海外販路網構築講座 その6:グローバル経営人材育成講座
首都圏産業活性化協会(TAMA協会)というところで、グローバル経営人材育成講座のアドバンスコースを担当させていただきました。海外販路の作り方、展示会活用の仕方、代理店候補への提案書の作り方、契約書の作り方、法的な問題点等を実例挙げて説明し、プレゼンも各社4回していただきました。
面白かったのは他社紹介です。2人でペアになって、相手を15分程インタビューしたあとで相手の会社の概要と製品を皆さんの前に紹介発表してもらったのですが、皆さん自分の会社を説明するよりも、他社の事の方がよほどうまく説明されます。自分も知識のない業界の事なので、素人にもわかるように噛み砕いて説明してくれるのです。また自分自身をアピールする事には抵抗があるが、他社の事は遠慮なく誉められるのでしょう。
我々、ピンポイント・マーケティング・ジャパンも「業務内容が一番分かりやすいのはジャングルシティーのインタビュー記事でした」と言われる事があります。自社のHPよりも外部の人が書いたインタビュー記事の方が分かりやすいというのですから、マーケティングの会社として若干恥ずかしいものがあります。日本人的謙虚さを我々ももっているのでしょう。
さて、海外におけるマーケティング力は1.語学力・文化的適応力 2.提案力 3.交渉力に分けられます。
一般的には1が強調されることが多いのですが、今回のグローバル経営人材育成講座のアドバンスコースで私が強調したのは2の提案力と3の交渉力でした。というのは、日本企業は海外の販売会社に向けて「自ら提案する」という事がほとんどないからです。製品を海外展示会にもっていって「こんな製品です。よろしくお願いします。」と製品説明だけして販売戦略に関しては、完全にノータッチ・提案待ちの姿勢です。
必要なのは、どういった海外販売パートナーで、何をしてほしいのか、そしてその販売パートナーにどういったメリットがあるのかを明確に説明できる会社は非常にわずかですし、それを販売代理店契約書に落とし込んで提出できる形にしている会社は更に少ないです。これではいくら海外展示会に出展しても販売パートナー候補との契約には至らないでしょう。
私のコンサルティングしている会社でこの半年で海外代理店を10社も次々と獲得して順調に海外販売を伸ばしている会社があります。上記のような準備をしてから国内・海外展示会に出展するようになったからです。出会いを具体的な形にもっていく手順を作ったとたんに成果が表れ始めたのです。
グローバル経営人材育成講座のアドバンスコースでも、そのような説明をして海外の代理店候補(セールスレップ・ディストリビューター候補)への提案をプレゼンしてもらいました。数年後、参加企業の中からグローバルニッチ企業が生まれている事を信じています。
2012 © 大澤裕@ (株)ピンポイント・マーケティング・ジャパン