「会議は踊る。されど進まず。」という有名な言葉があります。
1814年のウィーン会議を評したものです。
今でも会議漬け状態の「自虐ネタ」に使われるようです。
どんな会社でも打ち合わせ(=会議)は必要なので、気づくとこの状態が現実のものとなっています。
では銀行はどんな状態なのか。今回はその様子です。
銀行の会議は大きく分けて、
・全行的な会議
・地域ごとのブロック会議
・営業拠点(主に支店)内での会議
といった規模別のもの
・営業や融資、外為推進会議といった担当部門別のもの
・若手中心あるいは中堅中心の会議
といった年次別のもの
このように様々な会議が、年間を通して開催されます。
これらは業務の忙しい時を外して開催されますので、どうしても似たような日にち設定になっています。これだけで充分に会議漬けの日々が続きます。実際に翌月の予定表が会議の日程から埋まっていく。他の予定は会議のない日から選ぶ。こんな笑うに笑えない状態になっていました。
これでは仕事は何時するんだ!と突っ込みたくなります。もちろん会議のテーマは、事前に通達で明らかになっていますが、ただ通達を読んで参加すれば良い、というものでもありません。
会議で示達(じたつと読みます。時代がかった表現です。)された内容は、店に戻り全員に周知徹底し、一定の結果を出さねばなりません。しかし会議での示達事項はハードルが高いものが多く、往々にして店に戻ったらどうしようかと、店への帰り道アレコレ悩んだものでした。
こんな外部での会議の以外に、内部での会議(部内会議とか店内会議と呼んでました)があります。半期に一度、主に期初に全行会議を受けて行われる全体会議、営業担当者(渉外、融資、外為)が対象の月例の営業会議、毎朝行う情報共有を主目的とした連絡会議、これらが入り乱れて開催されます。
いずれも話すことを用意していかないと、針のむしろになってしまいます。このネタ探しが結構大変です。至急の案件は対応済みで、今更報告でもありませんし、のんびりした話では、自分の営業活動レベルが疑われてしまいます。
結局ネタ作りの営業に走り回ったり、少ないネタを小出しにするという、なんともいじましい話が、あちこちで聞こえていました。
こういった会議多過ぎ状態は大変問題視されて、会議数の削減や会議時間の短縮といった、対応策も検討されました。しかし今度はその検討のための会議とか準備とかが必要となり、他のことをする時間が無くなるといったことにもなりました。
これを「会議は踊る。されど進まず。」とは言い得て妙だと、独りごちたのも宜なるかなです。今回はそんな銀行の会議についてでした。
2018/04/17