前回からのお話しを、引き続き進めたいと思います。
今回は銀行から好条件を引き出すコツです。
以下をすれば100%効果を保証!こんな訳にはいきませんが、かなりの確率で好条件を引き出せると思います。
(早い話、銀行は「これは儲かる客だ!と判断すると、途端に対応を変えてくるからなのです。)
コツその1 取引は集中!
私はFP(ファイナンシャル・プランナー)の末席を汚してるのですが、よくクライアントの方から資産運用のコツを聞かれます。その時には分散運用を強く勧めています。同じ分野で運用しないとか、同じ時期に資金を投入しないとかです。しかし銀行取引では真逆です。分散よりも「集中」をお勧めします。
つまり一つの銀行に取引をまとめてしまうのです。
このメリットは同じ取引内容でも、取引ボリュームが大きいほど、銀行は採算が良くなり、ひいては皆さんの待遇が良くなるからです。ま、平たく言えば銀行に「多買」を持って「薄利」を迫る。えげつないですが分かり易いと思います。銀行サイドでもこの様に取引を集中してくれるお客様のことを、「一行先」(いっこうさきと読みます)と呼んで大事にします。
本部への稟議でも、意見欄に「一行先」と記載すれば、それだけで本部の審査部門も、無下には拒絶できなくなります。さらにもう一押しすれば、中小企業であれば会社だけでなく個人取引も、或いは従業員取引も集中してもらえれば、更に銀行は丁重になります。
コツその2 協力する
銀行からのお願いは、出来る範囲で良いので協力する。銀行員も人の子です。同じ案件を採りあげるときでも、銀行のお願いを聞いてくれる取引先と、全く聞いてくれない先とでは、どうしても力の入れ具合が変わってきます。力が入る取引先からの依頼であれば、条件交渉申し出にも好意的な対応を努力します。
銀行からのお願いはきりがない。しつこい。こんな感想を持つ人もいます。これは有る意味本当ですが、その時は遠慮無く断れば良いのです。問題は銀行を打ち出の小槌としか見ていなくて、自分の要求は声高にするが、銀行の要求は拒否する。この取組姿勢では担当者も人の子なので、良い結果は望めない。これが言いたいのです。出来る範囲で良いので応じてみてください。
コツその3 他銀行の話をぶつける
今までの話とは真逆ですが、銀行員は他行動向を異常に気にします。他行が積極姿勢であれば自分たちも積極化しますし、他行の腰が引けていると自分たちも半身を引いてしまいます。私も入行した頃、先輩から企業観察はその企業自体を見るだけでなく、同業他社の動向と、他行動向を注視するようにと口酸っぱく言われました。特に他行動向を見誤るとロスにつながる。こう戒められました。
皆さんはこれを逆手に取れば良いと思います。自分の取引銀行が一行であっても、他行から取引条件の提示を受けることは可能です。他行から見れば新規先からの取引オファーになりますので。絶対に断ることはありません。そして元々の銀行との条件交渉の場に、その他行が出してきた条件を、提示するのです。(いわゆる相見積もりの応用です)
これをやられると銀行の方では取引を失いたくないので、「取引防衛の観点」から「他行同調」という行動をとります。かなりこの方法はえぐいだけに効果的です。何回もやると取引感触が悪くなりますが、ここぞと言うときには、極めて効果的な作戦です。
以上、三点お話ししました。ご参考まで。
2019/06/29