

この間、反対派・推進派などさまざまな立場の人々の苦悩と想いがありました。

パンフレットタイトル:
空港をめぐり、この地に刻まれた歴史を後世に伝えます。
空と大地の歴史館
千葉県山武郡芝山町岩山113-2、航空科学博物館敷地内
入場無料
開館時間:午前10時~午後5時、月曜休館

2011/7/4

国際輸送での損害賠償責任 

国際輸送をする際に、船会社や航空会社には輸送中のあらゆる事故に対して、損害賠償責任があると思っている方が多いと思います。

よくあるケースですが、事故発生となったが、クレーム金額の一部分しか求償されなかったというご相談を受けることがあります。
国際輸送を受託した船会社や航空会社には、貨物を目的地まで安全に輸送し引渡す義務はありますが、全ての損害について運送人の賠償責任ではありません。

関連コラム:
貨物海上保険の役割 2011/6/20
保険はなぜ必要? 2009/9/22
輸出入取引の貨物保険 2008/10/7

2011/6/20

空の日と米航空業界 

毎年9月20日が「空の日」なのをご存知でしたか?
第2次大戦前に「航空日」という日が制定されていましたが、戦後、民間航空が再開した翌年1953年により親しみやすいネーミングにしようということで、「空の日」に改称され、シンボルマーク「920(くにまる)君」も誕生しました。

この「空の日」を記念して、日本各地の空港でさまざまな催しが行われています。中部国際空港セントレアでは、 「スカイフェスタ」 という大規模なイベントも行われます。

アメリカから航空業界の一大ニュース 
アメリカ航空業界3位デルタ航空、4位の老舗ノースウエスト航空が破産法の適用を申請しました。
運賃値下げ競争の激化、テロ対策費用の増加、安全管理を維持しながらのリストラ経営など課題が山積みの米航空業界に原油高騰・ハリケーンが追い討ちをかけた結果の破綻でした。

今後、業界再編も予想されるなか、IATA(国際航空運送協会)は、燃料費高騰で世界の航空会社の赤字が74億ドル(約8,140億円)に達すると発表しています。

関連コラム:
9月20日は「空の日」 2011/9/12
9月は「空の旬間」 2009/9/28
空の日(2) 2007/9/29

2005/10/6

あわやの事故 

ロサンゼルス空港に緊急着陸したアメリカのエアライン”Jet Blue”のテレビニュースが繰り返し放映されました。あの前輪から火を吹き緊迫した映像でしたが、乗客・乗員に怪我なく、無事でした。

デルタ・ノースウエストとアメリカの大手航空会社が破綻するなか、好業績を挙げている勝ち組航空会社のジェット・ブルー・エアウエイズ。
2000年創業とまだまだ歴史がありませんが、積極的なIT投資でチケットレスで販売コスト削減したり、安い運賃ながら最高のサービスを提供しているユニークな会社です。
搭乗員にワイヤレスモバイルを持たせ、安全面へのIT化などは、今回のような緊急事態でも冷静な対応への基盤ができていたなど、顧客の視点からの経営姿勢が高く評価されています。

2005/10/6

航空貨物のセキュリティー強化 

平成17年10月1日より、すべての貨物の搭乗前、X検査・爆発物検査を義務つけた「航空保安対策基準(特定荷主及び特定フォワーダー制度)」が国交省から発表されました。

9.11同時多発テロ以来、すべての航空貨物は、搭載前24時間留置措置がとられ、テロ攻撃に対するセキュリティーを維持してきましたが、航空貨物を迅速、円滑に輸送することが課題となっていました。

貨物を迅速に、円滑な輸送を実現するために、 適切な保安措置を講じた運送事業者(航空代理店・フォワーダー)を「特定フォワーダー」として認定、さらに、貨物の安全と法令遵守に該当する荷主(輸出当事者)を「特定荷主」として認定して、 X線検査・爆発物検査を免除することになります。
保安強化をする一方で、特定荷主については、検査等で輸出手続きにかかわる時間短縮をすることにあります。スポット輸出など、特定荷主に認定されない場合は、24時間留置措置・X線検査・貨物検査が行われることになりますので、注意が必要です。

現在は24時間留置措置は実施されていません。

2020/09/15 更新

YS-11お疲れさま 

日本発の国産旅客機として活躍してきた日本エアーコミューター(JAC)のYS-11が9月末にラストフライトとなりました。

♪♪風の中の昴、砂の中の銀河♪♪
終戦と同時に、進駐軍(GHQ)から日本は航空開発が禁止された。
昭和27年まで続いた。
ゼロ戦を作った日本の高度な技術を進駐軍は恐れていた。
技術者は日本の翼をよみがえらせる情熱を持ち続けた。
開発禁止が解けた昭和27年に5人の技術者が立ち上がった。
「輸送機設計研究協会」をスタートさせた。
心配と自信の葛藤の連続だった。
5人の技術者と若手技術者が試行錯誤した。
プロトタイプが昭和33年に完成した。
横浜の杉田で模型機が公開された。
昭和35年、設計図が完成した。
2年後、名古屋空港で初飛行に成功した。
日本初の国産旅客機が誕生した。
♪♪風の中の昴、砂の中の銀河♪♪

YS-11の名前の由来:輸送機(Y)設計(S)研究協会からイニシャルをとり、奇しくもプロトタイプが公開されたのが横浜(Y)の杉田(S)で、昭和33年の12月11日だったそうです。

2006/11/10

物流ビッグバン

アジア各国との輸出入取り扱い量の格差は広がるばかりですが、日本政府は、遅ればせながら、対応策を実施する方向で動き出しました。

港湾や空港の24時間化、通関手続きの簡素化とコンテナ取り扱いコスト減、さらに貨物到着まえに輸入申告ができるようにするなど、物流を抜本的に改革する物流ビッグバンに取り組んでいます。

2005年度取扱量(TEU 参照)
東京      660万TEU
シンガポール 2,319万TEU
香港     2,243万TEU
上海     1,808万TEU
釜山     1,184万TEU

関連コラム:
コンテナ貨物の動き トップ10に中国の港は、実に6港 2011/10/12
コンテナ荷動き量 2010/7/15
海上コンテナ貨物荷動き 2009/8/5
コンテナ取扱いランキング 2008/5/15
中国の2005年度コンテナ取扱量統計 2006/1/20

2007/1/15

原油価格急騰 

米国でのサブプライムショックの影響から、原油価格が100ドル間近となり、海上輸送・航空輸送への影響も必至な状況となっております。

航空各社は、11月度より日本発の燃料割増料金の値上げを検討していると報道されております。
航空燃料の相場価格が過去5年間の平均価格と比較して、一定期間連続して上回った場合、各航空会社から国土交通省に申請のうえ、燃料割増料の修正が行われています。

航空会社により適用時期・適用額が異なる場合もありますので、運賃契約の際に確認が必要です。
海外発の場合も同様に割増料が適用されております。

また、海上輸送も同様に運賃修正が適時行われておりますので、基本運賃だけでなく、燃料割増料、為替割増料などの確認をすることをお忘れなく。

関連コラム:
国際運賃割増料 2009/4/14

2007/11/5

原油価格急騰(2) 

原油価格がついに100ドル超えとなり、国際運賃が急騰、さらには世界的な鉄鋼需要増から、傭船料も高騰してきています。

このため、一度に多くの原料を運送することで、高騰しているコストを少しでも押さえ、効率的な輸送を目指す動きが報道されています。
特に、従来から大量輸送を行っている鉄鉱石の輸送では、更なる大型船舶(東京タワーがすっぽりと納まってしまうような全長340メーター、30万トンクラスの大型船)の導入が計画されています。

一方、ドイツの海運会社では、自然の風を利用して帆走することで、燃料の節約が出来る貨物船が計画されています。160メーターもの長さのタコを船首に取り付け、貿易風を受けることで、燃料の節約、さらには温室効果ガス削減効果も期待されているようです。

関連コラム:
国際運賃割増料 2009/4/14
原油価格急騰 2007/11/5

2008/1/10

国際運賃割増料

マスコミ報道で国際旅客航空運賃の燃料サーチャージのことがよく報道されますが、今回は貨物を国際輸送する場合のサーチャージについてワンポイント解説です。

海上輸送でも、航空輸送でも、国際宅配便でも、基本運賃以外に割増料がプラスされます。
国際運賃は、基本運賃+燃料割増料+為替割増料+その他割増料の合計となりますので、運賃契約の際に確認されることをお奨めいたします。
また、割増料は、運行会社により適用時期・適用額が異なりますので、ご注意を。

関連コラム:
原油価格急騰 2007/11/5

2009/4/14