日が経つにつれて深刻の度を深めていく新型コロナウィルス問題。今回は外為畑の人間から見た、この問題の影響を少しお話ししたいと思います。案外知られていませんが、銀行の取り扱っている外為には、自己取引はほとんどありません。自己取引とは自己の勘定で自己のために行う取引であり、いわば自分用の外為取引となります。|新型コロナウィルスと外為

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公開日:2020.03.24  / 最終更新日:2022.10.20

新型コロナウィルスと外為

pic_bank_20200324日が経つにつれて深刻の度を深めていく新型コロナウィルス問題。

今回は外為畑の人間から見た、この問題の影響を少しお話ししたいと思います。

案外知られていませんが、銀行の取り扱っている外為には、自己取引はほとんどありません。

自己取引とは自己の勘定で自己のために行う取引であり、いわば自分用の外為取引となります。

それに対して通常の外為取引は、ほとんどお客様からのご依頼です。

つまり外為はご依頼有ってのものですから、ご依頼が無くなってしまえば、何もすることがなくなってしまいます。過去にも戦争や大災害の影響で特定地域や国との外為取引が、消えて無くなったことはあります。しかし今回の問題はそんな限られたものではなく、世界的に影響が出てきています。これはひょっとすると世界的にモノ・カネが止まるのではないか?その結果として外為も無くなるのでは?

こんな悪夢の連鎖反応が頭をよぎってなりません。その前触れでもないでしょうが、三月半ばを過ぎても世界の金融市場は、史上最大とも言うべき大嵐に見舞われています。しかもこの嵐、収まる様子がまるでありません。このまま行くと国跨がりのモノ・カネの動きは全面ストップとならないまでも相当悪くなりそうです。

ではこんな状況下どう対処すれば良いのでしょうか。これは難しい設問です。おそらく正解は無いと思います。ただ現状に近似したものと言えば、東日本大震災が想起されます。この時も世を挙げての自粛ムードでしたが、外為は相手が海外なので、相手は自粛してませんでした。(当たり前の話ですが)

しかし今回は海外も同じような状況です。(むしろヒドイ?)そうなると外為も必然的に影響が大きくなります。場合によっては一年経っても影響が残っているかもしれません。そうなると本当に頭の痛いことになりそうです。

何やらとりとめも無い話になってしまいました。このままではいくら何でもですので、少しまとめてみたいと思います。

皆さん仕事が急減したときはどうしますか。人によってやり方は様々でしょうね。自分だったら小さな仕事をこなしていきます。実績を積み上げるのです。金額の多寡は問いません。仕事を続けることによって、精神面での安定も得ていくわけです。
しかしそれでは入りが不足すると思います。そこで払いを待って貰ったり、資金を借入れたりします。

過去の例から言っても、3年我慢できれば何とかなります。目先の状況で右往左往するのではなく、結局は「正しく恐れて時を待つ」これに尽きると思います。そして世の中がこの災厄を乗り越えて動き出すとき、先ず世界中の金融市場がリスクオンの姿勢を見せ始めます。その時はその流れに乗って動き出せば良いのです。

春の来ない冬はないのですから。

ご参考までに2020.3.20.現在の3メガバンクの状況です。何れも外為の話ではなく、金融支援の話のようです。

三菱UFJ銀行
https://www.bk.mufg.jp/

三井住友銀行 
https://www.smbc.co.jp/

みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/index.html

2020/03/24

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