チョコレート、アイスクリームなどの名前に国や地域由来の名前を施していることで、現代社会においては人種差別と捉えられる商品が少なくありません。フィンランドの老舗お菓子メーカー「ファッツェル」を筆頭にこうした差別に向き合う企業があります。今回はそのような企業の取り組みを紹介します。|差別と向き合うフィンランドの食品メーカー

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公開日:2020.09.09  / 最終更新日:2022.10.20

Terve! 差別と向き合うフィンランドの食品メーカー

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チョコレート、アイスクリームなどの名前に国や地域由来の名前を施していることで、現代社会においては人種差別と捉えられる商品が少なくありません。フィンランドの老舗お菓子メーカー「ファッツェル」を筆頭にこうした差別に向き合う企業があります。今回はそのような企業の取り組みを紹介します。

食品会社ネスレ社と英国のアイスクリームメーカーR&R社が50%出資するグローバル合併会社Froneri Finlandによると、フィンランドでは1968年からエスキモーブランドのアイスクリームスナックが販売されています。

しかしエスキモー商標を所有し人種や文化的差別に取り組む米国のドライヤーズ・グランド・アイスクリーム社では、このブランドは不適切であると述べています。

アラスカ先住民言語センターによると「エスキモー」という名称は、イヌイット族やユピック族が先住する米国アラスカ州では使われているが、他の地域では イヌイット族以外の人々がつけたもので『生肉を食べる』という意味で使われているといいます。

また言語学者によれば、この言葉は「スノーシューに網をかける」という意味のオジブワ語に由来すると考えています。

こうした米国の動きは、ジョージ・フロイド事件をきっかけに昨今活発な動きになってきているため、フィンランドにおいても商品名を慎重に検討する動きがみられます。

先述のFroneri Finland社は、私たちにとって「平等」は非常に重要な問題として認識しており、現在、調査などを進めているところであると述べています。

またフィンランドの老舗菓子メーカーのFazer(ファッツェル)社では、「Geisha」チョコレートの商品名の変更を検討していると発表しています。

「Geisha」チョコレートは1962年から販売されており、発売当初は西洋文化からみればエキゾチックで興味深いものとして捉えられていたようですが、今日の国際社会では不適切であると指摘を受けています。

SNSなどから賛否両論のフィードバックを受け取り、その中で人種差別をはじめ、文化的所有権と女性の平等に関する問題についての指摘も受け取ったと話しています。

さらに乳製品メーカーのValio(ヴァリオ)社は、文化的な固定観念に基づいたブランディングを行っているとして、パッケージに描かれた、つばのない円筒形の帽子フェズを着用したトルコ男性のステレオタイプなイメージについてSNSでの議論を受けて、ヨーグルト容器を変更する意向を発表しました。

同社は、マーケティングにおいて差別を助長しないようにするために1年前に方針を更新。この議論が発生する前にヨーグルトのリブランディングを計画していたが、迅速に対応できていなかったと認めています。

このような企業の取り組みは、今後一層活発になっていくと思われます。フィンランドは平等の精神が社会に浸透していることもあり、人種や文化的な差別については迅速にかつ慎重に検討を行う必要があることを認識しています。

ところ変われば発祥地の概念はきちんと理解されず、逆に差別的な意味を持ってしまう難しさは否めません。そうした伝統的な文化に対する尊敬の念を持つことも、これからは個人にもより一層求められてくると思います。

写真出典元:
https://www.fazer.com/products/our-international-brand-selection/geisha/geisha-milk-chocolate-since-1960s/

2020/09/09

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