海外旅行には、いつでも誰でも自由に行けますが、税関でパスポートの提示は必要です。貨物の場合も同じように、税関での検査は必要です。
日本の輸出入取引は、原則自由です。
しかし、「外国為替および外国貿易管理法(外為法)」で事前に許可を申請しなければならない商品が決められています。
輸出をしてはいけないのではなく、輸出をする前に、経済産業省に許可申請、承認を得なければならない商品もあることを覚えておいてください。
そのため、輸出する商品がこの法律に該当するかどうかの調査(貿易コンプライアンス)は、契約前の経営判断をするうえで、大変に重要なことなのです。
・法令を知らなかった
・自社製品は、高度な技術を用いた貨物ではないので、許可が不要と思った
・メーカーに該非判定を依頼し、間違った判定結果を鵜呑みにしてしまった
・海外にある自社子会社への輸出は許可が不要と思った
など、輸出当事者の認識不足から、国際的な安全保障貿易に抵触した不正輸出を理由に摘発される事件が相次いで生じています。
大手企業であれば、社内に輸出管理室等の貿易コンプライアンス専門の部署を設置して対応しています。専門部署の設置が困難な中小企業では、対応に苦慮しているケースが多く、通関業者任せのケースも多いと思われます。
貿易コンプライアンスは、輸出当事者の責務です。輸出者自身が貿易コンプライアンスの自主管理で適切に判断しなければなりません。
法的規制の認識不足から、委託業者に丸投げしたり、勝手に判断したりしないことが重要なのです。不正輸出が意図的でないにしても、知らなかったではすまされず、刑事罰を受けることもあります。
事前のコンプライアンス調査を忘れないようにしましょう。
関連サイト:
貿易業界で使うコンプライアンスとは? 2005/6/20
2012/02/24