今回はちょっと毛色を変えて、出世する銀行員をフォーカスします。
今も昔も銀行には就職志望者が多く集まります。勢い優秀な人材も多くなるのですが、昔はそれでも、「なんであいつが」と言うような人間も、採用になっていました。(実は私もその一人です)
翻って今は、本当に優秀な人ばかりのようです。これら俊英の中から、いわゆる「出世」をしていく人たちがいます。
これらの人々の顔ぶれをつらつらと今思いだすと、幾つかのパターンがあるわい。と妙に納得してしまいました。それを今回はお話ししたいと思います。
【パターン其の1】
全方位型・・・・無敵のスーパーマン(ウーマン)タイプ役員クラスまで駆け上がるのがこのタイプです。このタイプの人はとにかく全体が見えていますし、細かい事への気配りがシッカリです。持って生まれた器が違うとしか思えません。
必死に仕事をしていなくても、常によい結果を出し続けます。(この「出し続ける」がポイントです)銀行員を100人集めても、その中に1人いるかどうかですが、確実に1人はいます。おそらく皆さんの周りにも、当てはまる人がいるのでは。これが第一のパターンです。
【パターン其の2】
卓越した専門知識を持っている人。このタイプで役員になる人はそんなにいません。けれども侮れません。過去某信託銀行で部長や支店長を経験せずに、いきなり執行役員に抜擢され、話題になった人がいました。
この人の書いた文章は大変に分かり易く、その豊かな才能に圧倒された記憶があります。(惜しいかなこの方は、ガンで52歳の若さで亡くなられました。)
このタイプ、全員が役員になるのは難しいかもしれませんが、かなりの確率でその近くまで上がっていきます。但し上がるには条件があります。ここで言う「卓越した」とは、良く知っているとか、物知りである。という程度ではダメです。
例えば日本貿易学会で発表できる。大学で教鞭をとれる。論文を上梓できる。こういったいわば、その分野での専門家レベルが必要です。このタイプ、一番目のタイプと同じくらい少ないです。100人に1人のレベルです。これが二番目です。
最後に最も多いタイプです。
【パターン其の3】
数字にこだわる人。このタイプが一番多いと思います。数字にこだわるとは、目標を必達することです。目標は与えられたものばかりでなく、自主目標の場合もあります。
これらの人々は、出世するにつれて目標達成の対象が、自分→部下→店全体→部門全体→銀行全体と、だんだん大きくなっていくのが特徴です。
この目標への強烈なこだわりが、組織を活性させるとともに、自らをハッピーにさせるという訳です。このタイプの人は100人のうち10人程度はいる印象です。
以上が出世する人のタイプ分けです。
このタイプ分け、ほかの業界では通じないかもしれませんが、自分ではすごく納得感のあるものでした。そして本当に残念でしたが、自分がそのどれでもない。この現実。これも正直つらかったです。
もし機会があれば、この間の35年どう過ごしたか。これをお話ししたいと思います。では今日はこの辺で。
2017/10/26