海外販路網構築講座 その3:中国市場での失敗例
景気低迷がささやかれる中国ですが市場としての魅力はますます高まってきています。私も先月に大連に行ってきましたが、衣食住のすべてにおいて現地の購買力の強さに驚きました。しかしながら、そういった表面上の魅力に反して、実際は中国での販路開拓・進出に失敗している日本企業も多いです。その失敗例をご紹介します。
1.現地総経理の不正
販売子会社を設立して現地人を社長(総経理)にしたところ、彼の親類の会社を販路に入れられてマージンをとられていたというケースがあります。なかなかこういった不正は表にでにくいですが潜在的には相当にありそうです。
2.労使問題
物価上昇が続く中、現地労働者から毎月のような賃上げ要求にゲンナリしている会社があります。最近は日本以上に厳しい雇用法が施行されていて簡単に馘首したりもできません。
3.賃貸料の急上昇
特に都市部ですがオフィスや店舗の賃貸料金が急上昇しており、当初の想定をはるかに上回る固定費を製品・サービスの値段に転嫁する事ができずに苦しんでいる会社も多いです。場所によっては5年で5倍の賃貸料になったところもあるそうです。
4.ワイロ
1人に渡したら他の人からもどんどんと要求されるようになったという話を聞きました。本当に必要なのかもわからず現地責任者の言いなりになってしまう例もあるようです。
このように、まだ難しいことの多い中国の販路網構築ですが、その中で成功例として語られるのがダイキンやヤクルトです。共通点は自社販路を諦めて代理店を活用しているところ。問題はどうやって信用できる代理店候補を見つけて、育てていくかというところにあります。それについてはまた別の機会に。
2012 © 大澤裕@ (株)ピンポイント・マーケティング・ジャパン