A地点からB地点までに掛かる経費項目は、3グループにわけることができます。
1.輸出地でかかる経費:
貨物ピックアップ料、ターミナル料、輸出申告料、輸出梱包費など
2.国際輸送の経費:
基本運賃、燃料割増料、為替調整割増料、セキュリティー割増料など
3.輸入地でかかる経費:
輸入通関料、貨物検査料、ターミナル料、配達運賃、輸入関税、輸入消費税など
この経費を輸出者が負担するか、輸入者が負担するかを取り決めているのが、世界共通の貿易条件(インコタームズ)です。最新版のインコタームズ2010では、この条件が11種類もありますが、ここでは、日本でよく使われるいくつかの条件について、経費の負担範囲がどう違うかみてみましょう。
EXW条件 (Ex Works、工場渡し)
工場を出荷した時点で、売主から買主にモノの引渡しが行われた以降、買主は、輸入地までのすべての費用負担(つまり、経費項目1+2+3)をして、物流手配も行わなければなりません。
FOB条件 (Free on Board:本船渡し)
FOBの場合、モノが船に積み込まれた時点で、売主の引渡しが完了します。この場合、売主は、経費項目1(輸出地でかかる経費)を負担し、買主は、経費項目2+3(国際輸送の経費と輸入地でかかる経費)を負担することになります。
CFR・CIF条件 (Cost and Freight:運賃込み)
日本到着までの全ての経費項目(1+2+3)を売主が負担する条件で、保険を付けない場合がCFR条件であり、保険込みの場合がCIF条件となります。
この条件は、買うほうにとって、物流手配をしないため、便利に思われがちです。しかし、売主に丸投げするのと同じで、日本到着まで輸出地費用、国際運賃が妥当なレベルであるかどうかの検証をする必要があります。
初めて輸入取引される方にとっては、売主に物流手配を一任するCFR条件かCIF条件で始めて、慣れてきた段階で、自分で全ての物流手配をするEXW条件に切り替えるのも一案かと思います。
関連サイト:
インコタームズ2010(その1) 2010/10/6
インコタームズ2010(その2) 2010/12/8
2012/03/02