北米西海岸港湾ストは労使交渉で合意に達したものの、コンテナ船会社は臨時船を投入したりしてコンテナ船の運航調整を急いでいます。|北米西海岸港湾ストとコンテナ船の運航調整

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北米西海岸港湾ストの余波とコンテナ船の運航調整



北米西海岸港湾ストの労使交渉が合意に達してから2ヶ月あまり、正常化に向けてはまだ多くの課題が横たわっているようです。

最近の報道をまとめると以下のような点が浮き彫りになってきます。

・まだ沖待ちしているコンテナ船が多く、最大で3週間のスケジュールに遅れが出ている
・港湾機能が正常化するには3カ月以上かかる模様
・コンテナターミナルの混乱の影響は5月ごろまで残る見通し
・航空輸送へのシフトが増加し1-3月期は前年比30%増

港湾荷役オペレーションのスローダウン戦術による影響だけでなく、以前から指摘されていた米国内でのシャーシ不足の問題が、港湾作業の正常化への足かせになっているようです。

そのために海上輸送から航空輸送へのシフトが加速化しています。

コンテナ船会社は臨時船を投入して空コンテナの調整とスケジュール維持などの対応に追われています。

何故このような事態になるとコンテナ船の運航調整に多大な影響がでるのでしょうか。

■コンテナ船運航キャリアー、世界規模での取組み
コンテナの積み下ろし作業は陸上に設置されているコンテナ専用クレーンで行います。
コンテナ船は荷役クレーンを持っていないからです。

今回の北米西海岸港湾ストでは、貨物を積まずに空の20フィートコンテナを20万BOX以上もシフトしているようです。

通常のコンテナ船は20フィートコンテナ換算で10,000BOX強の積載量ですから、20万BOX以上もシフトするためには15-20隻
程度のコンテナ船が必要になるという計算になります。

決して今回の港湾ストで問題がクローズアップされたわけではなく、世界各地のコンテナが偏在してしまっていることへの対応が急務な
ため、世界規模で正常化への課題に取り組んでいます。

■LINERとTRAMPER
コンテナ船は貨物の有無にかかわらずスケジュールどおりに運航されます。
そのため、LINER(定期運航)といわれています。

一方、穀物やバラ積み貨物は需要に応じて用船契約をしたうえで運行されます。5万トン以上の貨物船をフルチャーターするため、RAMPER(不定期運航)と呼ばれています。

一般的に輸出入ビジネスで利用される貨物の物量はフルチャーターベースではありませんので、コンテナ船が利用されます。

現在、コンテナ船各社が臨時船を投入してまで空コンテナの調整とスケジュール維持などの対応をしているのは、定期運航を守るためです。

コンテナ船を利用した安定的なサプライチェインの裏側では、コンテナ船各社のこのようなサービスが根底にあることを痛感させられます。

関連記事:北米西海岸の港湾労使交渉が合意ストライキが解決

2015/04/08

北米西海岸の港湾労使交渉が合意ストライキが解決



新聞やインターネットなどで報道されているように長期化していた北米西海岸の港湾労使交渉が5年間の新労働協約で暫定合意しました。

コンテナ荷役の低下で米国企業の資材調達だけでなく、日本の輸入食品にまで影響がでていただけに朗報です。

港湾荷役のスローダウン戦術で、コンテナ荷役の量が大きく低下。
北米東海岸に迂回する回避策だけでなく、しかたなく航空輸送に変更するなど日米経済界に多大な影響をもたらしてきました。

ターミナル混雑、機材・人材不足による影響がでていた港湾機能は徐々に正常化に向かう見通しとのことです。

北米東海岸の港も混みだしてきただけに「港湾作業がフル稼働を再開」にほっとされている方も多いと思います。

■コンテナ化が招いたスローダウン戦術

港湾ストは、米国だけで発生する問題ではありません。
日本もかつては年中行事のように春闘の時期に港湾ストライキが行われていました。

1970年代にコンテナ化が導入されると港湾荷役が大幅に機械化されました。
それにより、港湾荷役労働者の人員整理、賃金カットが労使交渉の争点となったのです。

労働側は対抗手段としてコンテナヤードを封鎖する戦術をとるようになりました。
コンテナ船には貨物を積み下ろしするクレーンがついていません。
コンテナヤードにあるクレーンを利用して港湾荷役が行われます。

そのため
・コンテナヤード封鎖する
・クレーン作業をスローダウンさせる

その結果
・入港したコンテナ船が岸壁から出航できない
・コンテナ船のスケジュールが大幅に遅延する

など使用者側に圧力をかけてきました。

■貨物海上保険でのストライキ危険特約とは?

貨物保険には、オールリスクに戦争・ストライキ危険特約を付けるのが一般的です。

ここでいうストライキ危険特約とは、港湾ストを対象にしているのではありません。
内乱・紛争の結果、ストライキに参加する者によって生じる貨物の損害が対象です。

オールリスク保険はあらゆる危険をカバーしていますが
・船や飛行機の遅れ
・不完全な梱包
・品質変化による重量や容積の減少
これらは、保険でカバーできません。

今回のように港湾ストライキになった場合、自己リスクで対応することになります。
万一の場合に備えたサプライチェインを考えておくことが重要だと思います。

関連記事:北米西海岸港湾スト泥沼化で船混み割増料が発生

2015/2/23

千葉県館山湾でコンテナ船が座礁、共同海損か?

MOL商船三井が運行するコンテナ船が千葉県館山湾内で座礁しました。

米国西岸から東京港へ航海中、エンジン不具合で停泊中強風のため浅瀬に乗り上げました。

浸水や油の流出はないと報道されています。

■どのように救助するのか?共同海損となるのか?
通常は満潮を待ってタグボートで浅瀬からの引き出しが行われます。
今回もタグボート4隻で引き出しをしようとしていますが難航しているようです。

5万トンものコンテナ船の場合、喫水は約10メートルあまりになります。
そのために座礁した場所によっては貨物が満載状態で引き出しができない場合もあります。

このような場合、船長判断で一部の貨物を海中に投棄し船全体を軽くすることが行われます。

貨物保険の専門用語で
「共同海損(General Average)」を宣言するといいます。
一部の貨物を犠牲にすることで最悪の事態(沈没)を回避する措置です。

沈没の危険性がなくても長期間にわたって救助作業が続く場合にも、貨物投棄が行われる場合があります。
船長判断で全荷主にとって最善と考えられる救助策が決められます。

全荷主が定められた割合で救助費用を負担するため、共同海損という言葉が使われます。「自助・共助・公助の精神」です。

共同海損が宣言されると船会社から荷主全員に「共同海損宣言書」が送られてきます。

共同海損宣言書を受け取ったら、荷主は保険会社へ連絡し書類による手続を行うことになります。

・共同海損に同意する
・積荷の価額を申告する

これらの書類を提出すればあとは船会社と保険会社の間で全体の費用計算が行われます。

今回の場合は座礁で船底ダメージは受けていないようです。
沈没の危険性はないと思いますが、一刻もはやく浅瀬から脱出できることを願っています。

用語:
逆石油ショックは貿易取引にプラスかマイナスか?



原油安がすすんでいる。
3か月前1バレル$100台だった原油価格があっという間に半額に近づいている。

原油相場の下落は世界経済にとってプラスのはずだが、
ロシア・ルーブル安
株価の乱高下
に連鎖し「逆石油ショック」の再来すら危惧されはじめている。

■オイルショックと貿易取引の因果関係
最近はほとんど聞かれなくなったOPEC。
1970年代に一気に急騰した原油価格は世界経済が大混乱をきたしました。
その時の主役がOPEC石油機構。現在の中近東の繁栄を築いた石油産油国機構のことです。

1970年代に2度も起きたいわゆる「オイルショック」。
ガソリン代の高騰はトラック運賃や国際輸送運賃を跳ね上げました。
石油化学分野だけに限らず、すべての製造業における製造コストも高騰し、買いダメに走る消費者の姿が見られるなど狂乱物価といわれた時代でした。

このオイルショック当時、貿易取引も原油相場に大きく左右されました。
・航空輸送も海上輸送も一方的な運賃値上げが日常化
・貨物の需要が増えれば運賃の安い貨物は積んでくれない
・輸送効率の悪い路線への配船はなくなる

国際運賃相場はたえず「需給バランス」で変動していますが、儲け優先主義を象徴するかのありさまでした。

■貿易取引に与える影響
リーマンショック後、右肩上がりと高止まりを維持してきた原油価格がここへきて急落。いわゆる「逆石油ショック」の影響を臭わせるような現象が起きはじめているようです。

貿易取引においてはいままでとは違う環境変化がおきるのでしょうか?

貨物を国際輸送する場合、燃料割増料が課金されています。
・航空貨物の場合、燃油割増料=Fuel Adjustment Factor
・海上輸送の場合、燃油割増料=Bunker Adjustment Factor

航空燃料と船舶燃料で英語表記が異なりますが、両方とも、燃油割増料のことです。

国際運賃は原油相場を基に毎月割増料の見直しが行われています。

たとえば国際宅配A社の場合
今年の10月までは原油相場1バレル$100台を反映して、20%程度の割増料が荷主様に請求されていました。11月からの急落で来年1月の
割増料は16.5%に下がります。

海外旅行ですっかり定着した「燃油サーチャージ」
航空運賃以外に必ず徴収される割増料、なかなか複雑で言われるがまま払わざるを得ない現状ですが、パッセンジャー用の「燃油サーチャージ」もほぼ半額になりつつあります。

原油安の影響が着実に現れ、燃油割増料が下がる傾向にあることは歓迎すべきことです。

国際運賃の設定では、航空輸送も海上輸送も共に基本運賃に割増料が加算されます。
割増料には、原油価格や為替の変動など予測不能な要因が含まれています。
基本運賃を極力据え置き、割増料という名目で全体の運賃を調整しているわけです。

逆石油ショックが火種となって基本運賃そのものの値上げにつながらないことを願っています。

用語:FAF (Fuel Adjustment Factor)またはFSC (Fuel Surcharge)
用語:BAF (Bunker Adjustment Factor)

2014/12/24

北米西海岸港湾スト泥沼化で船混み割増料が発生



北米西岸の現場から港湾ストの最新情報が入ってきました。
貨物量が依然として好調であることに加えてスローダウン戦術がからみ混乱が続いていると報じられています。

■北米西岸港湾スト、最新情報
先日、北米西岸のうち北部地区のタコマ港・シアトル港での状況をお伝えしましたが、南部地区のロスアンゼルス港・ロングビーチ港にも影響が波及してきています。
北米西岸各港でのスローダウン戦術によるコンテナ荷役の低下は一段と深刻になってきています。

コンテナ船は専用のコンテナふ頭側のクレーンでしか積み下ろし作業ができません。
コンテナを運ぶための道具(コンテナシャーシ)を準備できないとコンテナヤードに搬入することができません。
貨物量が多くなっているため、このコンテナシャーシも不足しているようです。

またコンテナ自体は自力で陸上運送をすることはできません。
シャーシを運搬するためにはトラック部分(ヘッド)が必要ですが、このトラッカーも不足しているようです。

このような状況のため、ついにコンテナ船の運行各社は船混み割増料
Congestion Surchargeを発表する事態になってきています。

■Congestion Surchargeとは?
コンテナ船の運行会社は、船主に対して用船料を支払ってチャーターしています。
1時間でも遅れれば追加の用船料を支払うことになります。

北米西岸各港のコンテナヤード側での受け入れキャパが不足すると、予定の時間でコンテナ船の運行ができなくなります。
輸出入港が混みあい追加の用船料が発生するため、コンテナ船の運行会社は荷主対して費用負担を求め、船混み割増料Congestion Surchargeを請求しだしています。

航海日数の短縮、コストダウンを求めてコンテナ化が導入されました。
しかし、コンテナ物流は受け皿のコンテナヤード側での受け入れキャパが条件となります。
いままでオイルショックや地域紛争などにより海上輸送が大きく影響を受けたこともありました。
都度、荷主各社は費用負担をして国際海上輸送体制を維持してきました。

北米西岸各港のコンテナヤードだけでなく、内陸地点でのヤードも混乱しているとの報道もあります。
少なくとも年内一杯はこの状態が続き、年明け後も中国正月前の輸出需要があり2月頃にならないと収まらないとする予想もあるようです。

ターミナル混雑、機材・人材不足による影響が早くに解消することを願っています。

関連記事:
北米西岸港湾スト、労使交渉が泥沼化か?

2014/11/25

灯台は海上輸送の守り神



千葉県犬吠埼灯台のニュースを読みました。
英国人技師により作られた煉瓦つくりのこの灯台、140歳の誕生日を迎えたそうです。
明治7年(1874年)以来、まだ現役で活躍、海上輸送の船舶に光を発し続けている灯台です。

■灯台の役割とは?
昼間は本来の役割を発揮していませんが、夜になると存在価値を増してくるのが灯台です。
真っ暗な大洋を航海する船舶にとっては欠かせない大切な航路標識なのです。
航海士はその光りを識別して自分の位置を確認できるのです。

以前、5万トン級貨物船がハワイ沖で座礁したことを経験したことがあります。
A地点とB地点の灯台からの光をつなげて航路を決めるところ、この夜はどうしてかB地点の灯台が故障。
C地点の灯台をB地点の灯台と勘違いして、結果、浅瀬に乗り上げてしまいました。
引き出すのに10日以上もかかったことがありました。

■カーナビの時代なのに
陸上ではカーナビ全盛の時代です。
同様に、海上輸送でもGPSが使われる時代です。

陸上では道路からはみ出さない限り事故にはなりませんが、海上輸送はちょっと違います。
GPSで自分の船舶が行くべきコースは教えてくれます。
しかし、風や潮流などによってコースから外れることもあります。
ハワイ沖で座礁したように、水面下にも危険があります。

GPSが発達した現代ですが、灯台は海上輸送に欠かせない大切な航路標識なのです。
白、赤、緑などの色と5秒から30秒程度の光の周期で航海士は識別しているのです。

■蛇足ですが、灯台のことを調べてみると・・・
日本最初の洋式灯台は神奈川県観音埼灯台で、明治2年から点灯しているとのことです。
この観音埼灯台の工事着工が明治元年11月1日ということで、この日が灯台記念日にもなっています。

以前、物流コラムで日本海側での最初の洋式灯台「伏木燈明台」をご紹介しました。
明治に入ってから順次各地に灯台が作られていったようです。

いろいろと調べてみると、犬吠埼灯台の正式名称は、犬吠埼燈台とのこと。
構造物としては、灯台でなく、古い漢字の「燈台」だそうです。
ただし、地図などで地点を表す場合は常用漢字の「灯台」が使われるとか。
日本語は難しいですね。

日本の輸出入は、90%以上を海上輸送に依存しています。
140年以上も現役で活躍している灯台があることに思いを馳せてはいかがでしょうか

2014/11/17

北米西岸港湾スト、労使交渉が泥沼化か?



6月末で期限満了となった北米西岸の港湾労組(ILWU)と使用者(PMA)の労使交渉は、ストライキなどの強硬手段をとらずに表面的にはストなしとし平和的な労使交渉が続いていました。
ところが最近、労使の綱引きで緊張が高まっていると報道されています。
最新情報をお届けいたします。

■北米西岸港湾スト、労使交渉に変化か?
使用者(PMA)側の報道によると、10月末から北米西岸港湾のうち北部地区のタコマ港・シアトル港でスローダウン戦術が始まり両港での
コンテナ荷役が通常の 40~60%まで低下しているとのこと。

ストなしの平和交渉への合意を破ってスローダウンを行っている点について使用者(PMA)側は「約束に違反してスローダウン戦術を仕掛けている」と強く非難しています。

これに対し、北米西岸港湾労組側(ILWU)はメディアを使ったゆさぶりと強く反発して、双方の緊張が高まっているようです。使用者側によるメディア攻撃なのでしょうか?

米国の好景気の影響なのか、クリスマス需要の終わった11月になってもまだスパースが満船状態といわれています。
そのため北米西岸のうち南部地区のロサンゼルス港・ロングビーチ港から北部地区のタコマ港・シアトル港にシフトしている貨物も増えており、労組側としては、機材・人員的にキャパを超えていることが荷役スローダウンの原因と反論しているようです。

■北米西岸港湾スト、今後の見通し
現時点では北米西岸タコマ港・シアトル港での荷役スローダウンの影響がどこまで拡大するか、長期化するか定かでなく混乱収束の目処は
ついていないようです。
今後、タコマ港・シアトル港の事態の推移によっては北米西岸向けのコンテナ船のスケジュールにも遅れの影響が出始めてくると懸念されています。

コンテナ船には荷役のためのクレーンがついていません。
岸壁にあるコンテナ専用クレーンで荷役作業が行われます。
そのため岸壁側の作業が遅れればコンテナ船は海上で待っていなければならないのです。
このことによってコンテナ船がスケジュールどおりに運行できなくなります。
健保・年金などの待遇改善も含めた労使交渉のため着地点の探り合いが続いているようですが、コンテナ船の遅れにつながらないように望みたいものです。

関連記事:
北米西岸港湾スト、労使交渉継続するも先行き懸念

2014/11/14

国際物流を考える、自然界の知恵をもっと学ぼう

「国際物流」をテーマにしたワークショップの準備で、以前らくらく貿易にアップしたコラムを読み返してみました。
ロジスティクス人財フォーラムで大いに感銘をうけた「準最適」のコラムです。

このコラムに登場する東大の西成教授が2年ほど前にも同じようなシンポジウムに登場していることを想い出し古い資料を引っ張り出してみました。

国際物流に携わる業界代表と生物学者とが「自然界の知恵をもっと学ぼう」という趣旨で意見交換をしたシンポジウム資料です。
環境が変化する自然界の中で動植物はどのように生き残っているかが紹介されています。

環境の変化に柔軟に対応している自然界の知恵に注目してみると最適物流への解決策がありそうです。

■動植物はどのように環境に適用しているのか?
渋滞学を研究している西成教授は、蟻(アリ)の知恵を紹介しています

あれだけたくさんで移動しているのに「渋滞」をしない。
アリは自律分散的に移動しますが、全体的な秩序が作られています。

フェロモンを出しながら移動するためお互いがぶつからない、だから渋滞をしないとか。
GPS機能のようにアリは周辺情報を知ることで全体がわかるようです。

ブナの木を研究している生物学者も自然界の知恵を紹介しています。

ブナの木は翌年の開花量をコントロールできる。
花を咲かせるか葉っぱになるかを決めるのは、前の年。
自然環境に合わせて咲かせる花の量を決める制御力をもっているそうです。

環境が変わる中でどのように制御できるのでしょうか。
自然界の変化を受け入れられるように一定の無駄を繰り返しているためだそうです。長い目では無駄ではないのでしょう。
このようなさじ加減というか試行錯誤の連続で自然環境に合わせているのでしょう。

■自然界から学ぶ国際物流のコツ
国際物流企業のサービスレベル(サプライチェーン)を考えるうえで「準最適をよしとすべき」との意見があります。

シンポジウムに参加している物流業界代表からの意見です。
・最適物流をめざしてやってきた結果、準最適な姿に近づいていくのではないか。
・「ゆるいモデル」でいいのではないか。

「最適物流とはなにか?」をつきつめると、「より安く・より早く・より安全に」になると思います。しかし、すべてを満たす最適物流なんて、この世にないと思います。
その意味でも、最適でなく、準最適の考えが貴重なのだと思います。

準最適な国際物流を考えるうえで自然界の知恵が大いに示唆に富んでいるのではないでしょうか。

関連記事:「物流経費率」を知ることで経営課題が見えてくる

2014/10/28

パナマ運河がオーバーパナマックス対応の拡張工事

パナマ運河は今年で開通から100年。
この間、貨物船のサイズは大型化してきており、パナマ運河を通行できない貨物船も多くあります。
大型貨物船も通行できるようにパナマ運河の拡張工事が始まっています。

パナマックスサイズからオーバーパナマックスサイズへ
270m長*32m幅の5万トンクラスの貨物船はパナマックスサイズといわれています。
パナマ運河を通行できる最大幅だからです。

輸送効率を求めて貨物船やタンカーは巨大化してきています。
15万トンクラスになると49m幅もありパナマ運河を通行することはできません。
そのためオーバーパナマックスサイズといわれています。

■パナマ運河の役割とは?
パナマ運河を通行できない大型貨物船はしかたなく大西洋から喜望峰ルートに迂回せざるを得ません。
オーバーパナマックスサイズの貨物船は喜望峰経由のためケープサイズともいわれています。

米国東岸から喜望峰経由で日本までの航海日数は50日程度かかります。
これに対してパナマ運河を通行できるパナマックスサイズの貨物船は30日程度で日本に到着できます。

パナマ運河は、日米サプライチェーンの要のため年間14,000隻の貨物船が通行しています。
貨物船の大型化への対応だけでなく混雑解消も目指してパナマ運河の拡張工事が行われています。

2014/08/20

ますます厳しくなる航空貨物のセキュリティ検査

7月1日からEUに到着する航空貨物のセキュリティ検査が強化されています。

■発地国の保安レベルで検査基準が決められている
発地国の保安レベルによってセキュリティ検査の基準が決められているとのことです。

・グリーン:セキュリティ検査の適用除外となる国
・ホワイト:EU認定の監査人による監査が必要となる国
・レッド :EUが認めた3種類のセキュリティ検査のうち2種類のセキュリティ検査が必要となる国

幸いにも日本は「グリーン」(セキュリティ検査の適用除外)に指定されています。
日本発EU向けの貨物はこのセキュリティ検査が行われないということです。

いままでのセキュリティ検査とは?
いままでは国際物流に携わるメーカー、輸出入者、通関業者、運送業者、倉庫業者の安全度のランク付けがされていました。
一定要件を満たせばあらかじめセキュリティ検査の簡素化を認定する制度です。

発地国の保安レベルはどのようにランク付けされているのでしょうか。
判断基準がいま一つ理解しがたいところです。

日本発EU向けの貨物は対象外ですが、日本発でも経由便を利用した場合は違うようです。
経由地の保安レベルによりランクが変わることもあるとのこと。
コストの高いダイレクト便を利用するかどうか思案のしどころですね。

2014/08/07

北米西岸港湾スト、労使交渉継続するも先行き懸念

北米西岸港湾労組(ILWU)と使用者(PMA)の労使協約が6月末で期限満了となりました。
労使交渉の先行きに懸念を示している港湾関係者の声も多く、最新情報をお届けいたします。

■労使交渉、継続中
北米西岸港湾の労使双方は「7月1日以降も労使交渉継続中」と声明を発表しています。
さらに北米西岸29港すべてで通常通りの港湾作業が継続されていると報じられています。

幸いにも即スト突入とならずになによりですが、今後2-3週間の交渉に注目でしょう。
フルーツ輸出組合はこの数週間で労使交渉が妥結できないとスト突入ではないかと懸念しています。
July 4th独立記念日休暇明けからの本格的な労使交渉が注目されます。

■労使交渉の争点とは?
北米西岸港湾労組(ILWU)に加盟している組合員は20,000名ほどが働いています。
米国発着の50%以上の貨物が北米西岸の港湾を利用していると言われています。

しかし、コンテナ物流にも変化がみられ、北米西岸の競争力が問題になってきています。
アジア発Gulf、米東岸向け貨物の多くはパナマ運河経由で運べる時代だからです。

そのため北米西岸経由のモノの流れが減少してきているのは事実でしょう。
そのため使用者(PMA)としては経営合理化に努める必要に迫られてきていました。
以外にも北米西岸の港湾作業は人海戦術の作業が多く残っていたとも言えるでしょう。

今回だけに限らず毎回の労使交渉でコスト競争力(=人員合理化)が議論されてきました。

2002年にはブッシュ大統領がタフトハートレー法を出動、強制的に港湾封鎖ストを封じ込めました。
2008年の改定時にはコンテナヤード作業へのバーコード導入など自動化に踏み切りました。

一方の労組(ILWU)としては労賃だけでなく健保・年金など待遇改善を求め続けています。
労使双方が妥協できる余地が少ない状況と言えますが話し合いでの解決を望みたいものです。

関連記事:
北米港湾ストか?北米西岸の港湾労使交渉
北米港湾ストと中国版24時間ルールで海上輸送に影響

2014/07/07

国際サプライチェーンは「準最適」が良い

国際ロジスティックスに関して大変に興味あるフォーラムがありました。
「第5回ロジスティクス人財フォーラム」(イー・ビジネス・ドットコム有限会社主催、2014/06/14)

基調講演をされた東京大学先端科学技術研究センター西成教授の「準最適」に考えさせられました。

■サプライチェーンの「準最適」とは?
物流業界や商社ではサプライチェーンの「最適化」という言葉をよく使っています。

それだけに「準最適」という言葉が新鮮に聞こえました。
「準最適」とは、そこそこの効率性、つまり長期的に見て最適という意味とのこと。

■「準最適」なサプライチェーン
自然界は自然に逆らわず適合する知恵を持っており、サプライチェーンを考えるときにもこの自然界の原則に学ぼうとの考え方です。

経済>資源・エネルギー>環境、すべてを満足させる最適サプライチェーンを求めるのではなく、ソフト・ハード・人的要因をミックスして自然なバランスを保つことができるのが「サプライチェーンの準最適」とのこと。

言われればそのとおりですね。
国際的なビジネス環境は日々刻々と変化・進化しています。最適なサプライチェーンといってもそれは一瞬のこととして過ぎ去ってしまうかもしれません。
サプライチェーンを提供する側も利用する側も長期的な視点に立ち、「準最適」=そこそこに効率的な物流を考えるようにしたらどうでしょうか。

関連記事:
「全体最適な物流」とは何でしょうか?

2014/06/20

北米港湾ストと中国版24時間ルールで海上輸送に影響

海上輸送に関連した報道が目につきます。
暑い夏になりそうです!

■北米港湾スト、先行き不透明
北米西岸の港湾労使交渉、依然として先行き不透明な状況と報じられています。
そのため6月末のデッドラインを控えいろいろな動きが出ています。

・既に一部荷主はVancouver経由の輸送に切り替え。
・一部船会社はスト突入を想定して「Congestion Surcharge」を発表。
北米向けの需要がタイトで貨物運賃が上昇傾向にあるとも言われています。

■中国版 24 時間ルール
突然、6 月末から本格導入される見通しと報道されました。

・中国への輸入・積み替えをする全てのコンテナ貨物を対象に、
・輸出地で船積み24 時間前までに税関へ貨物情報を報告する

中国でも日本から近い上海向けなどは実務的に問題があるとの声が上がっています。
24時間前報告をするには時間的な余裕がなく、通関手続きを前倒しする必要との声も。
データ送信に係るSurchargeのような追加費用が発生することもありそうです。

航空輸送が増えているとはいえ、まだまだ国際物流の主役は、海上輸送。
それだけに貿易実務への影響が懸念されます。

関連記事:
北米港湾ストか?北米西岸の港湾労使交渉

2014/06/06

危険品貨物のリチウム金属電池が航空輸送できなくなる!

危険品貨物のリチウム金属電池(Lithium Metal Batteries)の旅客機への搭載禁止が正式に決議されたと報道されています。

2015 年 1 月 1 日からの実施予定:
・Class9のUN3090(リチウム金属電池)単体の場合、旅客機への搭載禁止
・機器に同梱されたリチウム金属電池(UN3091)は対象外

■危険品貨物とは?
引火性貨物、可燃性貨物、放射性貨物などは、危険品貨物となります。
国連および国際原子力機関が定めた航空輸送細則に準じた航空法(国土交通省令)の条件を満たした場合に限り航空貨物として輸送することができます。

■危険品貨物を輸送するには・・・
輸送中の安全を確保するため、危険品申告書の提出を求められます。
輸送する商品の危険度に準じて梱包容器やラベルなどの輸送手段が取り決められており、運送会社の事前認可を得ることが必須となります。

2014/05/19

北米港湾ストか?北米西岸の港湾労使交渉

北米西岸の港湾労使交渉の行方が注目されています。
労組(ILWU)と使用者(PMA)の労使協約が6月末で期限切れとなります。

5月から始まる改定交渉、早くも緊張が高まっています。

米国発着の50%以上の貨物が西岸の港湾を利用していると言われています。
港湾ストになった場合、貿易実務への影響が懸念されます。

■いままでもたくさんあった北米港湾スト
1980年代には、港湾ストが毎年必ずありました。
西岸だけなく、東岸もストになったことも。さらに日本の春闘と重なったことも(最悪!)

2000年代に入ってからは複数年契約になりましたので一歩前進でしょうか。
今回は、6年ぶりの契約更改となります。

■港湾ストは、不可抗力の対象
契約書の「不可抗力条項」、この条項には港湾ストが対象となっています。

つまり、港湾ストになった場合、納期遅延を起こしても売主の責任はないのです。
逆に、買主(輸入者)にとっては最大のリスク要因となります。
湾ストで物流網が寸断されてしまい、調達ができなくなっても自己責任なのです。

■早めの港湾スト対策が必要
航空輸送に切り替えられる貨物はいいですが、海上輸送貨物は大変。

・早めに在庫の積み増しをする
・カナダ経由などの迂回輸送を利用する
選択肢が限定されるだけに皆が殺到することが予想されます。

労使交渉は突然妥結する場合もあれば、突然交渉亀裂といったことも。
貿易実務に支障がないように早めの港湾スト対策をする動きも出ている模様です。

2014/04/17

商船を襲撃する現代の海賊 - キャプテン・フィリップ

海賊事件を描いたドキュメント映画『キャプテン・フィリップス』が上映されています。

ソマリア沖で武装した海賊が米国のコンテナ船「マースク・アラバマ号」を占拠、船長を人質に。
米大統領命令で海軍の軍艦、特殊部隊を出動させて無事救出。
2009年に実際に起こったシージャック事件だけに迫力満点です。

この海域はアデン湾・スエズ運河に近く年間2万隻以上の商船が通航する海上輸送の要衝です。
日本にとっても原油輸送だけでなく欧州との物流ルートとして重要な海域です。

運航スピードをアップするなどの対策もとっていますが、その後も商船三井が運航するタンカーが襲撃されるなど海賊行為が頻発しています。

米国、ロシア、インドからは軍艦を配備してパトロールと護衛を強化しています。
日本からも海上自衛艦とP3C機が派遣されています。
さらに「武装警備特別法」も施行され一層の海賊対策が行われています。

欧州との物流ルートが安全な航海となることを願うばかりです。

関連コラム:
海賊対策 2012/03/12

2014/01/14

海上コンテナが年間10,000個も海へ落下している

今年の夏にインド洋で日本のコンテナ船が真っ二つに割れて沈没したことも記憶に新しいところですが、この調査報告を読んで改めて海上輸送のリスクを認識しました。

「海上コンテナが年間10,000個も海へ落下している」
計算をすると、1時間に1個落下していることにびっくりしました。(10,000個/365日=27個)
これだけの頻度ということは、それだけ世界の海の気象条件が厳しいということだと思います。

コンテナが荒天遭遇などで流されてしまうのは、デッキの上に積み上げられているコンテナだけです。
デッキの下にあるコンテナはこのようなリスクは全くありません。

荷主の立場としてできればデッキの下に積んで欲しいところですが、積みつけ場所を指定することはできません。
コンテナの行き先・重量などの要素から船長が最適な積み付け場所を指定しているからです。

デッキの上でもデッキの下でも運賃は同じなのに積みつけ場所を指定できない、挙句の果てに国際運送約款の免責条項があるため船会社からの補償はほとんどない、荷主として納得できない状況ですね。

貨物海上保険がこのようなリスクをカバーしていることに注目する必要があると思います。
コスト削減から貨物海上保険をかけない方が多い昨今ですが、再考をされてはいかがでしょうか。

関連コラム:
貿易の基本3:運送会社には賠償責任がない?2012/02/27

2013/10/03

新たな輸送ルート・北極海航路

アジアとヨーロッパを結ぶ新たな輸送ルートとして北極海航路が注目されています。
最近のNHKでも紹介されましたが、海上輸送に大きなインパクトを与えると期待されています。

ユーラシア大陸北部のロシア沿岸を通るこのルートは氷が薄くなる夏場の約4カ月間に限られ、砕氷船利用でコストが高くなることがネックでした。

地球温暖化の影響なのでしょうか。
氷の減少で砕氷船なしでベーリング海峡を通過出来る時期が増えているそうです。

そのため、ロシアとノルウェーの海運業界だけでなく、高い関心を示している日本・アジアの企業が多いと言われています。

スエズ運河経由に比べて距離が3分の2となり、航海日数が12-15日短縮できるといわれています。燃料が大きくセーブできるため運航コストの大幅削減が期待できます。

最近日本の化学メーカーがノルウェーから石油製品を調達したほか、現在中国の大手海運COSCOがオランダに向けてトライアル航行をしていると伝えられています。
韓国もすでに運航実績を増やしつつあるようです。

東アジアのハブ港は完全に中国・上海、韓国・釜山に移ってしまいましたが、この航路が実現すれば、地理的にベーリング海峡に近い北海道が重要ハブ港となれると期待している向きもあるようです。

欧州と東アジアだけでなく、米国東海岸航路としても北極海航路の実現性に注目して見たいと思います。

2013/09/07

「物流経費率」を知ることで経営課題が見えてくる

「モノを安く・早く運びたい」 - 輸出入取引での経営課題ですね。
変動している物流費をチェックし直すことは必要でしょう。
でも、ちょっと見方を変えてみませんか?

あまり聞きなれない言葉ですが、「物流経費率」を試算してみましょう。
輸出地経費+国際物流経費+輸入地経費(総物流費)÷商品コスト(EXW)

たとえば、
輸出地経費・・・¥25,000-
国際物流経費・・・¥50,000-
輸入地経費・・・¥25,000-
(総物流費)合計:¥100,000-に対して、
商品コスト(EXW)¥500,000-の場合、物流経費率=20%となります。

事業の粗利率をどれくらいに設定していますか?
粗利率30%程度とすると、20%もの物流費では採算が全く合いませんね。
一般的な販管費を15%程度とすると赤字になってしまいます。

このケース、物流コスト見直しの前に商品コストの見直しをすべきでしょう。
もっと高額な商品を検討したほうがいいのかもしれません。
あるいは、仕入先ロケーションがビジネスモデルに向いていないのかもしれません。

このように「物流経費率」を知ることで経営課題が見えてくるのではないでしょうか。
通常、物流経費率を10%以下にすることが望ましいと考えられています。

2013/08/05

関連サイト:
最適物流へのポイント 2010/12/27

「全体最適な物流」とは何でしょうか?

「強い経済の再生と成長を支える物流システムの構築」
最近、閣議決定された総合物流施策(2013年~2017年)のタイトルです。
アジア全体の物流の質を高めて、アジアの経済成長に貢献する方針が示されています。

海上輸送・航空輸送ともにハブ機能が中国・韓国に移動してしまっていることを考えると、遅ればせですが目指している方向性としては大歓迎だと思います。

この大綱にはこのような副題もついています。
~国内外でムリ・ムダ・ムラのない全体最適な物流の実現~

「全体最適な物流」とは何でしょうか?
物流業界ではよく使われる言葉ですが、いまひとつわかりづらいですね。
具体的にはどのような物流を意味しているのでしょうか?

「This is the best」といった物流はなく、商品ごとにさまざまな物流方法があると思います。
当然、物流効率とコストの観点は大事です。
さらに、サプライチェイン全体の運用方法も含めたさまざまな工夫も必要だと思います。

動植物などが環境の変化を敏感に読み取り、将来を見越しBetterな選択をしています。
物流構築についても同じように「先を読む力(さまざまな工夫)」が必要なのだと思います。

自分にあった物流を作っていくことが「全体最適な物流」なのだと思います。

関連サイト:
最適物流へのポイント 2010/12/27

2013/07/23

コンテナ船海難事故に関してのご質問2件 

Facebookの記事をご覧になられた方からいろいろなご質問をいただきました。
http://www.facebook.com/rakurakuB

2件ご紹介したいと思います。

1.
「この事故はコンテナの積み過ぎが原因だったのでは?」

山のようにコンテナが積み上げられた写真をご覧になられての反応でした。
いえ、そんなことはありません。
いつでもこのようにコンテナは積み上げられて運ばれています。
コンテナの収納スペースは当然船内にもありますが、デッキの上にも積むのが一般的です。

コンテナごとの向け地と重量をコンピュータが計算して、前後左右のバランスが最適となるようにアンダーデッキ、オンデッキに積まれています。

2.
「やっぱり保険はかけたほうがいいですね」

船会社は貨物をA地点からB地点に運ぶ義務はありますが、貨物の補償の責任をすべて負っているわけではありません。
運送約款で免責が決められているからです。
このため、貨物保険がこのようなリスクをカバーしているのです。

関連コラム:
貿易の基本3:運送会社には賠償責任がない?2012/02/27

2013/07/01

航路標識の専門家 

マラッカ海峡で活躍している航路標識の専門家・佐々木生治さん。
読売新聞(2013-06-23)ワールドレビュー欄)に紹介されています。

タンカーやコンテナ船が往来する海峡の全長は約900キロもあり、最も狭いところでは5キロほどの幅しかなく、浅瀬も多い海峡です。
この細長い難関の海峡を通過するすべての船は浮標や灯台などの航路標識を頼りに航行しています。

佐々木さんは航路標識を点検する技術を20年以上にわたってインドネシアの人々に教え、海上の安全に協力しています。

日本にとっても石油など多くの貨物が通過する重要なシーレーンであり、このサプライチェインの要所を守るため財団法人マラッカ海峡協議会が
さまざまな支援を行っています。

2013/06/26

インド向け輸出の際には十分にご注意ください 

輸入書類に記載の重量が実際重量と違うと罰金。
インド・チェンナイ港でのお話しです。

今年3月からコンテナの重量検査を実施、どれくらいの差があるか確認を始めており、罰金を科していると報じられています。

書類上の重量と実際の重量に差があるようです。
ターミナル料金をセーブするために過少申告するのでしょうか。

今後、インドの全ての港で重量検査を行うとのことです。

関税を安く抑えるために輸入金額を過少申告する(つまり、脱税)のは聞いたことがありますが、コンテナ重量を過少申告するのは初めて聞きました。

2013/04/15

2013 © Pro Eyes Corporation

欧州発航空貨物のセキュリティー検査強化 

欧州発の航空貨物の搭載前の爆発物検査などのセキュリティー検査が義務付けられます。
2010年から施行されている新保安法が今月 4 月 29 日から完全施行となるためです。

事前登録されていない不特定荷主からの貨物については、70%以上の貨物がセキュリティー検査(24時間前申告、X線検査、梱包を開けての貨物検査)の対象になると予想されております。
貨物の到着遅れやセキュリティー検査費用など追加経費も懸念されます。

欧州からの輸入貨物は、早めの出荷手配が必要となるだけでなく、「特定フォワーダーを利用できるか?」「特定荷主の事前登録はしているか?」などを検討しておくことが大事になるでしょう。

関連コラム:
航空貨物のセキュリティー強化 2005/12/5

2013/04/01

パナマ運河は日米サプライチェ-ンの要 

太平洋と大西洋をつないでいるパナマ運河が開通して99年となります。
大正3年(1914年2月26日)に開通。

世界の貿易貨物の約5%がこの運河を通過しているといわれています。
なくてはならないサプライチェ-ンです。
米東海岸発着のコンテナ貨物は必ずこの運河を通過しています。

運河を通過待ちする船舶であふれてしまったことがありました。
米国で港湾ストライキが長引いた影響でした。
メキシコ経由で迂回せざるを得なかったことを思い出します。

最近は米国の港湾ストライキも稀になりましたが、天災の影響もあります。
2年ほど前に記録的な豪雨のため運河が閉鎖となったことがありました。

日米の貿易・サプライチェーンのリスクを考える意味で、大変に重要な運河です。

2013/02/12

8港が中国-最新の海上貨物動向レポート 

世界の港別コンテナ取扱量ランキングをご覧になりましたでしょうか?
国連UNCTADが毎年世界のコンテナ貨物の動きを発表しています。
(UNCTAD Review of Maritime Transport)

この報告書によると、中国発着の貨物量が依然として活況です。
2011年のトップ20は、上海を筆頭に中国の港が半数近くを占めています。
2012年1-10月の速報値ではトップ10のうち、なんと8港が中国の港です。

また、世界の海上貿易全体についてのレビューも報告されています。
・世界の船会社の供給キャパは、船舶トン数で前年比約10%増加。
・これに対し、海上輸送に依存する世界貿易量は4%程度の増加。
・供給過多の結果、海上運賃レベルは弱含みの傾向にある。
・物流コストダウン=貿易量増加へのプラス要因となっている。
との指摘もされています。

関連コラム:
コンテナ貨物の動き トップ10に中国の港は、実に6港 2011/10/12

2013/01/30

世界の航空貨物予測-日本は横ばい? 

世界の航空貨物予測 World Air Cargo Forecast (WACF) についてご紹介します。
米・ボーイング社が昨年10月の国際航空貨物フォーラムで発表した予測によると、今後の国際貿易はアジアを中心に活発化すると見込んでいます。

世界平均で年5%強もの成長が2031年までの20年間続くと試算しています。
なかでも中国・アジア発欧米・中東向け取引は、7-8%の高い成長率が見込まれています。

一方、日本発の航空貨物については、残念ながら低調な荷動きの数値が発表されています。
2012年の日本発貨物量は91万トン台と2009年以来3年ぶりに100万トンを割り込んだと報じられています。この影響もあり、日系フォワーダー各社へのアンケート調査によると、2013年はよくて横ばいとの予測となっています。

日本発も早くにプラスに転じることを願っています。

2013/01/21

EU域内の重量貨物輸送 

来年2013年は、仏・ノートルダム寺院の850年祭。
このお祝いのために、大きな鐘がオランダで造られています。
最大の鐘は、幅2メートル、重量6トン以上もするとか。

この大きな鐘の輸送をTNT Expressが担当しています。
オランダからフランスまでの超重量陸送が行われました。

このニュースを見て、海運用語の「ブレークバルク貨物」が思い浮かびました。

このような重量貨物はコンテナ船に積むことができません。
一般貨物船に積まれ「ブレークバルク貨物」と言われます。

このニュースはまだ日本語HPには掲載されていませんが、英文サイト
TNT Fast Newsからご覧になれます。

2012/12/24

税関申告が許可される時間は 

船や飛行機が空港や港に到着してから、税関申告が許可になるまでどのくらいの時間がかかるかご存知ですか?

・海上貨物 60時間
・航空貨物 13時間 
今年3月の調査結果です。

意外と時間がかかると思われるかもしれません。
この調査は一般貨物ですので、検疫などが必要な貨物はさらに時間がかかりますので、早めの準備をしておきましょう。

2012/10/23

9月20日は、「空の日」です

日本で初めて動力飛行機が空を飛んだのが、明治43年9月。
100年以上も前なのですね。

これを記念した「空の日」から30日までが「空の旬間」で、全国各地の空港でさまざまなイベントが行われます。

その中でも、面白そうなイベントをご紹介します。

「羽田空港に離着陸する航空機を海から撮影を楽しむイベント」
2012年9月30日FlyTeam 撮影クルーズ at 羽田空港

関連コラム:
9月20日は「空の日」 2011/09/12

2012/09/18

日本海ゲートウエイ 

先週の東京ビッグサイト・国際物流総合展2012でのこと。
「日本海拠点都市・新潟」のブースで、サプライチェインを再認識しました。

東日本大震災以来、サプライチェインとして重要性を増してきている日本海沿岸の港湾。
特に後背地への高速道路網が完備されており、緊急災害時だけでなく、アジア・中国・ロシアへの物流ゲートウェイとしても注目されている。

その中でも、新潟港は、従来から、LNG燃料輸入の拠点として重要港湾であったが、コンテナ取扱量が、他の日本海沿岸の港湾と比べて、断トツ(3倍以上)に増えてきている点に注目したい。

2008年以来、韓国・釜山港と定期配船を始めてから、特に顕著とのこと。
世界トップ5にランクされる釜山港は、アジア・中国だけでなく、欧州への物流ルートの拠点にもなっている。
新潟港からは、ロシア・ザルビノ港経由で中国東北部へのルートもある。

日本起点のハブ港が少なくなっている現状を見ると、新潟港を利用した海上輸送ルートが、コスト削減・リードタイム短縮の検討対象となるケースが多いのではないだろうか。

2012/09/18

輸入貿易実務(航空編)その4インコタームズ

輸入手続きで、想定外の請求を受けて困ったことないですか?
インコタームズ(国際貿易取引条件)ごとに、輸入者が負担すべき経費範囲が異なるからです。
自分が負担しなければならない経費について、理解しておきましょう。

輸出地のメーカーの倉庫で貨物を引き渡すEXW条件の場合は、商品代金だけを輸出者に支払い、輸入地に到着するまでのすべての経費は輸入者の負担となります。

反対に、輸入地に到着するまでのすべての経費(関税まで)を輸出者が負担するDDP条件もあります。
この場合、輸入時点で輸入者が支払うべき経費はゼロということになります。

EXW条件よりもDDP条件のほうが、お得? 
いえ、そんなことはありません。

DDP条件では、商品代金と輸入地までのすべての経費を含んだ代金を輸出者に支払っているのです。EXW条件では、商品代金だけを輸出者に支払い、その後の経費は自分で負担しているのです。

初めての輸入のときは、手間のかからないDDP条件で輸入、少し慣れてきたら、どちらがコストセーブになるか検討して、取引条件を決めるのも一案でしょう。

2012/09/10

輸入貿易実務(航空編)その3 輸入書類

海外の仕入先が現地での輸出手配を済ませると、船積案内と一緒に、輸入書類(Invoice、BL、CIF契約の場合は保険証券)を提供してきます。

書類を受け取ると、そのまま委託先通関業者に輸入書類を渡していませんか?
特に、Invoiceの内容をチェックしてから渡していますか?

Invoiceの計算が違っている
単純な計算ミスを税関申告で指摘されることがあります。
内容確認のうえ、書類の訂正が必要となります。その間輸入通関は保留となってしまいます。
時差のある輸出者との連絡に時間を要し、特に、週末を挟んでいる場合は、3-4日もロスしてしまいます。輸入通関が保留となっている間、貨物が保管されているターミナル料が加算されています。

せっかく、納期重視でコストの高い航空貨物を手配したのに、書類不備で、時間もロスする、エクストラコストもかかる、ということにならないように、書類を受け取ったら、必ず内容の確認をするようにしましょう。

・原産国が記載されていない
Invoiceに原産国 Country of Originが記載されていない場合がよくあります。
Shipping MarkにMade in XXXと記載されているだけで、Country of Origin:XXXの記載がない場合、貨物の原産国と認められません。

せっかく、特恵税率を利用した輸入を計画していても、一般関税率が適用されてしまいます。
このようなことにならないように、海外の取引先に発注する段階で、原産地証明書の提供と、「InvoiceにCountry of Origin:XXX記載を明記すること」の確認を忘れないようにしましょう。

2012/08/17

海外進出と国際サプライチェイン 

「日本企業にいま大切なこと」(野中郁次郎、遠藤功著、PHP新書)
経営のプロが海外に売り込める日本の価値観を語り合っている。

日本の「当たり前」が注目されている、「日本の強み」を自覚せよ、と。
ポイントは「日本の当たり前が世界での競争力」と説いている

海外進出でキーとなる国際サプライチェインを考える上でも、共通している点があるので取り上げてみた。

グローバル戦略で海外売り上げ比率を伸ばしているケースが多く紹介されている。
たとえば、まさに「日本の当たり前」、時間指定の宅配便サービス。
これは、世界のどこにもない。

国境を越える物流は、情報化である程度のトレースはできるようになっているが、まだまだこのような「日本の当たり前」、時間指定の宅配便サービスなど、皆無だ。

海外進出を考える上で、日本と世界の違いを、まずは知ることが先決だと思う。

2012/07/25

輸入貿易実務(航空編)その2 税関手続き

輸入通関は「税関だけ」、と思っていませんか?

海外旅行から帰ってきた時を思い出してください。
ターミナルに着くと、健康診断などの検疫所を通り、パスポートを提示して入国審査、そしてバッゲージを受け取る。食品や生花などを持ち返ってきた時は、検疫所で許可を受け、税関で貨物審査・関税支払い。そして、帰路に・・・

航空貨物の世界も、まったく同じです。
「輸入許可手続き」と「輸入申告手続き」に分かれているのです。

「輸入許可手続き」とは、税関(財務省)以外の省庁で行う手続きのことです。
たとえば、植物検疫・動物検疫は農林水産省、食品検疫は厚生労働省、輸入割当許可は経済産業省など、商品ごとに許可申請すべき相手先の省庁が分かれています。

たとえば、キッチン用品を輸入する場合、厚生労働省で食品検疫の許可を得ないと税関申告ができません。ドライハーブを輸入する場合には、厚生労働省だけでなく、農林水産省での植物検疫の許可も必要など。

食品や生花などを持ち返ってきた時に検疫所で許可を受けてから、税関で貨物審査・関税支払、この流れと同じです。

税関で行っているのは、「輸入申告手続き」だけです。関税法のもと輸入申告を行い、関税の支払いを行うのが税関での申告内容です。「輸入許可手続き」の許可をとらないと、税関での「輸入申告手続き」はできません。

貨物が着いて早くに手続きができないと、倉庫保管料などエクストラ料金が発生します。コストセーブのためにも、輸入する貨物は、どのような「輸入許可手続き」が必要か認識し、準備しておくことが大事です。

2012/07/20

輸入貿易実務(航空編)その1 フォワーダー

航空輸送というと、「フォワーダー」に相談するという方が多いと思います。

フォワーダーの本来の業務は、貨物の混載仕立て業務です。
まず、フォワーダーは、航空会社から貨物スペース契約をします。

複数のお客様から貨物を集荷した貨物を仕向け地ごとにパレット化します。
これを、「混載仕立て業務」といいます。
さらに、輸出通関業務も行い、空港ターミナルに混載貨物を引き渡します。
航空輸送は、フォワーダーがANAやJALなどに委託していることになります。

到着地に着くと、フォワーダーの手で、混載ブレーク作業が行われます。
個々の貨物に仕分けられ、配送となります。

航空輸送で「フォワーダー」の果たしている役割が大きいことがお分かりだと思います。

2012/06/22

コンテナ貨物ダメージ対策 その3 

事例:陸上輸送中での貨物ダメージ
日本では考えられないようなコンテナダメージのケースです。

海外主要港では、コンテナヤードが港湾地区だけでなく、内陸ポイントにも多くあります。
特に、アジア各国では、港に隣接したコンテナヤードが混雑するため、内陸のコンテナヤード(インランドデポ)で輸入通関をするケースが多くなっています。

コンテナ専用シャーシを利用するのではなく、一般のトラック(平ボデ車)にコンテナを乗せて運搬されるケースがよくあります。それも、コンテナを固定する器具がない中古のトラックを利用して、結果、輸送中のコンテナ落下事故や横転事故が報告されています。タイヤがパンクして、貨物が大破した事故も報告されています。

アジア各国の高速道路は、かなり整備されていますが、一般道路は違います。
交通マナーが悪く、急ブレーキを掛けることが多く、当然、貨物への影響もあり、事故に巻き込まれるケースも圧倒的に高くなっています。

回避策:
これといった対策がないのが実情ですが、自己防衛対応として、まずは、十分な梱包をしておくことは必須でしょう。
また、到着地に着いてからの陸上コンテナ輸送を委託する場合、輸入者側と事前に十分な打ち合わせと確認をしておくことも大事でしょう。

2012/06/18

コンテナ貨物ダメージ対策 その2 

到着港で行われる税関検査中に貨物がダメージを受けるトラブルが報告されています。
日本では考えられないようなことがアジア各港、特に中国では、要注意です。

事例: 輸入通関時での貨物ダメージ
一般的に、輸入通関では約1割の貨物が税関検査となります。
どの港でも、税関検査場は十分なスペースがなく、検査を屋外で実施することが多くなっています。検査待ちの間に、コンテナ内の貨物が屋外に仮置きされたまま、スコールの時期など、突然の降雨で貨物が濡れるといったケースがよくあります。

回避策:
税関検査となっても、コンテナから貨物すべてを出されないような対策が必要となります。
具体的には、貨物荷受人に現場立会いを依頼することをお奨めします。

貨物のハンドリング作業が全般的に荒いため、コンテナからの搬出作業中や検査場内でのハンドリング中に、貨物にダメージを受けるケースも多発しています。十分な強度の梱包をすることも必要となるでしょう。

2012/05/22

国際空港の評価アンケート

このような調査レポートがあるのを初めて知りました。
「エアポート・ノーベル賞」とも呼ばれているそうです。

世界186箇所の空港で、利用客へのアンケート調査とのこと。
正式には、「国際空港評価アンケート調査」。

2011年調査の総合評価を見ると、韓国・仁川空港がベストエアポート。
そして、シンガポール、北京、香港と続いています。
中部国際空港セントレアが第5位となっています。

アジアの「おもてなし度」が高いことがわかりますね。

2012/04/21

航空フォワーダー、EU競争法に違反 

3/29読売新聞経済面に小さく出ていた記事に目が留まりました。

この記事によると、中国発欧州向け航空貨物運送で価格カルテル、具体的には、航空フォワーダーが結託して燃油サーチャージの値上げを事前に合意していた、つまり「独禁法違反」で制裁金措置。

センセーショナルな記事ですが、少々補足する必要もあるように感じます。

日系3社だけでなく、欧米の大手航空フォワーダー10社も制裁対象となっており、世界的な問題として根深い問題をはらんでいるように感じます。

問題の各種サーチャージは、航空会社が市況の変動に応じて、運賃本体に上乗せする形で、フォワーダー経由で荷主あてに請求されます。フォワーダーとして、この立替を少なくしたいとの協議が制裁対象のようです。

値上げを決めているのは航空会社であり、フォワーダーは、受取り代行をしているだけで、独禁法に触れるとの認識が薄いことも指摘されています。

関連コラム:
国際運賃割増料 2009/4/14

2012/04/09

コンテナ貨物ダメージ対策 その1 

コンテナ貨物のダメージトラブルが増えています。事例と対応策をご紹介しましょう。

事例:コンテナヤードでの貨物ダメージ
経済発展がめざましいアジア各港、世界各国からの貨物船が増えている。全てのコンテナ船の荷役がコンテナ専用岸壁で行われるわけではないことを認識しておく必要があります。

コンテナ荷役専用クレーンがない一般岸壁でコンテナ荷役を行うケースが多くなっています。
コンテナ専用クレーンは、4点吊りですが、一般クレーンは、1点吊りの場合が多いため、コンテナが大きく揺れ、コンテナ内の貨物が移動してダメージとなることが起こりえます。

回避策:
船会社には、岸壁を指定する権限はありません。 到着する船の込み具合をみて港湾局の判断で、使用岸壁が指定されるのです。つまり、荷主として、コンテナ専用岸壁での荷役を指定することは、不可能なのです。

そのため、一般クレーンによるコンテナ荷役が行われることを予め想定した梱包対策が必要となります。特に、機械設備など、偏加重を伴う貨物は十分な注意が必要です。

2012/03/28

海賊対策

ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」のお話ではありません。
ソマリア沖では、貨物船を狙った海賊行為が、まだ多発していると報道されています。

日本をはじめ、世界各国の海軍が協力して、撲滅に努めていますが、広大な海域を軍艦で警戒していても、いたちごっこの様相。

そのため、この海域を通行する貨物船に武装ガードを乗船させて警護にあたることを、国連海事機関(IMO)で検討中。

関連コラム:
海賊対策 2011/11/4
世界で活躍する日本人 2011/7/11

2012/03/12

日本には、900以上もの港湾がある? 

ご存知でしたか?
900以上と、数はたくさんありますが、国際競争力の見直しが必要!

海に囲まれた島国なので、多くの港があって当然でしょうが、世界の港湾が展開する物流競争で、日本は、はるかに遅れてしまっています。

中国・上海、韓国・釜山をはじめ、アジアの港はめざましい発展をしています。
かつてトップ10にいた日本の港は、25位以下の低迷状態です。

輸出だけでなく、海外からの輸入食品の調達への懸念もあり、日本政府は遅ればせながら、国家戦略に取り組みだしたと報道されています。

京浜港(東京・横浜・川崎)と阪神港(大阪・神戸)を「国際コンテナ戦略港湾」に指定、2020年までに「トップ5」をめざしているという。

関連コラム:
コンテナ貨物の動き トップ10に中国の港は、実に6港 2011/10/12

2012/03/03

輸入物流経費を知ろう 

A地点からB地点までに掛かる経費項目は、3グループにわけることができます。

1.輸出地でかかる経費:
貨物ピックアップ料、ターミナル料、輸出申告料、輸出梱包費など

2.国際輸送の経費:
基本運賃、燃料割増料、為替調整割増料、セキュリティー割増料など

3.輸入地でかかる経費:
輸入通関料、貨物検査料、ターミナル料、配達運賃、輸入関税、輸入消費税など

この経費を輸出者が負担するか、輸入者が負担するかを取り決めているのが、世界共通の貿易条件(インコタームズ)です。最新版のインコタームズ2010では、この条件が11種類もありますが、ここでは、日本でよく使われるいくつかの条件について、経費の負担範囲がどう違うかみてみましょう。

EXW条件 (Ex Works、工場渡し)
工場を出荷した時点で、売主から買主にモノの引渡しが行われた以降、買主は、輸入地までのすべての費用負担(つまり、経費項目1+2+3)をして、物流手配も行わなければなりません。

FOB条件 (Free on Board:本船渡し)
FOBの場合、モノが船に積み込まれた時点で、売主の引渡しが完了します。この場合、売主は、経費項目1(輸出地でかかる経費)を負担し、買主は、経費項目2+3(国際輸送の経費と輸入地でかかる経費)を負担することになります。

CFR・CIF条件 (Cost and Freight:運賃込み)
日本到着までの全ての経費項目(1+2+3)を売主が負担する条件で、保険を付けない場合がCFR条件であり、保険込みの場合がCIF条件となります。

この条件は、買うほうにとって、物流手配をしないため、便利に思われがちです。しかし、売主に丸投げするのと同じで、日本到着まで輸出地費用、国際運賃が妥当なレベルであるかどうかの検証をする必要があります。

初めて輸入取引される方にとっては、売主に物流手配を一任するCFR条件かCIF条件で始めて、慣れてきた段階で、自分で全ての物流手配をするEXW条件に切り替えるのも一案かと思います。

関連サイト:
インコタームズ2010(その1) 2010/10/6
インコタームズ2010(その2) 2010/12/8

2012/03/02

効率的な国際物流の3つのポイント(輸入編)

効率的な国際物流を行うためには、以下の3つのステップで進めてみるのが良いでしょう。

ステップ 1: 貿易コンプライアンスと関税率の調査からはじめましょう

日本の輸入取引は、原則自由です。しかし、事前の許可・承認が必要とされる商品があります。そのため、まず、輸入取引での法規制の調査(貿易コンプライアンス)から始めます。また、環境保護で規制されている商品もあります。
同時に、輸入で掛かる総コストを算出しておくために、関税がいくらかかるのかも事前に調べておきます。

ステップ 2: 国際運賃部分だけでなく、輸入総コストを数値化しましょう

どのような物流が効率的かどうかを判断するのは、国際運賃部分だけでは判断できません。ステップ1の関税調査に引き続き、A地点からB地点までに掛かるすべてのコストを数値化することが必要です。
輸出地で掛かる経費+国際運賃+保険料+輸入地で掛かる経費+関税のようにすれば、総コストを知ることができます。

為替レートのように変動要因のある項目については、現時点の実勢レートより5%アップで試算したり、見積書に「検査費用、実費」と記載されている場合は検査をする場合の想定値で試算する等、全ての経費項目を数値化して、トータルコストをわかるようにして、比較検討すればどのパターンが効率的なすぐに判断できるでしょう。

総輸入コストを試算しておくことで、輸入時に必要な資金がいくら必要になるかもわかります。輸入経費の支払いは、貨物引渡しと同時に行うのが一般的ですので、資金繰りの上でも大事です。

ステップ3: 商品情報を早めに入手しておきましょう

輸出者からの発送案内の連絡を受けたら、通関手続きに必要とされる書類の提供を必ず依頼してください。国際宅配便や航空貨物の場合、貨物と一緒に書類が届きますが、事前に輸出者から必要書類を入手していれば、輸入通関手続きで手間取ることがありません。

さらに、輸入商品のカタログ情報や前回輸入通関時の実績書類を提示すると、通関手続きを早くに行うことができます。このような情報がない場合、貨物検査の対象になる確率も高く、その検査費用が経費アップとなるだけでなく、時間もかかることにもなります。

関連サイト:
ココム規制とワッセナーアレンジメント2012/01/19
効率的な国際物流の3つのポイント 2012/2/14

2012/2/27

空への情熱 

女性の鉄道ファン「鉄子」ならぬ、航空ファン「空美(そらみ)」が増えているそうです。
成田空港で女性限定の撮影イベントが盛況、北海道や関西からの参加もあるとか。

イベント参加だけでなく、カメラを担いだ「空美」が成田空港や羽田空港だけでなく、なかには、海外まで飛行機の追っかけをしている強者もいるそうです。

将来、母親になったら、子供と一緒に飛行機を追っかけですね。
なでしこ力、たくましく、強い!

2012/02/20

海への情熱 

貿易が始まった中世以来、大海原へのチャレンジの繰り返しでした。
危険を顧みず大いなる情熱で、世界の海に飛び出していった人々がいました。

現代でも、同じように「海への情熱」を追求している人がたくさんおられます。
その代表格 - 海洋エッセイスト・拓海広志氏。
100年ぶりに石貨航海を再現した「熱き心」をもった情熱家です。

ミクロネシア・ヤップ島で使われている石のお金、
「どのように運ばれ、使われるか、その物語性でお金の価値が決まる」

海洋民族の知恵と情熱で、原木からカヌーを作る、パラオ島まで海を渡り、
石灰石を切り出し、また持ち帰ってくる。
「物語性」を求めた大冒険ですね。

ワンポイント:
「物語性があるようでない」と言った小説への情熱家もいます。
芥川賞選考委員を退任した作家・石原慎太郎氏。

「今の文学は、時代を反映してか、刺激がない。」
「小説家がただ物語を書いているだけの時代ってのはいいようで悪いのでは」・・・
こちらも、文学への情熱、「熱き心」をもった情熱家ですね。

関連コラム:
海の日にちなみ-ビジュアルでわかる「船と海運のはなし」 2006/6/20

2012/02/16

効率的な国際物流の3つのポイント

「モノを効率的に運ぶ」、いかに早くに、安全に、しかも経済的に運ぶか、頭を悩ます課題ですね。
物流業者にどのような輸送形態が効率的か相談したり、見積り依頼をする前に、どのような貨物を、どこからどこへ、いつまでに届けたいか、要件を整理しておきましょう。そのための3つのポイントです。

ポイント 1: 契約している取引条件を確認しておきましょう

それぞれの取引条件ごとに、売主と買主の費用負担範囲が決められています。たとえば、EXW条件と、FOB条件の場合は、輸入者がすべての物流手配をすることになります。一方、、CFR条件の場合は、輸出者が物流手配をしますので、輸入者が輸入通関以降の手配をすればよいことになります。
契約している取引条件によって、自分が手配すべき範囲(見積もりの必要要件)が明確になります。

ポイント 2: 納期指定日を明確にしましょう

一般に、緊急を要しない場合は、海上輸送でよいのですが、納期を急ぐ場合は、時間的な制約から、一般の航空貨物輸送でなく、国際宅配便の利用を検討することもあると思います。さらに、超緊急の場合には、“ハンドキャリー”の利用も検討しなければならないかもしれません。
相手先にいつまでに届けたいかは、見積もりの必要要件として大事です。

ポイント 3: 貨物の重量と大きさを確認しておきましょう

国際輸送では、実際の重量か容積重量か、いずれか大きい方が運賃計算上の重量となります。これも、見積もりの必要要件として重要な要件となります。
航空輸送でも、海上輸送でも、運べるスペースは一定なので、嵩張って軽い商品と小型で重い商品との不公平感を無くすために、梱包の縦x横x高さの容積を計算して、、容積重量と実重量との比較で、運賃が計算されるためです。

輸送運賃の計算方法:
容積重量1キロは6,000立方センチですので、1メーター四方の箱の場合、100×100×100÷6,000 = 167キロとなります。実重量が167キロ以下の場合、この容積重量で運賃計算がされます。
(容積重量1キロ=5,000立方センチ=200kg計算を適用する場合もあります)

関連サイト:
インコタームズ2010(その1) 2010/10/6
インコタームズ2010(その2) 2010/12/8
効率的な国際物流の3ポイント(輸入編) 2012-02-27

2012/2/14

米航空業界 - 大競争時代?

2001年の米同時テロ以来、米国航空業界は再編の連続です。
つい最近も、老舗のアメリカン航空が経営破綻とのニュースがありました。

この10年間、原油高、格安航空会社の攻勢にさらされてきました。
破産法申請でコスト削減、再編で規模拡大による効率化をめざした企業再生で、すっかり様変わりしています。

・ユナイテッドは、2002年に破綻、2010年にコンチネンタルと統合し、最大手に復活
・デルタは、2005年破綻、2008年にノースウエストと合弁し、業界2位

関連コラム:
空の日と米航空業界 2005/10/6

2011/12/16

海賊対策 

中近東海域を航行する貨物船への海賊行為が依然として続いています。
日本国は、自衛隊が、護衛艦2隻、P3C哨戒機2機を派遣して、日本船舶の警護をしています。

アデン湾海域では、一定の効果をあげていますが、最近は、ソマリア沖へ被害が移っており、経団連が、政府にソマリア沖を航行する貨物船への海賊対策を要請したと報じられています。
民間船舶に武装した自衛官を乗船させることも視野に入れて、対応策強化の検討が行われているようです。

ワンポイント:
海賊被害件数、年間220件もアデン湾から、ソマリア沖へと移動している実態がお分かりかと思います。
平成21年 - 217件 (アデン湾 131件、ソマリア沖  86件)
平成22年 - 219件 (アデン湾  75件、ソマリア沖 144件)
平成23年(10/2現在) - 203件 (アデン湾 64件、ソマリア沖 139件)
*国際海事局資料

日本船籍のタンカーが海賊に襲撃された時に、米軍に拘束された未遂犯(ソマリア人海賊)が身柄を日本に移され、今月、初の裁判が行われると報じられています。有罪か無罪の審理をする前に、国家間の裁判管轄など法的問題の審理が必要なようです。

この海域は、中東からの原油輸送だけでなく、欧州との物流ルートとしても重要な海域です。

関連コラム:
世界で活躍する日本人2011/7/11

2011/11/4

コンテナ貨物の動き トップ10に中国の港は、実に6港 

2010年度の世界主要港でのコンテナ取扱いランキングが発表されています。
躍進著しいアジア経済を反映して、上海港が遂に世界のトップに躍り出てきました。

1位 上海、3位 香港、4位 深セン、6位 寧波、7位 広州、8位 青島と続きます。
ちなみに、トップ10の中国以外の港は、シンガポール(2位、2009年度までトップ)、韓国釜山(5位)、ドバイ(9位)、ロッテルダム(10位)となっています。
日本は残念ながら、27位 東京港、36位 横浜港と下位を低迷しています。
(出所:英Containerization International)

関連コラム:
コンテナ荷動き量 2010/7/15
海上コンテナ貨物荷動き 2009/8/5
コンテナ取扱いランキング 2008/5/15
中国の2005年度コンテナ取扱量統計 2006/1/20

2011/10/12

ミス・ビードル号 

20世紀初めは、リンドバーグの大西洋単独無着陸飛行の成功で、空を夢見る多くの冒険家が次の目標として、太平洋横断に命がけの挑戦を繰り返してましたが、失敗の連続でした。

遂に、1931年(昭和6年)10月5日、日本から米国まで無着陸で太平洋を無事渡りきったのが、ミス・ビードル号です。
全長8.5メートルしかないプロペラ機が、青森県三沢を飛び立ち、米西海岸のワシントン州ウェナッチまで約8,000kmを実に41時間で横断しました。

日本から東へ飛ぶと偏西風を利用でき、青森県三沢とワシントン州ウェナッチとは地理的に最短の飛行ルートであったとの記録があります。

先人の歴史的快挙を記念して、ミス・ビードル号(復元機)の記念飛行が 8月18日に行われ、80年ぶりに赤い機体が三沢の空に舞いました。
9月4日には、三沢基地航空祭でデモ飛行が行われる予定です。日本での最後の飛行となり、この復元機は米国に戻るそうです。

ワンポイント:
人類初の太平洋無着陸横断飛行の発着地ということで、青森県三沢市と米国ワシントン州ウェナッチ市、東ウェナッチ市とは姉妹都市となっています。

三沢市は、飛行機とともに歩んできた街です。
現在の三沢空港は、米国空軍、航空自衛隊、民間機の3者が共同使用する我が国でも唯一の珍しい空港です。(三沢市観光協会説明文より)

2011/8/22

翼よ、あれがパリの灯だ 

"翼よ、あれがパリの灯だ"で有名な飛行家チャールズ・リンドバーグ。
1927年(昭和2年)ニューヨーク・パリ間を単独無着陸飛行に初めて成功した後、夫妻で日本に来たことがあるそうです。
1931年9月(昭和6年)に北太平洋横断の途中、水上飛行機で日本に立ち寄ったとのことです。

この飛行のスポンサーであった報知新聞社との会談が大本山総持寺(横浜市鶴見区)で行われたとの記録があります。夫妻ともに上手に箸を使って精進料理を食べられたようです。

ワンポイント:
今では考えられないようなルートです。
ニューヨーク~アラスカ~アリューシャン列島~千島列島~根室~霞ヶ浦~大阪~福岡~中国

関連コラム:
ミス・ビードル号 2011/8/22

2011/9/12

9月20日は「空の日」

9月20日が「空の日」に制定された経緯は、諸説あるようです。
1911(明治44)年9月20日に東京上空を飛行船が初めて飛んだことの記念のようです。しかし、歴史をひも解くと、どうも日本で最初の飛行に成功したのは、前年の1910(明治43)年12月に行われた飛行実験だったとの記録もありました。

9月20日から30日までは「空の旬間」で、全国各地の空港でイベントが行われています。

関連コラム:
9月は「空の旬間」 2009/9/28
空の日(2) 2007/9/29
空の日と米航空業界 2005/10/6

2011/9/12

海の日にちなんで – 日本近海は恐ろしい 

石原慎太郎氏が最新の著書「新・堕落論」で、”世界のあちこちの海でオーシャン・レースに出てきましたが、日本近海の海ほど危うく恐ろしい海は滅多にない”と著しています。
昨日の「海の日」にちなんで、ヨットマンとしてのするどい気象への観察をご紹介したいと思います。

毎日、いくつもの低気圧が日本列島を通過しているため、日本近海の気象条件が厳しいのだと指摘しています。低気圧とは嵐であり、冬場に発生する低気圧は台風以上の力であり、ちょうど今日のように、年に何度かは台風が北上してくる環境にもあると著しています。

原因として、日本列島は世界最大の暖海と寒流に洗われていることと、三千メートル級の山脈があることなどが低気圧にいろいろな影響を与えており、世界の中でもこれほど厄介な条件を備えた国土は滅多にないと断定しています。

このような条件の中、今日も海上輸送が行われています。
海の安全を願っております。

関連コラム:
海の日(3) 2007/7/3
海の日にちなみ-ビジュアルでわかる「船と海運のはなし」2006/6/20
海の日(2) 2005/8/1
海の日、海の月間 2005/7/15

2011/7/19

空と大地の歴史館

成田空港近くにある航空科学博物館敷地内(芝山町)に、成田空港の過去・今・未来がわかる歴史館が6月23日にオープンしました。

空港建設が決ったのは、今から45年も前の1966年。
ボタンを掛け違えた官権と地元民との激しい反対運動の末、1978年にようやく開港。

この間、反対派・推進派などさまざまな立場の人々の苦悩と想いがありました。

パンフレットタイトル:
空港をめぐり、この地に刻まれた歴史を後世に伝えます。
空と大地の歴史館
千葉県山武郡芝山町岩山113-2、航空科学博物館敷地内
入場無料
開館時間:午前10時~午後5時、月曜休館

2011/7/4

国際輸送での損害賠償責任 

国際輸送をする際に、船会社や航空会社には輸送中のあらゆる事故に対して、損害賠償責任があると思っている方が多いと思います。

よくあるケースですが、事故発生となったが、クレーム金額の一部分しか求償されなかったというご相談を受けることがあります。
国際輸送を受託した船会社や航空会社には、貨物を目的地まで安全に輸送し引渡す義務はありますが、全ての損害について運送人の賠償責任ではありません。

関連コラム:
貨物海上保険の役割 2011/6/20
保険はなぜ必要? 2009/9/22
輸出入取引の貨物保険 2008/10/7

2011/6/20

国際輸送での損害賠償責任 

国際輸送をする際に、船会社や航空会社には輸送中のあらゆる事故に対して、損害賠償責任があると思っている方が多いと思います。

よくあるケースですが、事故発生となったが、クレーム金額の一部分しか求償されなかったというご相談を受けることがあります。
国際輸送を受託した船会社や航空会社には、貨物を目的地まで安全に輸送し引渡す義務はありますが、全ての損害について運送人の賠償責任ではありません。

関連コラム:
貨物海上保険の役割 2011/6/20
保険はなぜ必要? 2009/9/22
輸出入取引の貨物保険 2008/10/7

2011/6/20

空の日と米航空業界 

毎年9月20日が「空の日」なのをご存知でしたか?
第2次大戦前に「航空日」という日が制定されていましたが、戦後、民間航空が再開した翌年1953年により親しみやすいネーミングにしようということで、「空の日」に改称され、シンボルマーク「920(くにまる)君」も誕生しました。

この「空の日」を記念して、日本各地の空港でさまざまな催しが行われています。中部国際空港セントレアでは、 「スカイフェスタ」 という大規模なイベントも行われます。

アメリカから航空業界の一大ニュース 
アメリカ航空業界3位デルタ航空、4位の老舗ノースウエスト航空が破産法の適用を申請しました。
運賃値下げ競争の激化、テロ対策費用の増加、安全管理を維持しながらのリストラ経営など課題が山積みの米航空業界に原油高騰・ハリケーンが追い討ちをかけた結果の破綻でした。

今後、業界再編も予想されるなか、IATA(国際航空運送協会)は、燃料費高騰で世界の航空会社の赤字が74億ドル(約8,140億円)に達すると発表しています。

関連コラム:
9月20日は「空の日」 2011/9/12
9月は「空の旬間」 2009/9/28
空の日(2) 2007/9/29

2005/10/6

あわやの事故 

ロサンゼルス空港に緊急着陸したアメリカのエアライン”Jet Blue”のテレビニュースが繰り返し放映されました。あの前輪から火を吹き緊迫した映像でしたが、乗客・乗員に怪我なく、無事でした。

デルタ・ノースウエストとアメリカの大手航空会社が破綻するなか、好業績を挙げている勝ち組航空会社のジェット・ブルー・エアウエイズ。
2000年創業とまだまだ歴史がありませんが、積極的なIT投資でチケットレスで販売コスト削減したり、安い運賃ながら最高のサービスを提供しているユニークな会社です。
搭乗員にワイヤレスモバイルを持たせ、安全面へのIT化などは、今回のような緊急事態でも冷静な対応への基盤ができていたなど、顧客の視点からの経営姿勢が高く評価されています。

2005/10/6

航空貨物のセキュリティー強化 

平成17年10月1日より、すべての貨物の搭乗前、X検査・爆発物検査を義務つけた「航空保安対策基準(特定荷主及び特定フォワーダー制度)」が国交省から発表されました。

9.11同時多発テロ以来、すべての航空貨物は、搭載前24時間留置措置がとられ、テロ攻撃に対するセキュリティーを維持してきましたが、航空貨物を迅速、円滑に輸送することが課題となっていました。

貨物を迅速に、円滑な輸送を実現するために、 適切な保安措置を講じた運送事業者(航空代理店・フォワーダー)を「特定フォワーダー」として認定、さらに、貨物の安全と法令遵守に該当する荷主(輸出当事者)を「特定荷主」として認定して、 X線検査・爆発物検査を免除することになります。
保安強化をする一方で、特定荷主については、検査等で輸出手続きにかかわる時間短縮をすることにあります。スポット輸出など、特定荷主に認定されない場合は、24時間留置措置・X線検査・貨物検査が行われることになりますので、注意が必要です。

現在は24時間留置措置は実施されていません。

2020/09/15 更新

YS-11お疲れさま 

日本発の国産旅客機として活躍してきた日本エアーコミューター(JAC)のYS-11が9月末にラストフライトとなりました。

♪♪風の中の昴、砂の中の銀河♪♪
終戦と同時に、進駐軍(GHQ)から日本は航空開発が禁止された。
昭和27年まで続いた。
ゼロ戦を作った日本の高度な技術を進駐軍は恐れていた。
技術者は日本の翼をよみがえらせる情熱を持ち続けた。
開発禁止が解けた昭和27年に5人の技術者が立ち上がった。
「輸送機設計研究協会」をスタートさせた。
心配と自信の葛藤の連続だった。
5人の技術者と若手技術者が試行錯誤した。
プロトタイプが昭和33年に完成した。
横浜の杉田で模型機が公開された。
昭和35年、設計図が完成した。
2年後、名古屋空港で初飛行に成功した。
日本初の国産旅客機が誕生した。
♪♪風の中の昴、砂の中の銀河♪♪

YS-11の名前の由来:輸送機(Y)設計(S)研究協会からイニシャルをとり、奇しくもプロトタイプが公開されたのが横浜(Y)の杉田(S)で、昭和33年の12月11日だったそうです。

2006/11/10

物流ビッグバン

アジア各国との輸出入取り扱い量の格差は広がるばかりですが、日本政府は、遅ればせながら、対応策を実施する方向で動き出しました。

港湾や空港の24時間化、通関手続きの簡素化とコンテナ取り扱いコスト減、さらに貨物到着まえに輸入申告ができるようにするなど、物流を抜本的に改革する物流ビッグバンに取り組んでいます。

2005年度取扱量(TEU 参照)
東京      660万TEU
シンガポール 2,319万TEU
香港     2,243万TEU
上海     1,808万TEU
釜山     1,184万TEU

関連コラム:
コンテナ貨物の動き トップ10に中国の港は、実に6港 2011/10/12
コンテナ荷動き量 2010/7/15
海上コンテナ貨物荷動き 2009/8/5
コンテナ取扱いランキング 2008/5/15
中国の2005年度コンテナ取扱量統計 2006/1/20

2007/1/15

原油価格急騰 

米国でのサブプライムショックの影響から、原油価格が100ドル間近となり、海上輸送・航空輸送への影響も必至な状況となっております。

航空各社は、11月度より日本発の燃料割増料金の値上げを検討していると報道されております。
航空燃料の相場価格が過去5年間の平均価格と比較して、一定期間連続して上回った場合、各航空会社から国土交通省に申請のうえ、燃料割増料の修正が行われています。

航空会社により適用時期・適用額が異なる場合もありますので、運賃契約の際に確認が必要です。
海外発の場合も同様に割増料が適用されております。

また、海上輸送も同様に運賃修正が適時行われておりますので、基本運賃だけでなく、燃料割増料、為替割増料などの確認をすることをお忘れなく。

関連コラム:
国際運賃割増料 2009/4/14

2007/11/5

原油価格急騰(2) 

原油価格がついに100ドル超えとなり、国際運賃が急騰、さらには世界的な鉄鋼需要増から、傭船料も高騰してきています。

このため、一度に多くの原料を運送することで、高騰しているコストを少しでも押さえ、効率的な輸送を目指す動きが報道されています。
特に、従来から大量輸送を行っている鉄鉱石の輸送では、更なる大型船舶(東京タワーがすっぽりと納まってしまうような全長340メーター、30万トンクラスの大型船)の導入が計画されています。

一方、ドイツの海運会社では、自然の風を利用して帆走することで、燃料の節約が出来る貨物船が計画されています。160メーターもの長さのタコを船首に取り付け、貿易風を受けることで、燃料の節約、さらには温室効果ガス削減効果も期待されているようです。

関連コラム:
国際運賃割増料 2009/4/14
原油価格急騰 2007/11/5

2008/1/10

国際運賃割増料

マスコミ報道で国際旅客航空運賃の燃料サーチャージのことがよく報道されますが、今回は貨物を国際輸送する場合のサーチャージについてワンポイント解説です。

海上輸送でも、航空輸送でも、国際宅配便でも、基本運賃以外に割増料がプラスされます。
国際運賃は、基本運賃+燃料割増料+為替割増料+その他割増料の合計となりますので、運賃契約の際に確認されることをお奨めいたします。
また、割増料は、運行会社により適用時期・適用額が異なりますので、ご注意を。

関連コラム:
原油価格急騰 2007/11/5

2009/4/14

海運アライアンス 

航空会社のアライアンスはよくご存知だと思いますが、世界の海運会社でも同じような共同運航がさかんに行われているのをご存知でしょうか?

コンテナ船は、中国やインドなどのBRICsの経済発展やアジア起点の国際分業生産などにより年率10%以上で拡大しています。
そのため、寄港する港を増やし、しかも配船頻度を高め、航海日数の短縮などサービス改善の要請はますます高まっており、船隊の規模拡大が課題となってきています。

単独で110隻以上のコンテナ船を保有する世界最大の海運会社であるMaersk Sealand(デンマーク)が来年早々にオランダの海運会社P&O Nedlloyd社を買収することを発表し、保有船舶数が160隻以上になります。

日本郵船をはじめ独・マレーシア・香港とP&O Nedlloyd社の5社が加盟していた世界第2位のアライアンスは、 P&O Nedlloyd社の穴埋めを目的として、商船三井・韓国・シンガポールで結成している第4位のアライアンスと来春に提携することで、 200隻を保有する世界最大の共同運航体制が実現することになります。
海運会社それぞれに提携関係の拡大で生き残りをかけ、競争激化に対応しています。

関連コラム:
海運同盟 2010/11/5

2005/10/24

中国の2005年度コンテナ取扱量統計 

経済発展の目覚しい中国での輸出入が激増しているという報道が連日のようにされていますが、興味ある記事がありましたので、ご紹介いたしておきます。

2005年度コンテナ取扱量統計が発表されています。
上海港が世界第3位で前年比24%強の伸び率で1,808万TEU(*)、深セン港は、世界第4位(前年比18%強の伸び率で1,620万TEU)となっていますが、同じ中国でも香港港は、取扱量ランキングではシンガポールについで第2位(2,242万TEU)は確保したものの、伸び率が2%しかなく、上海と深センが香港に追いつくのも時間の問題とみられています。
香港の港湾当局では、原油価格の高騰と労務コスト高による経営コスト増加が原因と分析し、今後は業務の質を高めることで巻き返し策を練っています。

かつては、上位にランキングされていた日本の主要港にとってはもっと切実な問題と思います。
ちなみに、東京港の取扱量は、上海港の1/4程度となっています。

(*)TEU=20フィートコンテナ換算(Twenty-foot Equivalent Units)
各地の港湾で取り扱うコンテナ数量を数値化するために、20フィートコンテナ単位で換算したコンテナ本数のこと。

関連コラム:
コンテナ貨物の動き トップ10に中国の港は、実に6港 2011/10/12
コンテナ荷動き量 2010/7/15
海上コンテナ貨物荷動き 2009/8/5
コンテナ取扱いランキング 2008/5/15
物流ビッグバン 2007/1/15

2006/1/20

日本の商船事情 

日本の輸出入を支えているのは、コンテナ船や在来貨物船などの商業船舶です。
日本の商船隊は、1,896隻登録されていますが、日本籍の船はたったの99隻で、日本人船員は3,008人と構成比で5%しかおりません。

日本の商船隊を支える船員の95%は外国人船員に依存しているのです。フィリピン72%、中国5.5%、インド4.6%、韓国3.5%、インドネシア・ベトナム2%などアジアの国々の船員に大きく依存しているのです。

外国人船員に大きく依存していること、海難事故の多くは人的要因によることなどから、国土交通省がASEAN船員政策フォーラムを定期的に主催しており、船員の質の向上を目指しています。
国際海事機関(IMO)が設立母体である世界海事大学(WMU)の指導の下、地道な人材育成教育が行われています。

2006/3/31

海難事故

先月中旬、テレビニュースで貨物船が海底に沈んで行く様子が報道されました。
4月13日濃霧の朝、千葉館山沖でフィリピン船籍の6,182トンの貨物船と青森港所属の内航貨物船(498トン)がお互いの位置確認ができずに衝突。大型の貨物船が沈没となりました。

沈没する様子がテレビに映し出されるのは大変に珍しいですが、海難事故は、決して珍しくはなく、日本近海だけでも、年間10件ほどの事故が発生しています。

筆者も、いままでに様々な海難事故を経験してきました。千葉野島崎沖で船体亀裂による沈没事故、アメリカバミューダ海域での船体火災による沈没事故、ハワイ海域での座礁事故などなど体験致しました。

関連コラム:
コンテナ船事故 2007/8/21

2006/5/12

海の日にちなみ-ビジュアルでわかる「船と海運のはなし」

あと1ヶ月ほどで7月の3連休となります。貿易にたずさわる方には大変になじみのある「海の日」です。

タイミングよく、海にロマンと情熱を持ち続けている物流業界のプロによる大変に興味ある書籍が出版されました。

ビジュアルでわかる「船と海運のはなし」
(拓海広志著、成山堂書店発行、定価\2,310)

神戸商船大学航海学科卒業という経歴から、海に憧れ、水平線の向こうへのあくなき興味が全編に溢れており、貿易にかかわる海運・港湾の基礎知識が分かりやすく解説されています。

「航空機が発達した現在もなお海を越えてモノを運ぶ主役は、船です」(著者まえがきより)とありますが、非常に含蓄のある言葉で、貿易の基礎は、船・海上輸送など海に関連したことを知ることが第一歩であります。

これから貿易を勉強する方にはもちろんですが、既に貿易業界・物流業界で活躍されている方にも参考となるように、海・船などのキーワードが幅広く紹介されています。
ぜひご一読されることをお奨めいたします。

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2006/5/12

物流ビッグバン 

アジア各国との輸出入取り扱い量の格差は広がるばかりですが、日本政府は、遅ればせながら、対応策を実施する方向で動き出しました。

港湾や空港の24時間化、通関手続きの簡素化とコンテナ取り扱いコスト減、さらに貨物到着まえに輸入申告ができるようにするなど、物流を抜本的に改革する物流ビッグバンに取り組んでいます。

2005年度取扱量(TEU 参照)
東京      660万TEU
シンガポール 2,319万TEU
香港     2,243万TEU
上海     1,808万TEU
釜山     1,184万TEU

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2007/1/15

コンテナ船事故 

先月7月27日未明、伊豆諸島沖で大型船同士の衝突事故がありました。
大型コンテナ船(25,836トン)の左舷後部に大型貨物船(77,211トン)の船首部分が食い込み、自力運行が出来なくなった事故でした。
テレビニュースで放映されていましたが、コンテナ船左舷後部に積まれていたコンテナが落ちそうになっている映像でした。

今回は、コンテナ流失などの事故にはならずによかったですが、海上輸送にはリスクがあることを再認識させられました。海上コンテナに貨物を積み込み、本船積みされれば自動的に貨物が目的地に配達されると思われ勝ちですが、航海途上でさまざまの危険に遭遇することを念頭に入れたリスク対策が必要となります。

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2007/8/21

コンテナ取扱いランキング 

2007年世界主要港でのコンテナ取扱いランキングが発表されました。
(単位:1,000TEU、出所:Containerization International)

1位 Singapore (27,932)
2位 上海、中国(26,150)
3位 香港、中国(23,881)
4位 深セン,中国(21,099)
5位 釜山、韓国(13,270)
6位 Rotterdam, Netherlands(10,791)
7位 Dubai, UAE(10,653)
8位 高雄、台湾(10,257)
9位 Hamburg, Germany(9,900)
10位 青島、中国(9,462) 
 
中国、韓国をはじめアジア発着の荷動きが活発化してきています。
特に、上海港の急成長(前年比20%以上)が顕著であり、2008年には世界第1位になるものと予想されています。
これに対して、日本の主要港は、前年比マイナスと順位は後退しており、漸く25位に東京港(3,818千TEU)がランクされているのが現状です。
これの改善のために、域内経済提携も含め、中国、韓国、日本間での東アジア物流圏構築などの検討が行われています。

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2008/5/15

国際運賃割増料 

マスコミ報道で国際旅客航空運賃の燃料サーチャージのことがよく報道されますが、今回は貨物を国際輸送する場合のサーチャージについてワンポイント解説です。

海上輸送でも、航空輸送でも、国際宅配便でも、基本運賃以外に割増料がプラスされます。
国際運賃は、基本運賃+燃料割増料+為替割増料+その他割増料の合計となりますので、運賃契約の際に確認されることをお奨めいたします。
また、割増料は、運行会社により適用時期・適用額が異なりますので、ご注意を。

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原油価格急騰 2007/11/5

2009/4/14

海上輸送依存度 

貿易立国である日本の歴史は、海運の歴史でもあります。
日本の輸出入は、ほとんどを海上輸送に依存していることを考えると、「海の日」をよりいっそう理解する必要があると思います。

全輸出入のうち、海上輸送依存度は、重量ベースで99.74%(1,634万トン)
(東京税関発表、平成20年度物流動向調査)

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2009/7/6

海上コンテナ貨物荷動き 

日本発米国向けコンテナ数は、中国に次いでアジア2位を維持してきましたが、4月実績で、韓国発コンテナ数が日本発の数値を超えました。
コンテナ取扱量の統計を開始した1995年以来初めてのことと報じられています。

2009年3月度:(TEU 参照)
韓国発 ・・・ 42,560TEU 
日本発 ・・・ 42,568TEU 
台湾発 ・・・ 35,356TEU 

2009年4月度:(TEU 参照)
韓国発 ・・・ 43,194TEU 
日本発 ・・・ 40,847TEU 
台湾発 ・・・ 34,189TEU 

世界不況の影響によるものですが、この傾向は、5月も同様であり、台湾発にも抜かれております。
2009年5月度:(出所:日本海事センター速報値)(TEU 参照)
韓国発 ・・・ 40,752TEU 
日本発 ・・・ 34,231TEU 
台湾発 ・・・ 36,838TEU 

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2009/8/5

船舶火災事故 

先月、香港沖で約2,900本のコンテナを搭載した大型コンテナ船(日本船社)で火災事故が発生しました。

船主により共同海損が宣言され、消火活動が行われた結果、火は消し止められましたが、 260本以上のコンテナが被害にあいました。
火災によるダメージ以外に、消火活動による水濡れ、煤煙などのダメージもあると報告されています。

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2009/8/21

海上輸送状況ー運賃修復の動きと船舶需給ギャップ 

昨年来の世界経済のスローダウン・荷動き低下により、実勢の海上運賃は、路線にもよりますが、大幅に低下しました。

最近、在庫調整が一巡し、景気底入れ期待が広がり、荷動き量が増えていることを反映して、以前のレベルから極度に下がってしまった実勢レートを元のレベルに引き上げるなど、現状マーケット相場にあわせた運賃レートの調整(運賃修復=Rate Restoration)が行われています。
しかし、世界の海運各社は需給ギャップにも直面しています。

世界全体のコンテナ船船腹量は、2009年末で1,326万TEU(2008年末の1,236万TEUに比べ、 7.3 %増)と好況時に大量発注した新造船が投入されています。
今後も船腹量は、毎年10%程度増加すると見られており、世界の船舶需給ギャップが問題となっています。

2009/10/23

船舶の海難事故報告 

貨物船、漁船、釣り船、プレジャーボートなどすべての船舶の海難事故について、平成20年度速報値が各地の海上保安部より発表されています。

海難事故の原因は、主に衝突、火災、浸水などですが、そのうちでも、「衝突」が圧倒的に高い比率となっています。
関門海峡周辺が管轄の第7管区実績:
事故総数(447隻)のうち、衝突原因は、187隻(40%超)
貨物船の事故件数、事故総数(447隻)のうち、73隻(16%超)

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2010/1/21

コンテナ荷動き量 

4月度の日本・アジア発米国向けコンテナ荷動き量(日本海事センター速報値)によりますと、活況の目安となる100万TEUを下回ったものの、5ヶ月連続の増加と報告されています。

全体では、前年比13.1%増の99.8万TEU。 
最大出荷国の中国積、63.3万TEU (シェア63.4%、前年比8.1%増)
日本積、4.7万TEU(シェア4.7%、前年比14.5%増)
その他諸国:
韓国積、5.7万TEU(シェア5.7%)
台湾積、4.3万TEU(シェア4.3%)
ベトナム積、3.3万TEU(シェア3.3%)

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2010/7/15

海運同盟 

定期船航路では、複数の船会社が運送需要に対応しています。
船会社間で不当な運賃競争を防ぎ、定期的な安定配船とするために、一種の国際カルテル(海運同盟)が認められています。

海運事業が貿易振興に寄与する公的事業であることと、船舶等多額な投資が必要な反面、不況の影響を受けやすい特殊性が考慮されているためでもあります。

ワンポイント:
米国議会では、海運同盟に対する独禁法適用除外制度の見直しが審議されているとの報道もあります。定期船航路では、複数の船会社が運送需要に対応しています。

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海運アライアンス 2005/10/24

2010/11/5