少しでも銀行への支払いを減らしたい。どうすればよいか?
銀行への支払いを減らすためには、
銀行の収益の源泉を知るのが一番です。
外からはどこが収益源なのか、よく分からないと思います。
そこで今回は、銀行の収益源のお話しをしていきます。
なお国際部門の収益は、皆さんと余り関係ないので、
ここでは国内部門に話を絞ります。
銀行の収益は、
皆さんからの利息・手数料収入から成り立ちます。
払っている皆さんから見て、
これらの銀行費用を少しでも減らしたいのなら、
銀行の利幅が大きい部分を知って、
そこから取り戻すことが有効な方法となりますす。
特に外為は対象顧客が少ないこともあって、
銀行の収益構造が余り知られていません。
では早速、その中身について見ていきましょう。
外為は「通貨の交換」と前にお話ししたことがありますが、
銀行の外為収益で最も大きい部分を占めるのは、
この「通貨交換」時に発生する、いわゆる「為替手数料」です。
銀行ではこれを「売買益」と呼んでいます。
どれくらいこの「売買益」が収益に貢献するかというと、
通常米ドルと日本円の交換では、
円→米ドル、米ドル→円、いずれであれ一回ごとに、
1米ドルについて1円を銀行はもらっています。
これは1米ドル=100円とすると、ちょうど1%になります。
「通貨交換」の度に、1%のマージンが発生するのです。
かなりいい商売と思いませんか。
銀行も実はここでの利幅が大きいのは分かっていて、
交渉次第ではサービスしてくれることもあります。
というか、中堅以上の企業では
当たり前のようにサービスしています。
これを銀行では「相場優遇」とか、単に「優遇」と呼んでいます。
この「売買益」は米ドルだけでなく他の通貨にもあるので、
「優遇」を交渉する場合は、「米ドル相当50%」といった形で、
他の通貨のことも、忘れずに話をする必要があります。
次にそのほかの手数料を見ていきます。
皆さんの中には、
海外取引は円建てだったり、
外貨が入金も出金もそこそこあって、
「通貨交換」があまり発生しない。
ということがあります。
これはこれで大変良い事なのです。
が、銀行から見ると余りもうかりません。
そこで銀行ではこのタイプの取引には、
手数料を取引発生の都度、頂戴しています。
ただ料率は先ほどの「売買益」に比べるとはるかに少なく、
例えば「Handling Commission」とか「Lifting Charge」と呼ばれる、
取扱手数料は取扱金額の0.1%とか0.05%が基本です。
これは文字通り、「売買益」に比べ桁違いに少ないと言えます。
ただこの手数料も「優遇」は可能です。
交渉する価値はあると思います。一度お試しを。
収益源の最後は利息なのですが、
世界的な低金利のおかげで、
外為でも金利水準はかなり低くなっています。
その結果、銀行に支払う利息も低くなっており、
交渉の余地は意外に少ないと思います。
銀行の言うなりでOKとまでは言いませんが、
「売買益」、「取扱手数料」に比べてメリット感がありません。
ここで交渉するより取り戻すなら、
やはり前の二つがターゲットです。
要は交渉の正解の話ですから、
是非一度、銀行の担当者に、話すことをお勧めします。
2016/05/18 貿易実務の情報サイトらくらく貿易