私のいた研修部では、他機関からの研修生もよく受入れていました。(他機関とはここでは銀行、信金、信組、生損保を総合した意味です。)これは当行では研修部(教育部門)と外為センター(実務部門)が、同じ本部ビルで仕事をしていたからです。派遣する側からみれば、研修生はずっと同じ所にいる事になります。本人の所在をいちいち確かめずに済みます。
これは好評でした。こちらも研修期間中、すべて同じビルで行うことが出来ます。当方にももってこいの環境でした。つまり当事者双方にとって、この体制は好都合だったのです。そんな外為研修ですが、具体的にはどんな人が来ていたのか。派遣側の思いも含めて、お話ししていきたいと思います。
1.研修の流れ
まず派遣希望元から本部に研修生派遣の打診が入ります。既に受入実績のある先でしたら、そのまま研修部に話がつながります。しかし初めての金融機関からですと、本部で一連の折衝が行われます。同時並行で研修部にも本部から受入要請が来ます。ここで研修内容や研修期間の希望を相手に聞くことになります。
この聴取結果を基に研修内容を組み立てていきます。その後研修生のプロフィールが来れば外為の現場にも伝えます。具体的な研修内容は、「座学」と「実習」の組み合わせで行います。期間は最短で一週間、長くて三ヶ月ぐらいでした。本当はオーダーメイドなのでもっと幅を持たせることが可能なのですが、先方の希望を満たすと大体こんな期間になるのでした。
2.初心者研修
ここからは受入れ研修生のタイプ別のお話です。最も多かったのがこのタイプです。やってくる研修生も殆どが若手でした。このタイプは研修部としても力が入ります。こちらの力量が問われます。研修初日から1週間はマンツーマンでみっちり座学です。この点が特に派遣する側からの評価が高い点の一つでした。
外為研修と言えば普通何人かまとめてです。塾みたいなもんです。しかし当方の講師は専属です。(家庭教師みたいなもんです)その後の現場実習もお客さん扱いはしません。こちらの担当者に混じって実際の業務をやってもらいます。文字通り「習うより慣れろ」です。数日もすれば本人も現場に慣れてきて、電話口で「○○銀行△△でございます!」と名乗るなど、端で聞いていてもやる気が伝わってきていました。
現場でもある程度の期間受入れるため、お客様扱いはしてませんでした。これもまた研修生本人にも派遣した金融機関にも好評を博していました。
3.専門研修
このタイプの研修は、恐らく他所では実施されていないと思います。研修概要は簡単に言うと、既に一定の外為スキルを持つ人が、派遣金融機関の特命を帯びて当行のノウハウ獲得にやってくる。こう言った位置づけです。特定分野の集中研修です。研修期間もごく短いもので、せいぜい一週間程度でした。たった二日間もありました。(尤もこれでは日が足りず再度来てましたが)
この専門研修は短期でしたが、内容はかなり高度且つ緻密でして、派遣する側からすれば割高なコストを払っても惜しくない。そう思わせるだけのメリットを含む内容でした。
今期は他金融機関からの研修生についてお話ししました。
2022/01/10