銀行というと何でもオンライン!というイメージがあります。
これって嘘ではないのですが、全部本当ともいえません。
もっと泥臭い部分があります。今回はこの泥臭い部分。見てみたいと思います。 ところで何が泥臭いのかと言えば、それは物流の部分です。
外為センターでは、海外と書類のやりとりを頻繁にします。
さらに各営業店の間でも、常時書類をやりとりしています。一辺に両方をお話しするのは難しいので、ここのところを二回に分けてお話しします。
まず一回目の今回は、外為センターと各営業店の間のやりとりです。
各銀行で濃淡はありますが、やりとりの方法はその銀行内では一緒です。東京する。大阪しない。これは先ずありません。逆に言うと、どこの店のお客様であれ同じように対応します。
預金・融資もそうですが、外為も勿論その例外ではありません。お客様からの依頼を営業店で受け付け後、それらの書類は外為センターと呼ばれる集中拠点で処理します。その後、外為センターで処理された書類や情報が、海外へとつながれていくわけです。
この外為センター、銀行によって一つであったり複数だったりします。メガバンクの場合は東日本と西日本、さらに中京地区の、3拠点体制が多いようです。
さてこれら3拠点と各営業店との外為書類のやりとりですが、営業店からの書類は、外為センターでしか対応しませんので、中継拠点は単なる通過点です。途中で点検はしていません。このため専用の鍵付きバッグを用意します。このバッグが営業店と外為センターとの間を行き来します。
これで両者は直接やりとりすることになります。こうすればスピードアップが図られるとともに、紛失等の事故防止が期待できます。さらに面倒ですが専用袋を各店ごとに用意し、専用袋が他所の店を回遊しないようにします。
これで空袋が行き来する可能性はあるものの、他店への袋の誤配や、混入が防げることになります。
このシステムは想像以上のスピードが確保できていました。遠隔地店と呼んでいましたが、北海道の店舗や南九州の店舗でも、当日の夕刻発送すれば、翌日の午前中には到着していました。さらに取り扱いの多い店は、日に複数回(だいたい3回)袋のやりとりをしていましたので、お客様にしてみれば営業店で処理をして貰うのと、同じぐらいか、もしくはそれよりも早く、海外への発送がなされることになっていました。
よく事務の基本は「正・速・美」といいますが、それを支えるのは一定のスキルを持った役職員であり、整った 執務環境・執務体制です。
この観点から見ても、専用袋での外為書類のやりとりは、理にかなったものといえますし、いくらペーパーレスが進んでも、外為書類がなくなるとは思えませんので、今後も一定のニーズはあると思います。
2018/04/24