売主と買主がお互いに交渉して、自由に契約を取り決めることができるのが貿易取引です。当たり前ですが、国内取引ではなく、異なる国の間で行われる売買取引です。
そのため、当然、言葉が異なる、商慣習・法制度も異なる国同士での取引となります。さらに、物・金・書類が異なる流れをします。コンプライアンス(法令遵守)・代金回収トラブルや輸送中のリスクなどもあります。
いちばん気をつけておくのは、お互いにどこまでが自分の責任なのか取り決めておくことでしょう。よくあるケースですが、契約時に価格と納期だけ取り決め、その他の条件を明確にしないで契約してしまうケースが多く見られます。
輸出入取引の契約では、売買当事者の責任範囲と免責範囲について細かく取り決め、最悪を想定した場合の解決方法も合意しておくことが大事です。
売主と買主のどちらがどの費用を負担するか、また売主から買主にモノを引き渡す場所をどこにするかを取り決めておかないと、トラブルの原因となります。
輸出入取引の最大の基本は、貿易条件(インコタームズ)です。
インコタームズは、国際商業会議所が取り決めた貿易条件の解釈を明文化しており、世界で最も利用されている貿易取引の国際ルールなのです。
貿易取引は、国境をまたぐ国際取引です。人間の常として、自分に都合の良いように解釈しがちです。ましてや、異なる言語と異なる商習慣の下で、売主と買主間で契約内容の解釈について、しばしば論争や訴訟問題にもなっていました。
そこで、国際商業会議所が世界共通の貿易条件の国際基準を定めたのが、インコタームズ規則なのです。最新版は、2010年に改定されたインコタームズ2010です。
インコタームズ2010(その1) 2010/10/6
インコタームズ2010(その2) 2010/12/8
貿易業界で使うコンプライアンスとは? 2005/6/20
2012/02/14