「東京の市場は量・質において、国際的にも恵まれた環境にある」
東京商工会議所が「東京の特性を踏まえた中小企業の成長のあり方」を提言している。
「変化に対応する」、「強みを作る」など中小企業が成長戦略を策定する際に必要となる視点をまとめている。その中から「グローバル化」について紹介してみたい。
海外進出した多くの企業が「国内市場に危機感を抱いた」ことを進出動機に挙げている。
多くの業界が「国内市場の縮小」という問題に直面しており、これを打破するために、既存の技術を活用して、「海外」という新市場に出て行く戦略を選んでいる。
一方、海外から撤退している企業もいる。
撤退しているのは、大企業に比べ、中小企業の比率が高い。海外に進出しても、「受注先・販売先の開拓が困難」「生産・品質確保が困難」「生産コストがアップ」などの問題に直面したケースが多く、事前調査を充分に行ってリスク分析などを行ってから経営判断をすべきと注意を喚起している。
「グローバル化」についての成功事例がいくつも紹介されているが、海外に直接進出せずに、グローバルにビジネス展開をするソフトウエア開発会社のケースが興味を引いた。
人材採用でグローバルにビジネス展開をするソフトウエア開発会社のケース
「日本人の頭脳だけでは勝てない」という考えのもと、いかにして国籍を問わず優秀な人材を確保・活用するかという課題意識を持ち、海外に進出せずに東京本社をグローバル化している。
現在、6カ国18名の外国人が働いており、本社社員の20%弱を占めている。
入社3年目で部長となる中国人社員もでてきているそうだ。
「海外」という新市場に出て行く戦略だけが、「グローバル化」への道ではないよき事例として紹介したい。
2012/09/03