海外進出絡みの話をして欲しい。こういうご要望を時々承ります。
実はこのテーマ、銀行員向けとお客様向けではトーンが変わります。
話した回数から言えば銀行員向けが多いのですが、今回はお客様向けでやってみたいと思います。暫しお付き合いを。
さて皆さんが銀行を訪れるとき、メインの用事は「お金」だと思います。海外進出絡みであっても、やはりお金の話がメインだと思います。
ただ海外進出の話を初めて銀行に切り出すのに、何日までに○○円必要。といきなり話し出すことは無いと思います。前段の話として話題になるのが、海外進出に関する情報です。
昔は海外進出のイロハから銀行に聞こうとする人がいましたが、今はネットで情報が手に入るので、そんな人は少なくなりました。また人の往来は多々あり、現地の一般情報入手も容易です。そんな状況で銀行に求める情報は何か。的を絞って聞き出す必要があります。
やはり此処では、資金関係の情報でしょう。現地通貨だけでなくUSDや日本円のような外貨も情報が必要です。また現地体制整備に必要な現地当局への許認可申請も、公式見解は日本にある相手国在日大使館でも得られますが、実際の所は現地に拠点を持つ銀行などに聞くのが一番です。
但し注意を要するのは皆さんが銀行に聞くときには、出来るだけ聞きたいことを明確にしてください。ぼやっとした聞き方をすると総花的な一般論を聞かされて、会社に戻ってネットを見たら同じような話がのっていた。こんなことになりかねません。
また地銀クラスだと海外拠点が限られているので、自社が進出しようとする場所に、海外拠点がない場合もあり得ます。こんな時はメガバンクに声を掛けてみるのも一法です。
海外進出案件は、銀行にしてみればのどから手が出る話です。メガバンクであればなおさらです。まだ取引がなければ「新規先!」と、目の色が変わってきます。良質の情報が約束されると思います。しかもこの部分はまず無料です。これは大きいと思います。
さて次は本題の「お金」に関してです。
海外進出絡みの資金需要に対して、メガバンクであれば現地でも国内でも資金需要への対応が可能です。なので、銀行に要望をぶつけた上で複数案を提示して貰う。この作戦が考えられます。銀行に取っても「提案型営業」は、本部にもお覚えが目出度く、いやが上にも期待値が高くなります。
その際にこれも注意して欲しいのですが、必ず確定案のデメリットを、聞き込んでください。メリットはいやになるほど聞かされますが、デメリットになるとまるで音無しの構えが銀行の通弊ですので。
さらに事実上の取引条件も聞き出しておくべきです。希望とか期待とかの言葉が添えられて話される事柄は、銀行の本音が含まれている可能性があります。
以上、海外進出絡みのお話しでした。
2019/09/09