日本にはいろんな金融機関があります。特徴は様々ですが貿易取引を考えるのであれば、外為業務が得意な銀行が望ましいのは言うまでもありません。判断するには3つのコツがあります。|貿易取引での銀行選び3つのコツ

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公開日:2017.06.27

貿易取引での銀行選び3つのコツ

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今回は貿易取引での銀行の選び方です。

ずいぶんと昔の話ですが「顧客満足度調査」で、外為取引先に「当行を選んだ理由」を聞いたことがあります。

前向きな答えを期待したのですが、
「元から口座があった」
「近所だったので」
「ただ何となく」
これらがベストスリーでした。

回答を励みにしようと意気込んでいただけに、なにやら拍子抜けしてしまった記憶があります。

みなさんは如何でしょうか?

もちろんそのまま同じ銀行でも良いのですが、今の取引銀行の対応に不満があるとか、銀行取引が無く、取引銀行を新しく捜しているのなら、その銀行選びのお手伝いができればと思います。

日本にはいろんな金融機関があります。特徴は様々ですが、貿易取引を考えるのであれば、外為業務が得意な銀行が望ましいのは言うまでもありません。ただどうやって判断をするのかが、難しいところです。実際に取引をすれば、何となく分かるようになるのですが、取引が無ければ分かりようがありません。

そこで私がお奨めしているのは、インターネットの活用です。と言っても、口コミで銀行を選べというのではありません。取引を考える銀行が見つかったら、是非その銀行のホームページにアクセスしてみて下さい。トップページには、その銀行が力を入れている項目が出ています。

その中に外為はありませんか?
トップに無ければ次の法人向けのページに、外為の掲載はありますか。もしどちらかに外為があれば、候補としてOKです。無ければ候補から外すことをお勧めします。

次に候補が複数出てきた時の順位のつけ方です。一番は自分が口座を持っている銀行です。同じ銀行なら他支店の口座でも構いません。要はその銀行の口座が有れば、本人確認は口座開設時に済んでいますから、一から手続する必要は無く、銀行での折衝が楽になります。

二番は訪問しやすい場所にある銀行です。インターネット取引も増えましたが、今でも外為取引の基本は、営業店での対面取引です。書類の受け渡しや案件相談などは、直接担当者と会うことによって、スムーズに行きます。自分が行き易い銀行を候補にすべきでしょう。物理的な近さだけでなく、心理的な近さも考慮して下さい。

三番はちょっと切り口が変わりますが、取引相手の国・地域に本店を置いている外国の銀行に、在日の支店がある場合は、その支店と取引をするのも手です。一例を挙げると、中国相手ならBank of China(中國銀行)が候補です。同行の在日支店は大都市が中心ですが、口座開設後はインターネットでの海外送金にも対応しており、人民元送金ができるのは強みだと思います。(HP情報ですので必ず確認願います)

外銀在日支店からの送金は、本支店間送金となる場合が多く、トラブル発生時には現地と直接やり取りしてもらえる点や、現地の細かい情報が得られる点も邦銀にはない特徴です。

以上の三点を念頭に銀行を選べば、かなり間違えのない銀行選びになるのではと、一人で得心しております。

2017/06/27

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