銀行員の休日は暦通りがお約束です。盆も正月も暦通りです。
しかし一方有給休暇もあり、暦以外でも休む必要があります。
毎年4月には年間の休暇計画を、みんなと相談して作りました。
この作業は中々大変です。管理職にとっては一仕事でした。
今回はこの辺のお話しをしたいと思います。
皆さんお気づきでしょうが。銀行は勝手に営業を休めません。ある日突然営業店のシャッターに「都合により本日休業します」。これは出来ないのです。またシャッターは上げるものの、店内には留守番しかいない。これもダメです。
結局、順番を決めて必要人員は確保の上で、みんなが交替で休む必要があります。この休み、銀行によって名称は様々ですが、一週間程度の連続休暇、3~4日程度の季節休暇、誕生日や結婚記念日などの一日休暇、これらを組み合わせて銀行員の休暇が出来上がっていました。この中でも、最も肝となるのが連続休暇なのです。
お盆近辺で取る人が多いので、別名夏休みとも行ってました。この連続休暇は年に一度のリフレッシュという意味合いなのですが、それ以外にも目的がありました。それは内部牽制です。
銀行員は命の次に大切な「お金」を扱います。ここで言う「お金」とは現金に限りません。預金・貸金・外為・内為(国内為替)・保証何でも「お金」です。銀行業務はこれらを、担当者が一義的に取り扱います。これに検証者が絡む。或いは権限者が判定する。
こんな場合もありますが、何れにしても担当者が初動を起こします。これが正しく行われているか、周りで分かる場合もありますが、実際に中に入らないと分からない場合もあります。これは一日程度の休暇では、判明しない場合がほとんどです。そこで一週間程度の休暇期間中に、他担当者が入ることによって、実際に行われていることが正しいのかどうか、これを調べます。
こうして内部牽制の実効を上げるようにするのです。その時は先ず絶対有りませんが、不正の可能性も念頭に置きます。よく銀行員は言われます。顔なじみになった頃に転勤してしまう。と、確かに転勤は3年位でしょうか。しかしこれも内部牽制の一種なのです。
話を夏休みに戻します。実は夏休みと言いつつ、若手職員の希望が集中したのは、9月に入ってからでした。7・8月は混雑する上に、ホテルや飛行機代が割高。これが大きな要因だったようです。これに気づかず休暇の割り振りを決めてしまい、若手(特に女性)から、大ひんしゅくになったがありました。
大いに反省すると同時に、それ以降は先ず全員の希望を、とにかく全部出して貰う。これを優先することにしました。それ以降上手くいくようになったことは言うまでもありませんが、たかが休みされど休み。そんな気持ちでした。
2019/10/02