ジャーナリスト・池上彰氏が「先送りできない日本」(角川Oneテーマ21)の中で、トーマス・フリードマンの言葉を引用して、「2001年に中国がWTOに加盟してから、世界の貿易の流れが変わってきた」と指摘していますので、ご紹介したいと思います。
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トーマス・フリードマン著「フラット化する世界」 より
アフリカで毎朝、シマウマが目を覚ます。
一番足の速いライオンよりも速く走らないと殺されることを、シマウマは知っている。
毎朝、ライオンが目を覚ます。
一番足の遅いシマウマに追いつけないと飢え死にすることを、ライオンは知っている。
ライオンであろうとシマウマであろうと変わりはない。
日が昇ったら、走りはじめたほうがいい。
誰がライオンで誰がシマウマなのか。
私にはわからないが、これだけはわかっている。
中国がWTOに加盟して以来、その両者と世界各国は、どんどん速く走らなければならなくなっている。
中国のWTO加盟が、共同作業の別の形-オフショアリングを強烈に加速させたからだ。
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大地震以来「海外移転・空洞化」とのマスコミ論調が多い中、2001年の中国のWTO加盟から流れが、オフショアリング(海外移転)に向かっているとの指摘に鋭いものを感じました。
2012/09/13