日経紙上で三井住友銀行が、「元本防衛型投信」を7月から発売!との記事が出ていました。元本保証ではないようですがそれに近い投資信託のようです。|元本保証の投資信託が出た!?

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公開日:2017.07.19

元本保証の投資信託が出た!?

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ご承知の通り預貯金と異なり、投資信託(以下投信)には元本保証などありません。

日経紙上で三井住友銀行が、「元本防衛型投信」を7月から発売!との記事が出ていました。

元本保証ではないようですがそれに近いようです。今回は予定を変えてこのお話をします。

この記事一番の肝は、条件付きながら投信を購入した資金が、保証される仕組みを導入した点にあります。

100%保証ではないので「元本保証」とは言えないのですが、それに近いものとは言えるでしょう。

記事によると、確保の対象は基準価額の90%部分のようです。新規発売時に購入すれば10,000円(基準価格)の90%、9,000円がその確保対象です。もし基準価額が9,000円になればそこで繰り上げ償還となり、それ以上の損はしなくて済む。こういう理屈です。

この防衛ラインのことをプロテクトラインと呼ぶそうです。逆に基準価格が上昇して11,111円になると、プロテクトラインは10,000円となり、ここで元本が実質保証されます。さらに基準価格が上昇すると、それにつれてプロテクトラインも上昇し、常にそれまでの最高値の90%が、プロテクトラインになるのです。

気になる費用ですが、購入時の手数料は「0円」、信託報酬は年率1.44%程度(あのグロソブが1.35%です)と、魅力的な商品に仕上げているように思えます。

さてこの投信、お勧めなのでしょうか。以下の3点が納得できればお勧めと思います。

一点目はプロテクトラインと自分の持値の関係です。新規発売の時点で購入しない限り、プロテクトラインは自分の購入したときの基準価額の90%以上になります。つまり何気に基準価額が動くだけで、プロテクトラインにタッチして、繰り上げ償還になってしまいます。購入時には、プロテクトラインの確認が必須です。

二点目は信託報酬の存在です。信託報酬はどの投信にもありますので、それ自体は当たり前の話ですし、レートも割高とはいえません。問題なのはこの信託報酬が、基準価額の引下げになる点です。つまり一年間の運用成績が全くの横ばいであっても、信託報酬が発生すれば基準価額はその分下がります。プロテクトラインとの差が最大で10%しかありませんから、10%÷1.44%≒6.94年の計算となり、計算上では7年弱で繰り上げ償還の可能性もあります。一度上がって下がった時は要注意です。

三点目は、投信全体に言えるのですが、銀行に購入申し込みをしても、実際の約定は翌営業日となる。こんな投信が圧倒的に多いのです。(おそらく本件もそうでしょう)

そもそも投信基準価額が分かるのは当日夕刻です。それまでは前営業日の価額しか分かりません。株式相場や外為相場に比べて遅すぎます。そういう仕組みですので我慢するしかありませんが。

ところで実際に売買となると適用価額は、更に一日遅れの翌営業日終了後の価額となります。これでは変動リスクが大きすぎます。投信は長期保有が原則ですが、リーマンショックの時などは、至急換金したいかもしれません。そんな緊急時に翌日にならなければ、売却価額が決まらない。これでは困ります。

この投信を購入するのであれば、これらの点を納得したうえで購入する必要があります。以上るる述べましたが、元本を守ってくれる投信は、本邦初といえます。

もし預貯金以外の運用を考えているのであれば、検討してみることをお勧めします。なお商品名は、SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンドです。

2017/07/19

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