なんとも変なタイトルで恐縮です。
しかし英語ダメ人間としては、重要なことだと自信があります。今回はこの辺のお話です。
外為実務とよく混同されるものに貿易実務があります。この貿易実務。本当に英語力が必要だと思います。
隣の芝生を見るようで分かってない!
と言われそうですが、貿易実務の達人は押し並べて、英語の達人でもあります。
しかし外為実務に関しては、どうもそうではないのです。もちろん外為でも英語は必要です。英語漬けにはなります。ここは間違い有りません。けれどもそこで要求される英語力は高くないのです。私が言うのです。間違い有りません。
では具体的に見てみます。
語学力といった場合、思い浮かぶのは「聞く・話す・読む・書く」です。このうち「聞く・話す」を実際に使うのは、営業店窓口ぐらいです。窓口には本当にいろんな人が来ます。しかし外為窓口に来られるお客様の大半は両替客です。対応はほとんど日本語と英単語でOKです。
私はそのあとミドルオフィスやバックオフィスでも仕事をしましたが、そこでは「聞く・話す」には、全くご縁がありませんでした。外為には「聞く・話す」はあまり要求されません。
次に「読む・書く」ですが、さすがに日本語と英単語では無理です。しかしよくしたもので、海外とのやりとりはほとんど定型化されてます。英文が入電したらお手上げ!これはありませんでした。
ごくまれに「アザラン」(英語以外の言語の意味)と呼んでいましたが、フランス語やスペイン語などで伝聞が入ってきたときは、辞書と首っ引きで格闘して仕上げていました。つまり「読む」方はなんとかなってました。この辺は今なら自動翻訳の世界でしょうか。
最後に残った「書く」ですが、これは読む以上に定型化されていました。これはちょっと考えれば当たり前の話ですが、対外的に発信されるものは、すべて銀行名で出します。個人が勝手に英訳するわけにはいきません。
いい加減なものや、誤ったものを出すことも出来ません。そこで予め様々なひな形が用意されており、必要に応じてそれらを適宜使い分けるルールになっていました。
もちろんそれ以外で、新しく文章を作るものもあります。こんな時は本部のチェックが入ります。外国業務のセクションや法務のセクションが、具体的にその文言を検討するわけです。
こういった一連のやりとりはすべて日本語ですので、英語力は必要ありません。そんなこんなで、貧弱な英語力ながらなんとか外為をこなせました。
何の自慢もなりませんが、英語力に自信がなくても、外為に取り組めます!
以前にも書きましたが銀行で生き残るには、より多く銀行に業績貢献するか、より高い専門性で業績貢献するかです。
ぜひ皆さんも、その点理解して外為の門を叩いて頂ければ幸いです。
2018/02/23