銀行はいろいろな運用商品を勧めてきます。それは保険や投資信託であったり外貨預金であったりします。外貨預金とは、文字通り外貨で預ける預金のことですが銀行本来の商品です。決して特別な物ではありません。ではなぜこの外貨預金を銀行が勧めるのかと言えば、正直いって銀行がもうかるからなんです。|銀行から外貨預金を勧められたら

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公開日:2018.04.07  / 最終更新日:2018.04.11

銀行から外貨預金を勧められたら

pic_bank_20180407

日銀のマイナス金利政策によって、円定期預金の無利息状態が続いています。

皆さんはこんな状況ではしょうが無いなと半ば諦めて、定期預金は貸金庫代わりでいい。こう思っておられませんか?

銀行は皆さんがこう思ってしまうと儲からないので、あの手この手で運用商品を勧めてきます。

それは保険や投資信託であったり、外貨預金であったりします。

このうち保険や投信(投資信託の略)では、銀行は仲介者の立場なので仲介手数料が収益源です。これらを皆さんにセールスすることの善し悪しは、FPである私としては意見があるのですが、このコラムは外為のお話なので、止めることにします。

ここでは外為畑の人間として、外貨預金についてお話しします。

さて外貨預金とは、文字通り外貨で預ける預金のことです。銀行本来の商品です。決して特別な物ではありません。ではなぜこの外貨預金を銀行が勧めるのかと言えば、正直いって銀行がもうかるからです。(身も蓋もありませんが)
銀行は皆さんにセールストークを駆使します。このセールストークがなかなかのもので、フンフンと聞いていると、なにもかも上手くいくような気になってしまいます。(もちろん上手くいけば本当に高利運用となります)

もし外貨預金をする決断をしたときは、是非今からお話しするポイントを、銀行に投げてみて下さい。それで納得できれば、上手な運用になる可能性はグンと高まります。納得できなかったときは一旦立ち止まることをお勧めします。

それでは以下をお読み下さい。(銀行窓口でパンフレットを見ながらの想定です)

質問1
「金利は4%となってますが、年利ですか? それとも半年とか三ヶ月でしょうか?」

コメント:
もし三ヶ月で4%なら、年に直すと1%です。一ヶ月だったら0.3%強にしかなりません。

質問2
「預入時の為替手数料が無料とのことですが、満期解約時の為替手数料は掛かるのですか?」

コメント:
解約時の為替手数料まで無料にしてしまったら、銀行は収益が無くなってしまいます。必ず解約時には発生するようになっています。この手数料がいくらなのかを聞いて下さい。

そしてこの分を受取利息から引くことが肝心です。少し乱暴ですが金利1%の外貨預金に預けた場合、為替手数料がUSD1.00について1円としたら、USD1.00=JY100の時はちょうど1%になるので、金利がそのまま手数料で消えてしまうことになります。

質問3
「外貨預金は銀行が元本を保証してくれるようですが、外貨の保証ですか?それとも円貨ですか?」

コメント:
外貨預金は元本保証です!こうセールスしてきた場合は、必ず確認して下さい。円貨での保証は出来るわけがありません。外貨預金一番のネックは、為替リスクの存在です。これを完全にクリアーし円ベース利回りを確保して、元本保証とすることは残念ながら無理です。この点を曖昧にするようなら問題ありといえます。

如何でしたか。ちょっと意地が悪い質問かもしれませんが、もし銀行から外貨預金を勧められたら、彼ら彼女らにこの質問を投げてみて下さい。案外本音が聞こえてくるかもしれません。

2018/04/07

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