「外為推進は、事務と営業が両輪である!」外為をやっていると必ず聞かされるフレーズです。この言葉、外為を生業としていた者からすれば、言い得て妙のところが有ります。銀行の外為推進には、営業面でのマインドやスキルだけではなく事務スキルも必要である、といったことです。|外為顧客の満足度は、事務スキルに有り!

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公開日:2020.09.22  / 最終更新日:2022.10.20

外為顧客の満足度は、事務スキルに有り!

外為の事務スキル

「外為推進は、事務と営業が両輪である!」外為をやっていると必ず聞かされるフレーズです。これはどこかの偉いさんの格言などではなく、上司や先輩・誰かしらが、言い続けるいわば常套句と言えます。

しかしこの言葉、外為を生業としていた者からすれば、言い得て妙のところが有ります。今回はこのご紹介をしてみます。

さてこのフレーズですが、意味するところは簡単に言うと、銀行の外為推進には、営業面でのマインドやスキルだけではなく、事務知識も必要である。こう言った意味になります。

しかし、私から言わせると少し違います。「事務知識も必要」ではありません。「事務知識は必須」なのです。事務知識が無ければ、外為の話は全く出来ないのです。そこに必要なものは外為法を始めとする諸規制も勿論ですが、行内事務手続きのように、銀行内の決め事も必要です。
さらには外為センターや店内他係とのハウスルールも然りです。お客様との折衝ではこれらの知識を総動員する必要があります。具合的な例で見てみましょう。

例えば、新規先で首尾良く実権者と面談できたとします。あれやこれやの流れから、「この会社、輸出信用状取引が有るようだ。」こう感じ取ったときの想定です。これはチャンスです。何とか取り込みたいですね。こんな時の定石は、現状取引に不満がないかのヒアリングです。どんなお客様でもそうですが、100%満足している人はまず居ません。銀行員から今の銀行に対する希望や不満について聞かれれば、何かしら不満或いは愚痴が出てくるものです。もしなければ、それは満足なのではなく、こちらと取引したくないだけです。

さてその発言の中身は曰く
・「信用状が中々入手できない」
・「信用状の内容について質問しても満足のいく回答がない」
・「買取に時間がかかりすぎる」
・「金利や手数料が高い」、
・「アンペイド(不渡りのことです)の対応が不親切である」
等々。いろいろ出てきます。

例えば「信用状が中々入手できない」という不満の場合です。私はこんな話が出てきた時には、頭の中で次のように考えます。「オープニングバンク(信用状開設銀行のことです)はどこだ。」「コルレスがあれば、ダイレクトにアドバイスが来るのに。」(直接信用状を自分の銀行に送って貰うの意味)「(持込を条件に)通知手数料を免除するのに」これらのアイデアは事務知識が無いと、考えつかないことばかりです。

逆に事務知識があれば、これらの問いかけには即答できますし、無ければこちらから質問を装ってセールスもできます。またこんなやり取りすれば、その場で主導権を握れます。

皆さんもご経験がお有りと思いますが、相手が自分に一目置いてくれると、交渉事は上手く行くものです。つまりセールス成功につながるわけです。

さてこの事務知識。丸覚えしたくてもとても出来ません。かといってその都度調べるなんて、お客様の前で出来るわけありません。結局が場数を踏むこと。そこで得た教訓を元に必要な知識を仕入れる。陳腐ですが是に尽きると思います。

今回も紙幅も尽きたようです。他の話題は稿を改めて。

2020/09/22

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